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休ませて欲しい。あと、Fクラスとは関わり合いになりたくないんで。

出来れば触れたく無い

本棚や本達を司書と協力して粗方片付け終わった頃、クリスタル?ケースに収納された本を少年とトンデモ美少女が見付けた。


リオ「おい!司書センセー!これは触れてもいいものなのか……?」


司書「。。。。。。」


フィリア「先生は魔法の行使しすぎで、気絶しちゃった?みたいです…私!入学したばかりなのに、もしかすると、退学になっちゃうんでしょうか……」

 フィリアが囁いたとき、リオの手が自然とクリスタルケースへと伸びた。

 フィリアもまた、その手にそっと自分の手を重ねる。


挿絵(By みてみん)

オリジンコード


 パリン――ッ

リオ「あっ…お姉さん、割っちゃったら退学確定ですよ…」

フィリア「私、力入れてません!!」


 音を立てて、クリスタルが砕けた。

 同時に、リオの意識は遥か遠く、時の彼方へと飛ばされた。


リオ「体力も意識も…限界だ……」



――回想:太古の記憶――


 世界が、まだ一つだったころ。

 大陸をひとつに統べる王都ルミナリアでは、ひとりの魔法使いが戦火に立ち向かっていた。


その名を、大魔法使い・賢者 35歳独身。

《アルカ・アークライト》


その傍らには、一人の歌姫。

⦅セレナ・ノート⦆


そして戦禍の最終局面。

アルカはセレナを守るため、世界の記憶を《魔法の書庫》アカシックレコードを構築、自らの魂をも使用し封印を実行し、転生の輪に身を投じた。


 「必ずまた、巡り会う。記憶を、世界を、取り戻すために……」



 リオ「うーーっ……はーーっっ!……!」


 リオが目を覚ました時、フィリアは彼をじっと見つめていた。


 フィリア「ねえ、知ってたの。あなたが来てくれる気がしてた。私……この書庫で歌うために、ここに来たんだって思うの」


リオ「フィリア……?杖を、白ロムを買いに来たってさっき言ってたよ?」


フィリア「わかんない。杖なんて、どうでもいい。

でも感じるの!わたし…あなたを待ってた!って」


 その瞬間、扉の奥から――誰かの拍手が聞こえた。




???「いいね、いいね。まるで劇場じゃないか、ベタな恋愛小説みたいで!」


 現れたのは、一人の少年。

 燃えるような赤髪に、細身の杖をぶら下げ、傲慢な笑みを浮かべている。


 名を――ゼクス・フェルミナ。

 魔法学園の新入生。だが、彼には裏の顔がある。

決して!肩凝りに効く訳では無いが。

 

ゼクス「君たちが書庫を起こしたんだろ? 素晴らしいよ。さっそく試させてもらうよ、この“新しい世界の力”をね」


 リオが前に出ようとすると、ゼクスは杖を軽く振った。

 次の瞬間、棚の一角が砕け、本達が文字を纏った獣のような姿で具現化された。


リオ「“書庫の幻獣”……!?」


(幻獣が咆哮し、本のページが宙に舞う。空間が歪み、魔素の流れが狂い始める)


リオが叫んだ時には、すでに空気が緊張に包まれていた。

 だが、フィリアは怯まずに一歩、前に出る。


フィリア「この子たちは……怒ってる…。歌ってあげる。ねぇ、リオ!力を貸して」


 リオは熱に打ち震える身体に鞭を打つ。


リオ「……ああ。俺が“世界の記憶”を読む。君が“世界の旋律”を歌う。二人で一つ、だったんだな!」


フィリア「何言ってんだおめぇさん?」


 リオが杖を手に、詠唱を始める。

 フィリアが旋律を紡ぎ、歌う。


リオ「いや、ソコは合わせろよ…」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゼクス「さあ、どうする!? 制御できるのか、“記憶の幻獣”を!!」


(フィリア、目を閉じて一息)


フィリア「――怒らないで。わたし、あなたを否定しないから」


(柔らかな旋律が響き、幻獣の動きが一瞬止まる)


リオ(前に出ながら)

「抑えてる間に――“構成”を読む」


(杖を構え、詠唱)


リオ「形なき記録よ、名を持たぬ想いよ――」


(幻獣の身体が文字の奔流に還元され、揺らぐ)


フィリア「大丈夫。眠っていいんだよ」


♪ねぇ 泣かないで こわくないよ

 ここは 眠れる 記憶のゆりかご


♪声も姿も 忘れられても

 あなたがいたこと 世界は覚えてる


♪風がそっと 名前を呼ぶ

 光がふわり 包んでく


(幻獣はフィリアをじっと見つめている様だ…)


♪おやすみなさい 悲しみの獣

 もう 戦わなくていいんだよ


♪眠れ 静かに 星のなかへ

 夢があなたを 迎えに行くから…


(フィリアが最後の一節を歌うと、幻獣の身体が淡く光り、風に溶けるように消える)


リオ(小声で)「……構成、完全に解けた。文字列、還元完了」


(周囲に静けさが戻る。ページの欠片だけがふわりと舞っている) 


そして、リオの記憶とフィリアの旋律が共鳴し、幻獣は静かに光へと還っていった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


ゼクス(拍手しながら)「いやぁ!見事だね。“二重奏”か。面白いよ、実に!」


 ゼクスは舌打ちして身を引いたが、その瞳には何かを測るような輝きがあった。


 ゼクス「ま…いいさ。第一幕にしては面白かった。また見せてくれよ、君たちの“記憶の続きを”…」

ゼクス・フェルミナ

•種族:人間(異界の魔導研究者の血筋)

•年齢:16歳

•特徴:冷酷かつ知略的。だがどこか演出家めいた言動が目立つ

•能力:文字・記録から幻獣を召喚する“模倣の魔法”

•備考:魔法書庫の“力”を手に入れようとする第三勢力の尖兵。背後に黒幕がいる気配あり。


きましたね、尖兵!尖ってるんだと思うんです、気配あり!という事でフラグ立てるのって難しいんだな。

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