表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブな私は自由なはず‥‥うるさいですわよ!ヒロインども!!  作者: おかき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/31

19話 エリー姉さんは激おこです

受付嬢のエリーは、Sランクになったエリアナの専属となった。

エリーはエリアナが可愛くて仕方ないのだ。



〜 ❀ 〜


私はギルドに初めて来たエリアナを依頼者だと勘違いした。 


とても可愛らしい貴族の令嬢が冒険者になれるとは思わず、泣いて逃げ帰ってくると私は思っていた。


夕刻近くになっても戻らないエリアナを心配しながら、私は待った。

ギルドの大きな扉を開け、泣き腫らした目をしてエリアナが入って来た。討伐した魔物を入れてある大きな袋を担ぎボロボロになって戻って来た。


その姿に、胸が痛む。


12歳になったばかりの令嬢が、何故ここまで冒険者に拘るのか。


私がエリアナの初討伐成功を褒めると、涙をボロボロ流して胸の中に飛び込んで来たのだ。

可愛い⋯⋯。可愛いくて仕方ない。

私は泣きじゃくるエリアナを抱きしめ頭を何度も撫でて褒めた⋯⋯。


エリアナを観察して解った事がある。

エリアナは自分の容姿をそこそこ可愛いと自覚はしている。

いやいや⋯⋯。

とんでもない美少女であり、可愛らしい令嬢なのだ。

新人からベテランまで、男性陣はエリアナの虜になるのは仕方がない。


女性陣からは敵視され、嫌がらせが始まった。

それを許すギルドの受付嬢達ではない。

エリアナに嫌がらせする者には、それに値する嫌がらせのクエストを回した。


受付嬢は全員、エリアナの味方だった。

当時のギルマスに目をつけられかけたが、エルランドさんの尽力によってエリアナの能力を隠し続ける事が出来た。


前ギルマスは排除されて、ギルド全員が拍手喝采だった。


エリアナはソロで頑張っていた。

家族と領地の為だと、ひたすらに頑張っていたのを私はずっと見てきた。


恋に浮かれる年齢になっても、必死に依頼を受け続けている。

その健気な姿に絆させる冒険者達も増え、エリアナの味方も増えて行った。


貴族達の密偵も、エリアナに目を付けているのが受付から見ていて解る。

婚約するのが手っ取り早いのに、エリアナからそんな話は聞かなかった。


不思議に思い観察していると、犯人を見つけてしまった。

公爵家の嫡男のセドリック様が、密偵に何かを伝えている⋯⋯。


エリアナに知られないように徹底している姿に、エリアナが狙われた事を私は理解した。

執着心が凄かったわね⋯⋯。

私と目が合い、セドリック様が私が何かに気が付いた事を知られてしまう。


時々話しかけられるようになったけど、殆どがエリアナの話しだった。

エリアナの事情は、ギルドの殆どが知っているのでセドリック様にも伝えた。


余計にセドリック様の恋心に火を付けてしまったが、セドリック様が影からエリアナを助けているのを知っている。


私はエリアナの絶対的な味方なのだ。

セドリック様であっても、大切なエリアナを傷付けるのは許さない⋯⋯。



エリアナとの出会いを回想するエリーは、目の前の一行を無視していた。

何度も押しかけてくる一行を、ギルドの受付嬢は嫌っている。


一行が帰った後には。

「誰か一行を討伐する依頼を出さないかしら?」

と、笑いの種にされるくらい嫌っている。



「おい!聞いているのか?」

一行の一人が大声で話しかけて来た。


「聞いてませんが、何か?ここはクエストを受けるか、依頼するかを受ける場所です。人探しは請け負っていません。

人探しは、騎士団に行ってください。

あ!調度隣に騎士団子息様がいらっしゃいますよ?」


と、冒険者のクエスト受注を捌きながら、返事を返した。


「口の利き方に気を付けろよ!この方はアーノルド王太子殿下だぞ!」


エリーはそんな事は承知している。


「知っていますが?」

捌きながら、素で答えた。


ドカッ!!

騎士団長子息のパトリックが受付を拳で殴った。

「なんだその態度は!不敬だぞ!」

他の側近も騒ぎ出した。


「王太子殿下であろうと、ギルドでの権力の順位は冒険者ランクのみ。低ランクの貴方達は私に何かを言う権利すらないのよ!!」


エリーは腹の底から怒っていた。


やっと見つけたエリアナの幸せを邪魔する一行を、討伐したいくらいに腹を立てていた。


エリーは荒くれ者を相手に毎日仕事をしているのだ。

年端も行かないお坊ちゃんは赤子同然なのだ。


「申し訳ない。私が詫びる。」

後ろから王太子殿下が謝罪し、前に出てきた。


「こちらにセドリックが来ていると情報を得ている。呼んでは貰えないか?」

丁寧な口調で話しかけて来た。


「セドリック様を呼ぶ事は出来ません。」

エリーが拒否をする。


「ちょっと!呼んでくれても良いじゃない。私達はセドリック様の学友なのよ?学友を呼んで欲しいと言ってるだけなのに〜。」


怒っていたのに、泣きそうな声に変えて来た。

「エイミーは友達思いだからな。」

「エイミーはセドリックが心配で仕方ないのだよ。」


(こいつら全員馬鹿だな⋯⋯。)

エリーは心の中で、悪態をついた。


「エリー。こんなに頼んでるんだ。ちょっと呼んでやれよ。」

「そうだぞ。可哀想だろ。」


男性の冒険者達まで加わって来た。


「はぁー。ギルマスに聞いて来るわ。」


うんざりしながらギルマスの部屋に入った。


エリアナとセドリックが仲良く座っている。

(はぁー。癒されるわ。)

お似合いの二人を眺めて、荒んだ心を癒していく⋯⋯。


ギルマスに例の一行が来た事だけを伝えた。

ギルマスもエリアナをとても可愛がっているのを知っている。


(うんざり感を出せば、ギルマスは一行が騒いでいる事を察してくれる。

そして、私と同じ。

エリアナを悩ます者は、排除する。)


一行が誰なのか気が付いたセドリックは、明らかに苛立っていた。


(セドリック様は一行が嫌いなのね。)


エリーが一行に伝える言葉は、拒否の一択となった。


ギルマスからの返事は、エリーにとって最高の答えが返って来た。


足取り軽く、受付に戻った。


騒いでいた一行が、エリーが戻ると期待の眼差しで見てきた。


「セドリック様からの言葉は、拒否の返事を頂きました。」


それだけ伝えると、他の受付嬢の側に行き仕事を始めた。


「セドリックが拒否するはずがない!お前が嘘を言ってる以外ありえない!」

「友達を見捨てる奴じゃないからなぁ。」


と、エリーを非難し始めた。


冒険者達まで、エリーを責め始める者もいた。


エリーは手にしていた分厚い書類で机を叩いた。


「セドリック様が会っているのは、ギルマスだ!ギルマスの前でセドリック様は貴方達を拒否した!

私が嘘を言っていない証人はギルマスになる。騒ぎたいなら騒げば良い!

これ以上騒ぐならギルマスの権限を使い、冒険者登録を抹消して構わないと言われている!」


エリーは怒りのあまり、魔力を放出した。

エリーの属性は、雷だ。

エリーの周りをバチバチと稲妻がはしる。


「私の冒険者ランクはAなの。私とやり合いますか?訓練場に行っても良いのよ?」


殿下一行は恐怖で動けない。


「抹消が嫌なら帰れっ!!」


一行の足元に雷が落ちた。

殿下一行は、バタバタと慌てて出て行った。


次に、エリーを責めた冒険者達を睨みつける。


「あんた達も訓練場でやり合っても良いのよ!」


冒険者達は視線を下げた。

Aランクに勝てる者はいない⋯⋯。


エリーは無視して、仕事に戻った。

他の受付嬢からは称賛の嵐だった。


一行は王族を盾に、何度も押しかけセドリックを出せと煩かったのだ。


(エリアナの幸せを邪魔するならば、遠慮なく私も邪魔をしてやる!)


エリアナは知らないうちに、ギルドで最強の受付嬢に気に入られていたのだった。



追い返された殿下達は、焦っていた。

学園専用のダンジョンに潜るには冒険者ランクがCランクでなければ、許可がおりない。

一行は全員が、Eランクなのだ⋯⋯。


学生であれば潜れると勝手に思っていた。

長期休暇が明ければ、ダンジョン攻略が始まる。

殿下達は、クラスで最下位の冒険者ランクなのだ。

王族や側近が低ランクなど、恥でしかなかった。


「エイミーがセドリックは私達を助けてくれると言っていたではないか!」

王太子のアーノルドが、エイミーを問い詰めた。


「そうよ!セドリックはBランクの冒険者なはずなのよ。私達のランク上げを本来は手伝ってくれるはずなのに〜。」

エイミーもセドリックが頑なに拒否する理由が解らないでいた。


しかも、セドリックはBランクではない。

Aランクなのだから。


エイミーがセドリックをBランクと言っていたのを密偵が耳にしセドリックに報告されていた。

ならば、直ぐにランクを変えてやるとソロ討伐を受け、ランク上げを密かに行っていた。


セドリックはエリアナの為に、エイミー達が話す事を全て塗り替えるつもりなのだ。


「長期休暇でランクあげしなければ、学園が始まってから低ランクのままならどんな目で見られるか⋯⋯。」


前回はランクが足らず、クラスの皆にダンジョンの入口で置いて行かれたのだ。


そう⋯。エリアナが倒れたあの日に。


「ギルドと公爵家の周りを見張って、セドリック様を直接説得するしか策はありませんわね。」

イザベル嬢がそう提案する。


「そうだな。暫く見張ろう。ランク上げをしなければならないからな。」


明日からギルドと公爵家を見張る事にする。

セドリックは子爵家にいる。

公爵家の見張りは無駄な労力となるだけだったが、それを一行は誰も知らない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ