4.そりゃ大切ですよね?
「御主人様の能力を使えば、設営など一瞬でございます!」
このドヤ顔である
「だ~か~ら~っ!どうやってやるんだよ!?ふざけてる場合じゃないんだよ!」
半ギレ気味で答える
彼女は、間違ったことは言ってないもん、的な態度で腰に手を当て
「先程、私を製作して頂いた※製作※を使えばよろしいのでございます」
と口を尖らせた
「え?※製作※には※サポート※フォルダ内に※AI製作※しかなかったぞ?」
そう訝しげに答えると
「私を製作した事で実績が解除され新しく項目が増えているはずでございます」
てか彼女が現れた事でウインドスクリーンがいつの間にか消えていた事を思い出す
「ウインドウど・こ・だ・よ?」
勝手に消えていたウインドウに八つ当たりである
そう言った直後ウインドウが開き、多少の気まずさから無言で彼女に背を向けウインドウ内を参照する
「えっと、※製作※内に・・・項目が増えている!」
彼女の顔を見ると、ほらねあったでしょと言わんばかりの笑顔がコワイ
とりあえず夜露を凌げそうなやつを探してみる
※製作※→※建築※→※家※ってのがあるな
実績の表示も増えてるが、そっちも後で確認するか
彼女は更に説明を続ける
「製作にはSPを消費しますが、先程私とのやりとりで
ウインドウの右上に、貯まったポイントが表示されているはずでございます」
確認してみると確かにSP30ポイントと書いてある
「・・・SPって何の略なんだろ?」
素朴な疑問である
「スケベポイントでございます///」
彼女は、嬉しそうな顔でそう答えた
それはもう、本当に嬉しそうな顔で
大切なことなので(略
「まぁ・・・うん、ポイントが無いと何も作れないなら・・・
八千代ありがとう・・・」
一応、お礼は言っておく
「いえ、そんな・・・御主人様から・・・お礼を承るなんて///」
壊れたダンシングフラワーみたいにクネクネしている・・・面白いな
さてと、※家(小型)※は25ポイントか
とりあえず彼女に建築条件を聞いてみる
「家ってどこにでも建てられるのか?」
紅潮して目を潤まながらモジモジし始めた八千代
「水の上以外でしたらある程度の広さの平地があれば何処にでも
建てられるのでございます///」
傍から見てると可愛い娘だなと、ホッコリしていたら
ポンチョの前面下部を持ち上げ、顔を隠し始めた
「八千代っ!見えてる!見えてるからっ!前隠して!」
しっかりとSPは増えているが
八千代相手だと何か負けた気分になる、何故だろう?
今増えた分を加算すると合計SPは40ポイントだ
どういう基準で増えているのか謎が多い、後で要検証だな
「よし!じゃぁ家を製作してみるか!」
彼女が今度はキラキラした目をしてこちらを見ている
※家(小型)※が25ポイントで製作出来るが、八千代も一緒だと
狭いかもしれない
今貯まったポイントで※家(中型)※35ポイントが製作可能になったので
いっちょここは中型を作ってみるか
一応、彼女に注意を促す
「八千代、眩しい光が出るかもしれないから目を覆っておいたほうが良いかもよ」
更にキラキラさせた瞳を大きく見開き、かなり興奮している彼女は
「目を覆うなんてとんでもない、御主人様の偉業は全てこの目に焼き付けるのでございます!」
「ポチッとな」
彼女が現れた時と同じ様に、まばゆい光が前面に展開する
こんな事だろうと思って、目を覆っておいてよかったよ
俺は学習する男なのだ
「目がぁぁぁ目がぁぁあああああ」
隣で眼鏡ごと顔を抑え、ゴロゴロ転げ回ってる残念な娘はどうしたもんかな・・・
あっ、そっちに転がると泥貯まりが・・・南無
そしてまたSPが増えている・・・なんで??