ぽりす②
明美はけるその後翔一がはける
それと同時に下手から川瀬と新田が走って出て来る
新田 先輩…ちょ、ちょっと…ま、待ってください
川瀬 ん？なんだよ
新田 張り込みですよね…？なんで走ってんですか？
川瀬 走らないと体なまっちまうじゃん
新田 時と場合考えましょうよ…
川瀬 場所は張り込み現場見えるんだから問題ないな
新田 えぇ…
上手から翔一が出てきてブランコに座る
川瀬 ん、あんなとこに公園か新田遊ぼう
新田 いい年して公園ですか…
川瀬 うるせーな心は少年なんだよ
新田 どちらかというと少女では？
川瀬 お、いいとこに自動販売機あんじゃ〜ん新田喉乾いてないか？奢ってやるぜ
新田 え、そんな…いいんですか!?
川瀬 欲望に忠実なとこ…嫌いじゃないぜ
新田 …まぁ
川瀬と新田が自動販売機で物を買う
川瀬 ん？
川瀬がブランコに座る
翔一 えっ…
川瀬 やぁ少年
翔一 …
川瀬 あれ？
翔一ブランコから立ち上がりはけようとする
川瀬 あ、ちょっとどうしたのさ
翔一 …知らない人とは関わらないって親から教えてもらってるので…
川瀬 ちょ、ちょっとおねーさん怪しいもんじゃないって
翔一 それじゃあ…失礼します…
川瀬 警察！おねーさん警察だから！
翔一 えっ
川瀬 ほ、ほら警察手帳
川瀬が警察手帳を見せるそれを翔一がマジマジと見つめながらブランコに座り直す
翔一 これって…本物？
川瀬 そうだよ
翔一 す、すごい…！
新田 ちょっと先輩なにしてんすか…
川瀬 なにって自己紹介だけど
翔一 そっちのお兄さんもおまわりさんなの!?
新田 ん？あぁそうだよ
翔一 すっげぇ！本物はじめてみた！
川瀬 そうかそうか…ん？少年、そのランドセルについてるストラップって…
翔一 え？これ？
川瀬 もしかしてメリケンジャーじゃない？
翔一 知ってるの!?
新田 先輩知ってるんですか
川瀬 今流行の戦隊ものだよ結構えげつないやつ
翔一 おねーさんもメリケンジャー好きなんだ
新田 えげつない…？
川瀬 あぁ少年は誰が好きなんだい？やっぱり男の子だからレッドかな？
翔一 あ、えっと…
川瀬 …？
翔一 イエロー…かな
川瀬 嘘つけ
翔一 え…
川瀬 おねーさん達を舐めるなよ少年
新田 え、ちょ、え？
川瀬 少年、私達は警察だぜ君が嘘をついてるのくらいお見通しさ
翔一 …っ！
川瀬 そうだな…君が好きなのはズバリ…魔王だ、違うか？
翔一 な、なんでそれを…
新田 ちょっと待ってくださいよなんで魔王なんですか、そんな証拠どこにも…
川瀬 証拠ならこのストラップだ
川瀬がストラップを指差す
川瀬 新田…これなんだ？
新田 先輩…これって…！
川瀬 あぁストラップだ、魔王のな
新田 な、なんだってぇ〜！
川瀬 お前は嘘くさいんだよ
新田 ノリにのっただけじゃないですか
翔一 す、すげぇ…やっぱ本物だ…
川瀬 フッ…自己紹介が遅れたな私は川瀬、こいつが新田、私の部下だ
新田 どうもです
川瀬 おねーさんもメリケンジャーの魔王がすきなんだ
翔一 おねーさんも好きなの!?
川瀬 あぁ、…フハハハ！我が名は魔王！世界を平等に悪に染めるもの！
新田 えっ
翔一 …我が名は魔王！我が野望、世界征服を企むもの！
川瀬・翔一 今再び復活した！
沈黙
新田 …えっ
川瀬 少年…やるな！
翔一 ふっ…！
新田 …なにしてるんですか先輩
川瀬 …ふっ！
新田 魔王の決め台詞かなんかですか
沈黙
川瀬 なんだ新田お前知らないのかメリケンジャー
新田 メリケンジャーって朝にやってる子供番組でしょ見ませんよいい年なんだから
川瀬 それはもったいないな
翔一 もったいないと思う
新田 なんで責められてんだ…
翔一 ところでおねーさん達なにしてるの？
川瀬 ん？なにって張り込みだけど
翔一 え！あの有名な！？
新田 え…ちょ、ちょっと先輩
川瀬 ん？
新田 子供にそんなこと言っていいですか…？
翔一 ？
川瀬 いいだろ別に減るもんじゃないし
新田 ですけど…
川瀬 じゃあなんて説明するんだ？カバーストーリーなんてすぐ用意できるわけじゃないんだぞ
新田 …
川瀬 どうせ相手は子供なんだ業務の1つや2つバレても問題ないさ
新田 そうですかね…
川瀬 だいたいお前は真面目すぎんだよ
翔一 おねーさん達さっきから何話して…
川瀬 ん？いや、なんでもないよ少年おねーさん達のことは誰にも秘密だぞ
翔一 …なんで？張り込みって凄いじゃん！皆んなにも自慢できるよ！
新田 皆んなに知られたら張り込みの意味ないじゃいでしょ
翔一 あ、そうか…
川瀬 だから少年とおねーさん達の秘密だ、わかったな？
翔一 うん！しー、ね！
川瀬 よーし、いい子だ
魔王にスポットライトが当たる
魔王 ククク…フハハハハ！フワッハッハッハ！
伯爵 魔王、お言葉ですけど笑わないと喋れないんですか?
魔王 …笑わないと威厳出ないじゃん
伯爵 そういうわけじゃ無くてですね
魔王 貴様…この我に指図をすると言うのか？
伯爵 …いえ、出過ぎた真似を致しました
魔王 フンッ…まぁいい、今回諸君らに集まってもらったのは他でもないメリケンジャーへの報復作戦のためだ！
伯爵 またですか
魔王 あぁ、まただ…しかし今回は少し違うぞ
伯爵 とういうと？
魔王 …諸君！点呼！
伯爵 …え？は、はい！
モッカーA モッ！
モッカーB モッ！
モッカーC モッ！
モッカーD モッ！
モッカーE モッ！
魔王 …クッソがぁ！
伯爵 魔王どうされました!?
魔王 少なすぎんだよ！我の数万の軍勢はどこいったんだ！
伯爵 そういわれましても
魔王 ほぼほぼ壊滅状態じゃねぇか！倒産するよこのままじゃ！いいか！我が眠っている間に起きたことは仕方ない！それをどう対処するかだ
伯爵 なるほど
魔王 まずは軍の立て直し…職場改革だ！
伯爵 職場改革…ですか
魔王 我々の業界は慢性的な人材不足だ、なぜだかわかるか？
伯爵 さぁ？
魔王 まず第一に評判があまりよくない、反社会的な仕事だとしばしば揶揄されるが全く持ってそんなことはない
伯爵 それは言い訳の仕様がなくないですか？
魔王 我々…平等社㈱は確かに非合法ギリギリの行為を行ってきたことは認めよう。しかし、あくまでもギリギリだ。法に触れてはいない
伯爵 物はいいよう…
魔王 そして第2、ブラック企業と噂されている事だ、伯爵はこの職場がキツイと思ったことはあるか？
伯爵 いえ…そのような事は…ですが実際死人も出ておりますしブラックと言われてもあながち間違いでは…
魔王 死人が出ればそこの企業はブラックと言うのは短絡的ではないか？それをいうなら警察も消防もどの職業だって殉職者はでる。我社も目的のため同胞を失うことは断腸の思いだ。だがそれを防ぐ為の福祉制度は何処よりも手厚い自身がある
伯爵 …
魔王 初めに我々の業界は慢性的な人材不足だと言ったが昔はそうでもなかったのだ
伯爵 そういえば魔王様が眠る前は就活生がこぞってここに来ましたね。
魔王 つまり昔はあまり死人も出ずアットホームでホワイトな会社だったわけだ…ではなぜここまで壊滅な風評被害と破壊をうけたか？突如として現れたメリケンジャーの存在が大きいだろう
伯爵 やはりですか…
魔王 奴らは正義の味方だと抜かしておきながら我々のやり方に文句をつけてくる悪質クレーマーだ
モッカーD モカー!
モッカーE モカッ！
モッカーＡ モカモカモカー！
伯爵 …そうです！モッカー達の言うとおりです！怪人だろうと人間だろうと殺される筋合いはない！
魔王 …では、我々の目的とはなんだ?
伯爵 それは…世界征服でありましょう
魔王 では、なぜ我々は世界征服などするのだ？
伯爵 それは…それこそ正義の為でありましょう！
魔王 そうだ、我々は日々怪人だと虐げられ！恐れられてきた!それはこれからも変わらないだろう！
魔王が立ち上がる
魔王 人間との和解はもはや不可能に近い！それは今日に至るまでに嫌というほど分からされてきた！所詮人間との間に共存という物は存在しない！
だが！我々は抗うことはできる！人類を絶望のどん底へと陥れる！
モッカーＡ モカ!
モッカーB モッカー！
伯爵 ううっ…私感動いたしました…！
魔王 ふふっ…そうか！
伯爵 では早速…
魔王 あぁ、従業員の増員を優先的に力を注いでいこう、いつまたこの拠点が奴らにバレるかわからな…
カッコイイ音楽が流れメリケンジャーが登場する
レッド 魔王！そこまでだ！
ブルー 追い詰めたぞ！
イエロー 舐めとったらあかんぞワレェ！
メリケンジャー達が一斉に襲いかかる
魔王 言わんこっちゃねぇ！お前ら退避だ退避〜！
伯爵 魔王様！戦わないのですか!?
魔王 勝てる見込みねぇだろ！アホ！戦略的撤退だよ！
伯爵 さすが魔王様！
魔王 うるせぇよ！
魔王達ハケる、それを追うようにメリケンジャー達もハケる
