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俺の異世界転移は何度目か  作者: 黒猫 犬
第1章 旅への嚆矢
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第1章―4 森の異変

「えーどうしたのぉーそんなナイフなんて抜いちゃって〜、まさか、何かがいるのぉ!?でも、そんな気配しないけどねぇ〜」


 カイトはそれを聞くとさっとナイフを下ろす。


 ――なんだ、すぐそこにいたのかよ、


 カイトはアレシアを確認すると安堵のため息をこぼす。


「えー、どうしちゃったのぉ〜、なんか、今日のカイト変だなぁ〜、まあ、かわいいからいいやぁ〜」


 自分でも少し緊張しすぎたと感じていた。

 アレシアがいることがわかり心に余裕が戻ってくる。アレシアにかわいいと言われたが男ならかっこいいと言われたいのが当然だ。カイトはそのことで顔を歪めた。


「いや〜、ナイフを振る練習かなっ!昨日あんなの見てたら自分もできるようになりたくなってなぁ!」


 カイトはそう誤魔化し、その場をしのいだ。

 あんなこと――、それは昨晩みたアレシアの光景だ。ナイフを投げるとゆうよりもあの勘の良さに驚かされたが。


 アレシアが茂みから完全に出てくると自分のポーチの中から水筒らしきものを取り出した。


「ほらぁ〜、これすごいでしょぉ〜」


 アレシアは鼻を高くし、まるで小学生が親に褒めてもらいたいなのような自慢げな顔で言った。

 アレシアは時々そうゆう子供っぽいところを出す。


 カイトは水筒を受け取った。

 水筒を少し揺らすと、バチャパチャと音がし中が少し揺る。


「これは、水か!おおーすごい!どこで手に入れたんだー?」


「これはねー朝露を利用したんだよぉー、僕じゃ水は作れないしぃー、」


 朝露とは朝に振る霧のことだ。

 それをどう利用したのかというと――まず、足に布を巻きつけて濡れた草のところを歩き回り、水分を吸収した布を絞って水を得るという方法だ。これは現実世界でも可能な方法である。


「朝露を利用するって、濡れた草の水分も集めるやつか!」


「そうそう!それだよぉー!カイトはサバイバーだねぇ!」


 アレシアにそう言われ、カイトは指を立て腰に手を当て―なんでも聞いて来なさい!と言わんばかりの変な体勢を取り少し調子に乗っていた。

 アレシアもそれに乗るように、生徒の真似をし手をあげていた。

それを邪魔するものはいない。2人だけの空間ができていた。


 途中、カイトはアレシアの言葉の中での違和感を思い出した。


「そういえばさっき、水は作れないてっいったよな??逆に水を作れる人がいるのか!?ま、まさか、魔法とか!?」


 ここでやっと、異世界らしい単語がでてきたと期待を大にする。

 ―水を作る――、浄水器などのオチではないように期待した。

 アレシアの応答はカイトの期待を裏切らなかった反応だった。


「水をゼロから作り出せる人はいるよぉー、でも、ぼくは魔法使う人は見たことないなぁ〜」


 一応魔法はあるよだ。しかし、異世界に住んでいるアレシアが見たこと無いと言うのだから滅多にお目にかかれないものだ。


「カイトはそんなことも知らないのぉ〜、ニホンはそんなに田舎なのぉー?」


 知らないのも無理はない。現実世界では魔法は夢物語であり。しかも、この世界には数日前に来たのだから。


「あー、それは俺がただ単に無知なだけだ、」


「ふーん、カイトは物知りだか物知りじゃ無いのよくわからないやぁ」


 アレシアはそういい頭を傾げた。


 カイトは先ほどもらった水を飲もうとフタを開ける。

 中身は半分くらいあり、昨日の昼から水分を取ってないため喉が渇いていため、がっつくように飲んだ。

 半分くらい飲んだところで思い出す。


「あっ、わりわりー、少し多く飲んじまった。」


 カイトは謝罪を兼ねて片手を前に出した。そして、水筒をアレシアにわたす。


「いやー、全部飲んでいいよぉ〜〜」


 アレシアは親切心に感動を覚えた。さすがに何も飲まないのはまずいと思ったので、無理矢理でも返そうとした。


「水は飲まないとまずいぞ」


「いやーもう大丈夫だよーあと半分はカイトのだよー」


 先ほどのアレシアの言動は親切心ではなく本音だった。水の半分は既にアレシアの胃袋の中だ。


 そこらへんがアレシアらしく、笑みがこぼれた。


「ふふっ、はははー」


「えー、なになにぃ?」


「いやー、なんでもないよ〜」


「なにそれぇ、気になるぅー」


 先ほどまでアレシアが消え、カイトがひどく焦っていたことが嘘のように感じられた。


 早朝、笑い声が森に響く―。




 ☆





「そろそろ行こうかぁ」


「そうだな」


 朝、水だけしか飲んでないが、そろそろ出発することを決める。

 アレシアの髪は少しボサボサになりそれを無理矢理結んでいるようだった。美人にはもったいない。

 早く都市にたどり着くことを願った。





 だいぶ歩いたがまだ先は長い。同じ光景が続くばかりで本当に都市に近づいてるかも疑うほどだ。


「都市まであとどれくらいかかりそうか?」


「んー、結構進んだから半分くらいしかいったかなー?」


 カイトは待ちきれず無意識のうち聞いていた。

 アレシアは始め3、4日かかると言っていたが、もう、半分くらい行ったので、早いペースで進んでいる証拠だ。


 2日目も道無き道を進み同じ光景を繰り返した。アレシアが昨日と同様、獲物を狩る。カイトはそれを真似ようとするが無理ってもんだ。


 太陽が沈み2日目も終わろうとしていた。

 1日目同様、焚き火をする。


「そーいえば、その石。昨日も使っていたけどなんだ?」


「ああ、これぇ?これは火のパワージェムあだよぉ」


 ――パワージェム?これも異世界の産物か…

 異世界のものだと分かると俄然興味が湧いてくる。


「んー、これはねぇー、中にその属性の力が貯めてあるやつだよぉ、本当は魔具とかにつけるものだけどねぇ」


 現実世界でいう、電池のようなものだ。

 それを叩き割って中から無理矢理エネルギーも取り出している感じだ。


 他にも未知なものがあると思うと、カイトは期待で胸を膨らませる。


 そうして日は完全に落ち、カイトとアレシアは眠りにつく。


 明日も何事もないことをカイトは祈った。




 ☆




「んー、あれー、こんなに長かったかなぁ?」


 アレシアは眉間にしわを寄せ首をかしげる。



 3日目はカイトの方が朝早く起き昨日のお礼として水をあつめた。そして、準備が整い次第早めに出発していたのだ。


 アレシアいわくこのペースならついてもおかしくないそうだ。


「んー、道を間違えたかなー?でも、そんな感じはしないけどなー」


 道を間違えたのだけはやめてほしかった。またここを戻り違う方向に行き直すなどごめんだ。案内されている以上アレシアを責めることはできないが。

 アレシアの都市までの距離の把握の勘違いでいて欲しかった。



 まだ、先に歩くと先に何かあるのに気がついた。

 それは焚き火の跡だ。


「ここで、誰かが焚き火をしていたのか?」


「そうらしいねぇ〜」


 既に火は消されていて、人のいる気配はなかった。

 しかし、人が進んだ後のようなものがかすかに残っている。

 この先に人がいることを期待し、都市までの道を聞こうと考えた2人は、追いかけるようにして人が進んだような跡をたどる。


 1時間くらい進むと再び前に何かあるのに気づく。焚き火の跡だ。


「また、焚き火の後だな、ここでも休憩をしたのか?」


 先ほどの人たちが再びここで焚き火をしたのかと―、

 それにしては休憩がおおいなー、まあ、他人の休憩頻度など知ったことではない。


「おっかしーなー、もうついているはずだよぉ!」


 アレシアは少し怒った口調で言う。


「道を間違えたんじゃないの?…」


「間違ってないよぉ、こっちで絶対あってるよぉ!」


 ここまで来て、道を間違えていたなど―、想像したくない。確かに人が進んだ跡がある以上その先には何かがあるはずだ。それも気になり、確かめるのも悪くはない。


 まだ、都市までの道は長いと信じ歩き始める。

 アレシアはしょんぼりした感じて跡をついてくる。


 再び1時間ほどあるく。歩いた先にはまた焚き火の後だ。

 またここでも焚き火をしたのか――、

 しかし、何回も焚き火をする時間があるのなら追いついてもおかしくないはず。


「やっぱり、何かおかしい…」


「やっぱり、おかしいよねぇ…」


 2人は異変に気づき始める。


「次は急ぎめ、いや、少し走って行こう」


「そうだねぇ」


 二人の意見は何も言わずとも一致した。

 これだけ急げば前の人に追いつけるだろうと。


 焚き火の跡から離れる時、アレシアはポーチから取り出したナイフの刃を木に突き刺した。


まさか―、


 2人は走った。ところどころ休憩しながらだが、先ほどからのペースより断然早い。

 40分くらいしたところで2人の足が止まる。見飽きた光景だ。

  再び焚き火の跡だ。

 しかし、別のところにも目が行く。それを見た途端疑問が確信に変わった。

 そこにあったのはナイフの刃だ。アレシアが確かめるとアレシアの物と一致する。


 つまり、こういうことだ。


 さっきから同じ場所をループしているのだ。









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