1. 死
懲りずにハイファン挑戦ですよ・・・・・( ´△`)
「ーーーどんな風になってるんだろうな。ずっと清楚な感じだったから、ヤンキーになってたり? ははっ、それはないな」
今日は待ちに待った、久しぶりの幼馴染、日向との待ち合わせだ。高校まで一緒だったのだが、大学からは離れ離れになってしまった。約7年ぶりの再会である。俺たちは、2人とも片親だったため、大学には奨学金で入学した。そもそも俺と日向の母親が、片親という共通の話題をきっかけに仲良くなったのがきっかけで俺たちも仲良くなった。だが、大学在学中は奨学金を返すために高成績を維持しなければならなかった。卒業後も就職活動に追われ、就職後も片方が忙しかったりと、なかなか会う暇がなかった。だから直接会うのは6年ぶりというわけだ。
久しぶりに会う幼馴染に対する独り言も、車の騒音に溶けて消えていく。ここは交差点。車も人も多く通る場所だ。
日向曰く駅から一番近い場所を選んだそうだが、なぜここなのかが分からん。交差点のすぐそばなんて危ないと思うのだが。
そんなことを考えていたとき、ちょうど懐かしい声が聞こえてきた。
「おぉうい! ごめんね! 待たせちゃっ・・・て・・・ーーーー」
急に声が途切れ、何事かと慌てて振り向くと、日向のすぐそばにトラックが迫っていた。
「日向ぁぁッッーーー!!!」
だから言ったんだ、ここは危ないってッ!
無我夢中で日向に向かって走る。
「日向ッーー」
「きゃあッ!!」
間一髪、日向を突き飛ばすことに成功する。ああ、でも。俺が代わりに撥ねられてしまったようだ。
ドンッと体が飛ばされる感覚に、息が詰まる。
道路に投げ出された体からどんどん感覚が消えていく。これは・・・・・ダメなところを打ったな・・・・
「嘘・・・・嘘よ・・・・・嘘だと言って・・・・・誰か嘘だと言ってよッ!! そんな、冬夜が死ぬなんて・・・・いやっ・・・・いやあぁぁぁぁ!!!」
すでに遠くなっている耳に、俺を抱き抱える日向の、悲痛な叫び声が聞こえてくる。
「いやっ・・・・いやよっ・・・・今日こそ、告白、するつもりだったのにぃ・・・・」
「お願い・・・・ッ、死なないでよぉ・・・・・・っ・・・・」
告白、かぁ。俺も。早く日向にしとけばよかったな・・・・・まぁでも、最後に看取ってくれるのが日向で良かったよ。
俺が死んだ後は、別の男と恋愛して結婚して幸せになれよ。
「・・・・・幸せに・・・・・なれよ」
最後の力を振り絞り、一言、日向に告げる。
「冬夜・・・・・い、い、いやあぁぁぁぁぁーーー!!」
日向の天にも届きそうな悲痛な叫び声を耳に、俺の意識は完全に沈んだ。
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