《閑話》モブの悲惨な運命
特別短編。的な
思いついたから書きました。
忘れて下さい。
第2図書棟・購買部前
その日、モブAこと、タカは、人生最大の賭けに出た。
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タカ(内心):「この学園に入ってもう3週間。魔法適性Cランク。杖のデザインは既製品。恋愛運は最低。
……でもっ! それでも! 今日という一日は俺が主役だ!」
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彼の目線の先――そこにいたのは“奇跡の歌姫!?”、
⦅フィリア・ノート》
髪色:ピンクブロンド(淡く柔らかな色合い、光によって金にも桃にも見える)
瞳色:水色(澄んだ空のように、心の底まで見通せそうな透明感。
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タカ(汗をぬぐいつつ):「よし……この学園公式“花言葉コード対応バラ”を手に……彼女に“告白コード”を渡すんだ……!」
(彼は、学園最大のタブー“リオ(保護者)の横からフィリアに声をかける”という選択をした)
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モブA「フ、フィリアさんっっっ!!」
(世界が止まった)
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リオ:「ん?」
フィリア:「あっ、こんにちは……?」
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タカ(声が裏返る):「こ、こ、これっ! あなたに……このバラ! コード付き! 受け取ってほしくてぇぇぇ!」
(差し出されたバラには、最新の“魔導SNS連携コード”が彫り込まれている。完璧な準備だ)
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一瞬後――空間が歪んだ。
モブAが白黒になり、空気中に色素が逆流する。
フィリア(バラを受け取った瞬間):「あっ……だめ、これ、色が……合わない……!」
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ズシャァァァッ!!!
空間が破れ、タカの背後から突然現れる異空間の裂け目。
中から現れたのは――
『告白失敗の神・デスラヴァ』
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デスラヴァ:「……告白コード、未承認。感情の純度、38%。破棄対象。悲哀の供物として認証。」
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タカ:「えっ、あ、あれ、俺の人生イベントログ、ちょっ、待っ――」
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バシュゥゥゥウゥッ!!!!!
彼は“告白失敗特異点”に吸い込まれ、次元の狭間に消えた。
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その後――
・モブAは「哀しみを詠む紙魚」として書庫の片隅に転生した。
・図書室の第5螺旋層で、不定形の魔法生物として静かに暮らしている。
・読みかけのラブレターを見つけると、すすり泣きながら寄ってくる。
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モブB(その様子を物陰から見て):「やっぱ……校門で渡すのやめよ……あの人、もう人間じゃない……」