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俺とお前と異世界生活  作者: ぶんちょうきんぐ
7/12

7.朝チュン?

頬を染めた彼女は、目を閉じ小さな顎を上げる


長い睫毛に、すっと通った鼻筋、柔らかそうな唇

普通にしてりゃスタイル良くて美人なんだがな・・・

そんな感想を抱きつつ、顔が近づいていく


あれ? 動悸が・・・顔も火照ってきた

「・・・なんか・・・胸が・・・苦しい・・・」


「大大丈夫でございますか?御主人様」

八千代は心配そうに下から見上げる


「そ、その、・・・ベアハッグぅぉぉ、を解ぃて・・・くれれば・・・治ると思ぅぅんだ」

苦悶の表情からは脂汗をしたたらせいるのだが、平静を装い優しく語りかける


「ハッ!申し訳ございません、御主人様」

両腕と開放し一歩下がる彼女、俺は膝から崩れ落ちる


「あ、あぶないっ!」

反射的に彼女は詰め寄り、支えようとするが音速の踏み込みは

強烈なツインミサイルとなり、俺の顔面をナイスタイミングでロックオン

「コレが・・・ぱふぱふ、か・・・」

そこで俺は意識を手放した


ーーー


チュンチュン♪

「知らない、天井だ」

横を見ると同じ布団で八千代が寝ている

彼女はパジャマは着ているが

俺は昨日と同じ服着ていた


最優先で自分のパンツを確認する

「安心してください、はいてますよ」

・・・あれ?いつ寝たのか記憶がない


布団まで運んでくれたであろう彼女を見ると寝息を立て

たわわなふたつの小山が上下に鳴動している

彼女は寝る時も外さない派か・・・

そんな事を思いながら暫く愛でていた・・・


「おはようでございます♪御主人様ぁ」

眠そうな目を擦りながら彼女が起床する


「おはよう」


そう言うと彼女は

「お腹が空きました」

ぐぅと音がするお腹に手を当てながら、眉毛をハの字にする


「そうだな、昨日の晩飯は・・・」

ただの栄養補給でしかなったが、彼女も食べていた事を思い出し

「てか、AIって食事でエネルギー補充するの?」

今更ながら聞いてみたのだが

「どういう、意味でございますか?」

何いってんだコイツと言う顔でお腹を擦っていた


「・・・」

そもそもAIって何なんだ?

ジッと彼女を見つめ、思考する


「そんなに見つめられると照れてるでございます///」

両手で頬を挟みながらクネクネする

同時に腕で挟まれたBGM-109トマホークミサイルがその存在感を遺憾なく発揮する

正に人間核弾頭、ひょっとしたらスェーデン人がモデルかな?

なんて事を考えていると


彼女は大きく目を見開き、切迫した表情を見せる!

「御主人様!!敵襲でございます!!」

突如立ち上がったと認識した瞬間には、既に窓をぶち破り外に飛び出していた


「敵?」

外を見ると、またもや何処から出したのか、銃剣付きの小銃を持ち

大型車ほどの大きさがある飛蝗?に突撃していた


銃剣突撃って・・・紅茶の国の人かな?

でもあの小銃、M14だよな?お米の国の銃だな

俺も粉砕バット持って参戦したほうが良いのかな?

危機感もなく、そんな事を考えていると


大飛蝗VSパジャマ娘の現実離れした戦闘が開始され、物凄い音と衝撃波が辺りを襲う


ドゴォォォ

ズドーーン


・・・どうやら終わったようだ

M6バヨネットに付いた体液を振り払いながら

飛蝗の体液を盛大に浴びた、パジャマ娘が歩いてきた

「御主人様ぁ、外敵の排除完了でございます♪」


「すごいね八千代、こんなにデカイ飛蝗がいるなんて・・・」

もはや他人事のような感想である


彼女は自分の体が体液まみれになっている事に気がつき

テンションの下がった声で

「飛蝗じゃありません御主人様、これはローカストと言う魔物でございますよ」


「へー、魔物なんだ?・・・え?魔物?・・・なにそれ美味しいの?」

胴体にどデカイ穴の空いた死骸を眺ながら、現実逃避を加速する



俺の精神は豆腐並、理解の追いつかない現実に脆くも崩れさる

せめて木綿ならば・・・しかし、俺は絹ごしなのだ!

落ち着け!落ち着くんだ俺!

そして思考を整理しようと、昨日からの出来事を呟き始める


「昨日、山中のキャンプ場行ったんです。キャンプ場。

そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいでテント張れないんです。

で、よく見たら、三密を避けるにはキャンプが一番!とか書いてあるんです。

もうね、アホかと。馬鹿かと。

お前らな、三密回避如きで普段来てないキャンプ場に来てんじゃねーよ、ボケが。

ただの屋外だよ、、屋外。なんか親子連れとかもいるし。一家4人でキャンプ場か。おめでてーな。よーしパパテント立てちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。お前らな、家の窓開けてやるからその場所開けろと。キャンプ場ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。

隣のブースにテント張った奴といつケンカがはじまってもおかしくない、

刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。

で、やっと設営できたかと思ったら、隣の奴が、ヘリ○ックス以外認めない、とか言ってるんです。

そこでまたブチ切れですよ。

あのな、ヘリノッ○スなんて今日び流行んねーんだよ。ボケが。

得意げな顔して何が、ヘ○ノックス、だ。

お前は本当にヘリノック○だけで満足してるのかと問いたい。問いつめたい。小一時間問いつめたい。

お前、ヘリノ○クスって言いたいだけちゃうんかと。

キャンプ通の俺から言わせてもらえば今、キャンプ通の間での最新流行はやっぱり、

コー○マン、コレだね。

コ○ルマンってのは老舗の割に品質が微妙。そん代わり多少安め。コレ。

で、それに100均ギアを組み合わせる。コレ。最強。

しかしこれで設営すると次から管理人にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。

素人にはおすすめできない。

まあお前らド素人は、キャプテ○スタッグでも使ってなさいってこった。」

・・・

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