【1】お持ち帰り致しましたの。 side シャロン
「ただいま帰りましたお父様ッ!わたしこの人を婿にするわ!!」
「…シャロン…急にまた…どこで拾ってきたの…」
「すぐそこの地下闘技場よ!お買い得だったのよ!これは買い!!倍率42.0の大穴!ガチの単勝1点買いよ!」
「……とりあえず…ふたりとも臭うから…身なりを整えてからもう一度やり直してお願い……」
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「お父様ったら何が楽しくて商売しているのかしらねぇ」
「従業員と家族の生活のためですよお嬢様」
「どこぞの宮仕え事務官のほうが目に力があって熱い欲があって命が輝いていたわハイこれ」
「それは本日1文無しにして差し上げたデート相手の男爵様のことですか?…珍しい、いつもより稼ぎが少ないですね」
「さぁどうかしらね?――着いたわよ、ここで彼に洗ってもらってね♪未来の旦那様」
男爵様が放心状態で使えなくなったせいもあり仕方なく女ひとりで連れ帰ることにしたのだけれど、安全が最優先ということで買い付けた時のままの彼…手枷に轡、目隠し…着の身着のままのボロ布を纏わせた姿で家まで連れてきた。
ふつう女ひとりの闘技場帰りなんてチンピラに絡まれるのがマストで世間様は関らないよう視線ひとつ寄越さないけれど、あまりにも異様な光景に「どこのお嬢様で何のプレイを見せられているんだ」と視線を独占しながら帰宅したので安全も安全なお散歩デート。
運命の赤黒いリードで繋がった私たち♪
恥ずかしそうな挙動不審っぷりがとても可愛かったわ。
私の鼻はもう麻痺しちゃったけど臭いさえなければどこかでご飯を食べて寄り道して帰りたかったくらいに。
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色々思い出しながら脱衣場で脱いだドレスを観察してみると…ああこのドレスも既製品にしてはフィットして動き易かったけどやっぱりダメね…解れたり糸が切れている。
そもそも動くことを計算されていない服は糸の強度が弱いし縫製も甘い。
「肩周りを補強する…いいえ、いっそ袖を取替え…そっかベースのドレスとは別に取り替えられる袖、襟…ウエストリボンのパーツ販売すれば…」
コンコンコン
「お嬢様ー?シャワーの音が聞こえませんけどーー?」
「ああもう今いいところなのーっ!サッと浴びて出るから心配しないでっ」
せっかくお金になりそうなアイディアが浮かんだのよ!
汗や臭いを流してたら一緒にアイディアも流れていっちゃうわ!
メモメモメモー!!