【4】一目惚れしていたらすぐ惚れなおしてさらに惚れ、君の推眼に打ち抜かれ普通に好きです。 side アルトゥリウス
「ふざけんなそこのニーキュッパァァァァ!!!!お前左利きだろ舐めてンのかぁぁ!!!」
ダミ声響く会場の中、唯一の女性の声。
声というか高音域の罵声。
客席はそれぞれが叫んでいるから自分の声しか、いや自分の声すら聞こえていないのだろうが円形闘技場内で参戦している…違うな戦わず怪我しないようにやり過ごしている参加者は皆その異質な声の先を探している。
「大体てめぇの身体能力生かそうと思ったらその剣じゃねぇだろがーーー!やる気あんのかコラぁーー!!!」
声の主はすぐ見つかった。
隣の空席にジャンクフードとドリンクを置き、丸めた新聞を振り回しているストロベリーブロンドの美女。
うわ、宗教画じゃないのか、あれ生きてるのか。
「あぁ!?なぁに振り下ろして骨折ってんだコラ!!!次使うまで治療に時間も金も掛かるだろうが!きっちり引いて切っとけクソが!!」
…あ?俺か?俺のこと言ってたのか?
マジで?え、今見つめられてるの俺なの?
「呆けてんじゃねぇニーキュッパ!!!こっちはてめぇに1点買いしてんだよ!!!その筋肉で倍率42.0!本気でやれ!じゃなきゃ埋めんぞ!!!」
「42.0…まぁ毎回流してるからか…?」
「高配当なのは見た目詐欺というか素人寄せですもんねぇ…俺たちマトモに戦うことしないし」
「でもあの美女には全部バレてますね…どうするんですか我が君…」
同じように収監されている299番と看守見習いになった300番と、すれ違う度にコソコソと視線を合わせることなく、会話していく。
「くっそがーーーー!!そんな避け方出来んならそこの短剣2本拾えバカ!!!その体幹なら二刀流も出来るだろが!!!」
「・・・・・・・・っ」
「めっちゃ正確に見抜かれてますね」
「ちょっと何でさっきから頬染めて嬉しそうなんですか」
「ああもうせめて1番人気の2.3倍潰して単複買い潰ししてくださいお願いします!!!!!」
「急に号泣付きでお願いされましたね」
「なんでギャンブラーってあんなに情緒不安定なんですかね」
「・・・・かわいい」
「「ちょっと殿下」」
「いや俺の名前はニーキュッパだ」