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⦅邂逅⦆歌姫とは… 煌幻する世界にて

静止した世界の果てに…

リュミエール王女とフィリアの視線が交差する…。


リュミエール王女の瞳はまるで深海のように冷たく──色彩が、水のようにゆらめいている。

フィリアにはリュミエールの感情は伺い知れない…激怒しているようにも、達観している様にもその唯住まいからは推し量る事がフィリアには出来なかった…。


かつては《煌幻》リュミエール王国を統べた、最後の王女。

だが、彼女は、現世には存在しない──

ただ、幾千もの記憶が結晶化した「幻想の残滓」である。



リュミエール「……また来たのね、セレナ。あなたは、なぜ……」


セレナ:「わたしは、フィリア……今は…そう呼ばれてるの。

でも、心の奥であなたの名が、姿が、ずっと残ってた…みたい。」


リュミエール(微笑):「ああ、そうだったわね……あなたはずっと前から、私の“旋律”だった。

セレナの歌声だけが、私の魂に届いた…“時間”を止められた…」


(周囲の空間がゆっくりと変化し、光景が現れる)

それは、かつて滅びる前夜のリュミエール王都。

星降る夜に、王女と歌姫が約束を交わしていた。



セレナ(記憶内):「リュミエール様、私は歌います。どんな夜でも、たとえ国が砕けても……あなたの想いが消えぬ限り」


リュミエール(記憶内):「セレナ、私もあなたの歌声を守ります。命を懸けて、私の時間を…全てを…あなたに託します」



しかし──その“運命の夜”、王都は襲撃を受けた。

侵略者は異界より来た軍勢であったという…。


リュミエールは軍勢を確認すると迷い無く、魔法陣を起動し、セレナを逃がした。


その代償として彼女は、自らの魂を記憶へと変貌させ、「同じ一夜」を繰り返す存在となったのだった。



リュミエール(現在):「私の国は滅び、あなたは転生し……私だけが、この幻影の中で、同じ旋律を何度も聞いている」


フィリア(セレナ):「私が、あなたを解放する──」


リュミエール(瞳を伏せ、微笑む):「なら、証明して。この幻想世界で、私を殺してみせてよ…セ…レナ……」



空間が変容し、亡国の王都が戦場へと変わる。


リュミエール王女の魔法――**“時間逆流結界・アトラスリリィ”**が発動。

世界は「国が滅びる夜」に巻き戻る。


フィリアは、セレナとしての記憶が波のように押し寄せる中、リュミエールの前に立つ。



フィリア:「私は歌う……あなたを、もう独りにしないために!」


次回:第二章『亡国の夜に、詩は轟く』

フィリアが到達しようとしている“記憶の禁区”アトラスリリィで、何が起きるのか──

すべては、過去の想いが再び交わる瞬間へ! フィリアが旋律を紡ぎ、リオが魔法術式オーダーを実行する。

歌と魔法が交差する中、亡国の姫は……!


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