5.洗濯する?
湖畔の見晴らしの良い場所に突如現れた西洋風の家屋
「おぉすごいな、マジで建ったよ!」
ク○ラもビックリだ
外見は西洋風だが中は日本家屋な作りだ
間取りは2DK風呂トイレ別
不思議なことに電気ガス水道は完備しているし
着替えから日用品、食料品まで
生活必需品は全て揃っているようだ
空飛ぶ亀の上にいるんじゃないかと勘ぐってしまう
最後に浴室を確認する
既に湯は張ってあった
「いいね、やっぱ日本人は風呂だよね、風呂は心を潤してくれる、リリンの生み出した文化の極みだよ」
バ○スのダメージから回復した泥んこ娘は玄関で待機中である
俺は一通り確認した後、玄関に戻り、その事を伝えた
「さすが御主人様でございます♪」
泥だらけのポンコツ娘は胸の前で手を組んで
キラキラした目で俺を見上げていた
なんだろう、この、泥まみれの子犬を拾ってきた気分
まぁいいや
「八千代、風呂が沸いてるから先に入って、俺は後で入るから」
「いえ、御主人様を差し置いて先に入浴など出来るはずがありません!」
キリッとした泥んこ娘は完全拒否の姿勢
「じゃあ一緒に入るか?w」
冗談で言ってみたが
「本当でございますか?是非御一緒したいのでございます///」
ポンコツ娘はその場でクルクル回りながら泥を撒き散らす
「うぁっ屋内が汚れるから止めろ」
折角の新築玄関が泥だらけである
「も、申し訳ございません」
肩を落とし、シュンとした彼女は
叱られた子犬のように、上目遣いの潤んだ瞳で
混浴をご破産にしないで下さいと、訴えていた
コレは、冗談でした、とか言ったら泣かしてしまうパティーン
「オーケイ、解った、一緒に入ろうな
問題は、廊下を汚さず風呂まで移動できるかだが・・・」
「御主人様っ!」
名案がありますとばかりに鼻息を荒くしたポンコツ娘が
「御主人様が私を抱っこしてお風呂場まで行けば
汚れは最小限でございます♪」
「え?俺より先に風呂に入るのはダメで、抱っこは良いの?」
線引がよくわからん・・・
「私達は御主人様と一緒に居ることが最優先事項ですのでございます
なので、抱っこはむしろ毎日でもして貰って構わないのでございます///」
「左様ですか・・・・」
俺は、考えるのを止めた・・・
彼女をお姫様抱っこしつつ、屋内を汚さない様に細心の注意を払い移動する
その間、彼女のスリスリ攻撃は甘んじて受けよう、浴室までの我慢だ
だがなぜ、浴室が玄関から一番遠い配置になっているんだ、責任者出てこい・・・
「風呂場に到着したぞ、いつまで抱きついているんだ?」
彼女は首に巻きつけた腕を離そうとしない
しょうがないので、脇を擽る、小刻みに震えながらも耐える彼女
暫くすると我慢できずに腕を離し床にへたり込む
「御主人様はそういうプレイが好きなんでございますね///」
彼女は頬を上気させながら、肩で息をしている
俺は無視して脱衣場に戻り服を脱ぎ始めた、彼女の汚泥で
密着していた部分が泥だらけになっていた
備え付けてあるドラム式洗濯機に汚れた服を突っ込むと洗剤を装填して
スタートを押す、ゴウンゴウンと洗濯機が回り始める
ポンチョは洗濯機で洗うと大変な事になると言うことを知っていたので
後で手洗いするつもりだ
・・・そこで気が付く、跪く!
「しまったッ!着替えを用意してねぇ!」
まぁ風呂に入ってから各人部屋に着替えに行けばいいか
人生前向きが大切だ
浴場の戸を開けタオルで前面を隠しながらコソコソ入場すると
彼女は泥だらけのポンチョを脱ぎ捨て、目のやり場に困る体を流していた
俺は彼女を直視しないようにポンチョにを脇に退けると、あることに気がついてしまう
「迂闊!!どうせ一緒に風呂に入るなら玄関でポンチョ脱いで貰えば
汚れはもっと最小限で済んだのに! クソっ!」
後悔の念を吐き捨てる
人生前向きに成れない時もあるのだ
彼女の方をチラ見すると目を逸して下手な口笛を吹いている
解ってて敢えて言わなかったなコイツ・・・
・・・水でも掛けたら猫とかにならなんかな?
眼鏡を掛けているからアヒルかな・・・ナンテ事を思ったりして
一部の血流が増加しないように気を紛らわしていた
しかし風呂場でも眼鏡を外さないとは・・・・解ってるじゃあないか
眼鏡に免じて今回は許してやろうフフフ
さぁ、とっとと体を洗って風呂に入りたい!
体を洗おうとタオルを手に取って、ボディソープを探していると
彼女がタオルを渡すようにコチラを向いて両手で催促してきた
「御主人様!お背中お流しいたします///」
抜かった、なるべく見ないようにしていたのにモロ見てしまった
俺はクラウチングスタイルをとり、背を向けて椅子に座った