【小説の書き方】区切り線について思うこと(エッセイ)
元読み専の黒猫虎は今でも結構他の作者さんの作品を読みます。
そんな黒猫虎はあなたの大切な作品を読んでる途中で集中を途切れさせる事なく読み切りたいのです。
そんな想いからこのエッセイを書いてみました。
最近、なろうの作品を読んでいると、区切り線が気になっている自分がいることに気づきました。
あなたは読者ですか? 作者ですか?
PCですか? スマホですか?
区切り線って気にしたことありますか?
今回のエッセイ、スマホで読んだり書いたりしている人は「何当たり前の事を」と思うかもしれません。
そしてPCで読んだり書いたりしてる人は「ガビーン」と衝撃を受けるかもしれません。
そんな奇妙なエッセイ、どうぞご覧下さい。
■そもそも区切り線って何?
私が今回のエッセイで問題にしているのは、小説やエッセイなどの「文章の区切りの目印として使う、文字や記号を並べて区切っている線」の事です。
この区切り線を使う目的ですが、読者に「ここでシーンが切り替わりますよ」という事を分かりやすく伝えたり、読者に一息つかせたりする等あると思います。
(他にもあるかな?)
まずは実際に区切り線をお見せしましょう。
最初なので超シンプルなものから……。
――(例ここから)――
これはダミーの文章です。区切り夫と線美が出会ったのは、そう、20年前の暖かな春の日だった。区切り夫はまだ学生で喫茶店のアルバイトをしていた。
―――― ←こういうやつです。
これはダミーの文章です。区切り夫はやっと喫茶店のマスターに認められて、コーヒーを淹れさせてもらえる事になった。練習の1杯目をカップに注いでいる時、まさにその時、線美がお店に入ってきたのだ。
――(例ここまで)――
あなたも、きっと目にしたことありますよね?
■黒猫虎が考える良い区切り線の条件。
――第1位。「読んでいて邪魔にならない区切り線」
――(例ここから)――
これはダミーの文章です。――ああ、良い香り。線美が思わずそう呟いたほど、区切り夫の淹れたコーヒーは極上の出来栄えだった。区切り夫はコーヒーを淹れる天性の才能があったのだ。
~~~
これはダミーの文章です。しかし、不幸はここから始まった。区切り夫の生涯の最高傑作の一杯が、実はこの最初に淹れた一杯だったのだ。その最初の一杯目を飲んだのが、他でもない線美。
――(例ここまで)――
どうでしょう。
私はこれくらいなら読書の邪魔にならないという判断です。
でも、100人いたら100人が納得する区切り線というのは存在しないでしょう。
きっと(涙)
――第2位。「思わず唸る凝った区切り線」
――(例ここから)――
これはダミーの文章です。線美は区切り夫史上最高のコーヒーを飲み、区切り夫のコーヒーを毎朝飲む事を一瞬の内に思い描いてしまう。線美は区切り夫に問いかける。――あなたが毎朝コーヒーを淹れてくれるならあなたと結婚してあげるわ、と。区切り夫は初めて線美の顔、姿を真っ直ぐに捉えた。
◆ ◇ ◇
これはダミーの文章です。線美はグラニュー糖の様な滑らかな肌でコーヒーの様な艶やかな髪と瞳を持ち、その唇はサーモンサンドのサーモンの様な薄紅色で、玉子サンドの様な薄いイエローのワンピースを身に付けていた。
◇ ◆ ◇
これはダミーの文章です。区切り夫は思わず唾液で口の中がいっぱいになり、ゴクと飲み込んだ。目の前には区切り夫の思い描く理想の喫茶店のモーニングメニュー姿の女性がいて、毎朝コーヒーを淹れる条件で、籍を入れてくれるのだという。願ってもない。
◇ ◇ ◆
これはダミーの文章です。区切り夫は線美とそのまま役所に行くことになった。しかし、アルバイトを途中で抜けた事で喫茶店のマスターの不評を買い、喫茶店を敢え無くなくクビになってしまう。
――(例ここまで)――
区切り線の中で「◆」が段々と進んで行っているのが分かりますか?
(!注意!)PCの方は区別が付きづらいかもしれませんが、これは後で出てくる「ダイヤ♦」ではなく「ひし形◆」です。スマホでも黒いです♪
この「◆」が移動していく区切り線を私が初めて見かけたのは、次のエッセイ作品です。
(作品1)「お手軽に『レビュー』を書く方法の提案」作:軽石
https://ncode.syosetu.com/n4405fl/
※本当のタイトル長いので短くしています。
※区切り線が出てくるのは第2話からです。
「レビューの書き方」のエッセイ作品なのですが、なんと区切り線を見れば、あとどれくらい読めば終わりなのかが分かってしまうのです。
すごいっ。
もう1例、ご紹介します。
――(例ここから)――
これはダミーの文章です。それでも区切り夫と線美は、自分達には区切り夫の淹れるコーヒーがある。この街いち、いや日本一のコーヒーが。ところが、どうしてもあのコーヒーの味が出ない。それもそうだ。あの一杯で区切り夫がした事と言えば、ヤカンからお湯を注ぎ入れただけなのだ。
⊂ロ⊃⊂ロ⊃⊂ロ⊃
これはダミーの文章です。コーヒー豆を選んだのは――喫茶店のマスター。コーヒーを淹れる器材の持ち主は――喫茶店のマスター。器材を手入れしているのは――喫茶店のマスター。水を用意したのは――喫茶店のマスター。
――(例ここまで)――
こちら、私の第一印象は実は「最悪」でした。
この後に出てくる悪い例の「複雑な模様、複雑なパターン」に相当すると感じたのです。
黒猫虎「⊂( ・ω・)⊃ブーンが3人かよ」
しかし、その意味を知った時、印象が180度変わりました。
実は、この作品の主題は「マスク」だったのです。
この区切り線を良く見ると……そう。マスク!
次の短編小説で登場します。
(作品2)「政府緊急対策支援物資」作:索創☆実現機
https://ncode.syosetu.com/n1784gd/
私、黒猫虎が「アイデア賞」を差し上げますっ。
■黒猫虎が考える悪い区切り線の条件。
――第1位。「読んでいて邪魔になる区切り線」
これは1位だけです。
「これなら無い方がマシっ\(^^)/」
■黒猫虎的な邪魔になる区切り線とは。
具体的な例です。
――第1位。「色がある区切り線」
あなたはPCですか、スマホですか。
見ている環境で違いが出てしまうかもしれません。
――(例ここから)――
これはダミーの文章です。それでも区切り夫と線美は、自分達には区切り夫の淹れるコーヒーがある。この街いち、いや日本一のコーヒーが。ところが、どうしてもあのコーヒーの味が出ない。それもそうだ。あの一杯で区切り夫がした事と言えば、ヤカンからお湯を注ぎ入れただけなのだ。
♦ ♦ ♦
これはダミーの文章です。コーヒー豆を選んだのは――喫茶店のマスター。コーヒーを淹れる器材の持ち主は――喫茶店のマスター。器材を手入れしているのは――喫茶店のマスター。水を用意したのは――喫茶店のマスター。
――(例ここまで)――
スマホだとこう見えます。
・「ダイヤ♦」はスマホだと赤くなるよ
なろうで良く見かけるのが、「ハート♥」だったり「ダイヤ♦」だったりですが、スマホだと赤く表示されてしまうのですね。
・「ハート♥」もスマホだと赤くなるよ
物語の世界に没入している時、白と黒の世界に急に赤い色が目に飛び込んでくると、意識がソコに持ってかれてしまい、せっかくの物語への没入感が削がれてしまいます(涙)
でも、そんな赤い色付きの区切り線も「ノ○ターン」という、怪しい成人向けのサイトなら、とても良い雰囲気を醸し出すので、ぜひ取り入れてみてください。
(逆に言うと、赤い色を使うと言う事は、そういう雰囲気を感じる人が少なからず存在すると知ったうえで使っていただければと思います。)
ちなみに、黒猫虎は、会話文の中の「ハート♥」も少し気になるタイプです。
できれば、白黒のみで読みたい……。
(もちろんノ○ターンなら気にならない/笑)
――第2位。「複雑な模様、苛立たせるパターン」
――(例ここから)――
これはダミーの文章です。あの喫茶店の水は喫茶店のマスターが富士山の麓まで行ってわざわざ汲んできている、とてもとても美味しいお水です。コーヒーに入れるミルクは? 北海道産。お砂糖は? 沖縄産。店内の空調は? 完璧。店内の音楽は? ミラクル。店内の照明は? マーベラス。
>>卍<<●>>─<<●>>卍<<
これはダミーの文章です。ぜーんぶ最高の環境と設備と材料と準備が喫茶店のマスターによって調えられていたのです。それと知らないふたりは、銀行からお金を借りて喫茶店を開きました。……あれから20年。区切り夫のコーヒーはあの日の味からは程遠いままである。
――(例ここまで)――
区切り線に意識が取られすぎますっ。(><)
――第3位。「PCに最適化され、スマホで見たら2行に跨がっている」
――(例ここから)――
これはダミーの文章です。線美はあの味をまだ覚えている。昨日までは区切り夫があの味をもう一度出せる事を信じていた。明日は信じたままでいれるかは分からない。実は、区切り夫と線美の喫茶店は5年前から大繁盛だ。コーヒーが日本一不味い店としてTVに取り上げられたのだ。
=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=
これはダミーの文章です。あの上手いコーヒーを出すマスターの喫茶店は3年前に経営難で潰れたという噂だ。今の世の中、何かまちがってるわ――線美は呟いた。あの時のコーヒーを死ぬ前にもう一度味わいたい。それだけが線美の願いだ。
――(例ここまで)――
スマホだと、こう見えますっ(><)
・2行に折り返されてるよ
――しかし、稀にこの2行パターンで奇跡が起こる事がある。
何事にも例外というものがあるのですね。
私が驚いたのはこの区切り線だ。
――(例ここから)――
これはダミーの文章です。線美は区切り夫に切り出した。――私、はじめに「あなたが毎朝コーヒーを淹れてくれるならあなたと結婚してあげるわ」と言ったと思うのだけれど、『毎朝』と『コーヒー』の間に『これと同じ味の』が抜けていたの。
※ ※ ※
これはダミーの文章です。今まで言い出せなかったけど、私もうガマンの限界なの。お金はあっても、私は毎朝美味しいコーヒーが飲みたいの。20年間ガマンしたのだから許してくださいね。私と別れてください。私、あの潰れた喫茶店のマスターを探しだして結婚する事にするわ。END
――(例ここまで)――
・黒猫虎のスマホだとこう見えるよ
作者さんはこうなっている事を知ってて使っているのか、完全な偶然なのか……?
次の不思議な空想科学恋愛モノ短編小説で登場します。
(作品3)「並行世界の僕に告げたい」作:仁羽 孝彦
https://ncode.syosetu.com/n3816gf/
なんとも素敵なお話にピタリマッチ賞を差し上げましょう♪
■まとめ。時代は「スマホファースト」だっ。
やはり今の時代的に「スマホファースト」だと思うんです。
スマホで見たときに問題なく見えるように仕掛ける。
そう考えると、良い区切り線の条件に「スマホで見たときに崩れない」を加えた方がいいですね。
PCで書いているかたへ。
一度、ご自身の作品をスマホで読んでみてください。
区切り線だけでなく、色々な発見があるかもですよ。
■終わり。
「マツ■の知らない区切り線の世界」いかがでしたか?←ここに打消し線引きたいっw
「黒猫虎の知らない区切り線の世界」いかがでしたか?
あまり区切り線について書いてあるエッセイが見当たらなかったので書いてみました。
もし良ければ区切り線について、あなたの思う事を教えてください。
一番間違いないのはもしかして「使わない事」だったりしてっ!?
複数行あければ、それも区切りですしね。
でも。
でもでもっ。
「区切り線」を上手く使えば、読者にとって読みやすくなる事は間違いないんです。
失敗することを恐れて使わないのはとてももったいない事だと、私、黒猫虎は思います。
ぜひ、正しい用法・用量守って、気づかいを持って、正しくお使いください♪
END
(2024.11.15追記1)にゃにゃにゃ、にゃんと! 当方仕事でWindowsPCを使用しているのですが、PCでも「♦」が赤く表示されるようになっているーーーー!?!?
……いや、この「♦」はPCでは黒いままなのか……「♦️」のダイヤとは違うのか……?
♦ ← PCでは黒く、スマホでは赤いダイヤ
♦️ ← PCでもスマホでも赤い
謎が深まるんゴゴゴ……
本文中の♦がPCでも赤くなってしまう方だったので、PCでは黒い方に変更しました。
♥も同じか!?
……同じでした。www
次の追記2を参照くださいwwww
~~~
(2024.11.15追記2)文中に使用していた「♥」も「♦」と同じくがPCでも赤く表示されるようになっていました!!
かなり驚愕です。
♥ ← PCでは黒く、スマホでは赤いハート
❤️ ← PCでもスマホでもハート
これは、かなりややこしい事態になってますね~~~∑(゜д゜*)
こちらも本文中の♥をPCでは黒い方に変更しておきました~!
(じゃないと意味不明エッセイですからね……)
~~~
(2024.11.15追記3)改めて見返してみると、「第1位。『読んでいて邪魔にならない区切り線』のサンプルの区切り線」をウザく感じてしまったので(笑)次の通り修正しました。
・修正前
~・~・~ ← うぜーーーっwww となってしまった(笑)
・修正後
~~~ ← 超無難っすね。
~(追記ここまで)~
ご指摘ご感想大歓迎ですっ!\(^^)/
(!! 当エッセイで作品が登場する作者様へ !!)
当作品中に、黒猫虎が「良き!」と思った区切り線の出典元の作品をご紹介しております。
ご自身の作品が登場する作者様でもし作中の使用をやめて欲しいという場合には対応させて頂きますので、メッセージ機能や活動報告、感想欄などでご連絡下さい。
使用させていただき、ありがとうございます。m(__)m
~~
【おまけ1】
私の第2のレビュー師匠である、朝倉ぷらす師匠のトコロから、
「スマホでも赤くならないハート♡」を(勝手に)貰ってきました。
どうぞコピペでお使いください。
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
・朝倉ぷらすレビュー師匠の世の中に変革をもたらす神エッセイ
「一話ガチャや長文タイトルの不満……一緒に解決する秘密がありますよ?」作:朝倉ぷらす
https://ncode.syosetu.com/n9192gg/
【おまけ2】
感想欄で教えてもらった『区切り線』たちをご紹介♪
◆ふとんねこさんよりご提供いただきました。
――(例ここから)――
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
――――……
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
――(例ここまで)――
・ふとんねこさんのアメリカンドリーム、いやなろうドリームエッセイ
「日々の思いつき、気まぐれエッセイ~By ふとんの中のねこから~」作:ふとんねこ
https://ncode.syosetu.com/n4649fv/
◆こた☆カンさんよりご提供いただきました。
・シンプルに
――(例ここから)――
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
***
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
――(例ここまで)――
・ゴスロリっぽい美意識高めの作品に(1)
――(例ここから)――
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
†††
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
――(例ここまで)――
・ゴスロリっぽい美意識高めの作品に(2)
――(例ここから)――
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
‡‡‡
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
――(例ここまで)――
・こた☆カンさんの絵で応援するという、素敵企画な応援エッセイ
「文章が苦手だから「絵でレビュー」します」作:こた☆カン
https://ncode.syosetu.com/n4649fv/
◆朝倉ぷらすさんよりご提供いただきました。
・回想シーン用にお使いいただけます
――(例ここから)――
(作中の現在のシーン)
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(回想シーン)
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(現在のシーンに帰ってくる)
――(例ここまで)――
◆九傷さんより「1文字の区切りを使っている」と情報提供いただきました。
――(例ここから)――
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
◇
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
――(例ここまで)――
――(例ここから)――
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
※
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
――(例ここまで)――
これはシンプルでいいですね!
1文字だがらこその表現もできそうでいいですね。
(シーン毎に使い分けるとか……)
・九傷さんの『中二心』をくすぐられる様々な作品の呪文詠唱について語るエッセイ
「色々な作品の呪文詠唱について語ってみる」作:九傷
https://ncode.syosetu.com/n6589gf/
皆さん、素敵な区切り線のご提供ありがとうございます!
情報提供いただける方、どうぞ感想欄まで~\(^^)/