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【魔導列車ルーンライン】王都行き 2両目

魔導列車(ルーンライン)⦆【第1車両 “ラウンジ"】


車窓に頬を当て、うきうきと揺れるフィリア。


フィリア(ニコニコ嬉しそうに)

「ねぇねぇリオっ、すごいねこの席!ふっかふかだよ!お菓子もあるよ!」


リオ(ソファにもたれ、片手で額を押さえる)

「フィリアはいつも楽しそうだな…」


カグヤ(紅茶を注ぎながら少し気恥ずかしそうに)

「フィリアさん…紅茶、飲む…?」


フィリア(カグヤをぱっと振り返り)

「うんっ、飲みたい!それと初めてカグヤちゃんが私の名前呼んでくれたよ!?リオ!聞いてたよね?」


カグヤ(顔真っ赤)

「カグヤ…ちゃん…」


リオ

「……フィリア、あんまり侯爵令嬢様をいじめてやるなよ?お友達いないんだから、そういう"ちゃん"呼びに慣れてねーんだよ」


カグヤ(一気に真顔に戻って)

「あなたにも紅茶、あるわよ?」


そんなリオにはカチカチに凍ったティーポットがカグヤから手渡された。


???

「リオ!淑女に対する態度がなっていないぞ!」


リオ(声の主を凄まじい勢いで振り返る)

「げっ!?師匠…!?」


ジグムント

「お嬢様方、はじめまして、今回護衛を務めるグラヴェリオンです、旅の安全は私共が保証させて頂きますのでご安心下さい」

「リオ、お前はこっちに来い」


リオ

「いだっ…!痛い痛い!師匠待って、耳が…千切れます…!」


ジグムント(完全に腕力でリオを従えて)

「そんな簡単に千切れるか、とりあえずレディへの接し方を教えて(お仕置き)やるからな、楽しみだな!はっはっはっ!」


リオは耳をジグムントに摘まれて、情けない叫びと共に後方車両へと連行された。


ーーーーーーーーーーーーーーー

数十分後


ラウンジへと呪詛を吐き出しながらしっかりと稽古(教育という名の仕置き)を終えたリオが戻ってきた。


カグヤ(薄く微笑みながら)

「あら、すっかり男前になったじゃない」


フィリア(真面目な表情で)

「リオは、でりかしーが足りないと思う」


リオ

「カグヤはん、すびまぜんでじだ…」


フィリア&カグヤ(フフッ)


フィリア「リオのお師匠様?凄い強そうだったね!それと…!カグヤちゃん、列車の切符ありがとう!お金はMagi Payで払えば良いかな!?」

とドヤり気味にフィリアが杖を掲げた。


カグヤ

「精算は大丈夫よ、フィリア…さん、列車の費用は私が払った訳ではないもの、気にしないでいいと思うわよ」


フィリア

「そうなんだ!でもありがとう!」

(車窓から外を見て)


「あっ!パン屋さんだ!あー…もうあんなに小さく…!この列車、凄く早いんだね!」

窓からパン屋を見掛けたフィリアは、

「パン〜パン〜♪あんぱん〜とっても美味しい〜♫まずは生地を作って〜♪」と思い付いた様に歌い始めた。


カグヤ(フィリアを微笑んで見ている)

「フィリア…さんは本当に歌が上手ね…」


フィリア(カグヤにピトっとくっついて)

「カグヤちゃんも一緒に歌おー!パン〜パン〜♬」


カグヤ(顔を少し赤らめて)

「わ、私は大丈夫よ!」


そんな平和なやり取りを見ながらリオは国王への杖の喪失の言い訳、母の早とちりな勘違いへの言い訳、カグヤとの縁談(セレスタリア侯爵への断り)の行方に胃が痛くなり、肉体的にもジグムントに扱かれて、王都行きにすっかりナイーブになっていた。


リオ(はあ…逃げたい…)


ーーーーーーーーーーーーーーー


列車は術式に沿って滑るように、大地の上を疾走していく。

それぞれの胸に、さまざまな思いを乗せて──

魔導列車(ルーンライン)は三人を王城という運命の舞台へ導こうとしていた。

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