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俺は熱がある様だから、早く寝たい。入寮手続きを早く済ませたい。

フィリアの歌声はしっかりとリオの印象に残った様ですね。良くも悪くも。

そんな違和感が、リオの耳朶をフィリアの歌が打った。

(目の奥が熱い…熱あるな、こりゃ)

リオの瞳の奥で、モノクロだった世界が“色彩”を取り戻し始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 式が終わり、新入生たちは各々の教室へ移動していた。

 フィリアはというと、Fクラスにて教師から今後のスケジュールや明日から講義が始まる等説明を他生徒達とホームルームを共に受けていた。


F先生「…という事で、教材の配信、入寮手続き、明日からのスケジュール配布を行いますので皆さん杖を翳して下さい!」


フィリア「先生!私、杖をまだ持ってないです!」


F「ノートさん…でしたね。フィリア、フィリア…ノート…さん…あぁ辺境の…」

教師は無感情に名簿を捲り、無言でフィリアの頁を確認し、杖を振り翳した。


他の生徒達

「えぇ!?ww杖無し!?w」

「ネットで買えるだろ…」

「学園までどうやって辿り着いたんだよ!?w」

「あの子、式でポカーン上の空で歌ってた子ね…w」

「かわいぃ……」


F「静かになさい!…フィリアさん、西棟の図書室の前に購買部があります。そちらで杖が購入出来ますから、さっさと行ってきなさい。その後、入寮手続きもそちらで受けれる様に…今、しておきました。教材関係は明日ダウンロードしなさいな」


フィリア「えっと…だうんろうど、明日、図書室…?」


F「フィリアさん、一度言えば理解なさい、あなた達もです!あなた達は名門校に!図々しくも入学させて頂いたのです。我々にもそうですが、常々、感謝を抱き授業を受け、少しでも社会貢献出来るように……

フィリアさん、何をしているのかしら…?」


フィリアは聞き慣れない言葉に、余所余所しい同級生達、厳しい先生の雰囲気、今までの自分を取り巻く優しい人達とは全く異なる世界にすっかりしょんぼりとしてしまった。


挿絵(By みてみん)


F「早く出て行きなさい、夕食の時間に間に合いませんよ」


教室からしょんぼりと出てゆくフィリアの背中を教師の感情の無い言葉が追いかけてきた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


フィリア…(どうしよう…!完全に迷子だ…)

広大な敷地に東西南北に拡がる校舎に研究施設、食堂から漂ってくる夕食の香り…

そんな学舎をピンクブロンドの少女が人気の無い、学園の西棟。誰も通らない廊下をトボトボと歩いていた。

 

そして――ふと目線を上げると、フィリアは知らぬ間に重厚な扉の前に立っていた。


フィリア「ここが図書室…だよね…?そこにいる人に杖を…買いたいです…と言って…」


"魔法の書庫"原初の記憶。


 だが今のフィリアには、その名を知る由もない。


 フィリアが扉に手をかけると、**ギィ……**と音を立てて重厚な扉がゆっくりと開いた。

 そこには、果てしなく広がる本棚。本棚。本棚――。


挿絵(By みてみん)


 「わぁ……ここ、凄い!図書室……! 違う、なんだろう……歌ってる……?……楽譜だ!!!!」


 フィリアは大好きな音楽、歌、詩に出会えた気がして、入学式でとてもワクワクした高揚からの、教室でのホームルームでの批判の目、教師や同級生達の嘲笑う態度、ここまでの道程の寂しさ、そんな濁り沈んでしまった水色の瞳にキラキラが戻った…!

 

本棚たちが音符のように並び、本の背表紙が旋律を紡ぐように整列している様を見てフィリアはすっかり嬉しい気持ちになった。


フィリア「ここ……?この歌…!知ってる……気がする!」


 呟いた声は、図書室に、本棚・本へと静かに吸い込まれていった。

鈍臭いヒロインちゅわん。

テンプレでごめんなさい。思い付かないんです。

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