第1章―1 発見した村
第一話を更新させていただきました!
矛盾点や誤字などを見つけた場合少し内容が変化するかもしれませんのでご了承くださいm(__)m
間違いなどを、見つけたら感想おねがいします。
これから、なにとぞお付き合いください。
「ああああ、あ……あれ??、え??」
風が心地よく吹く草原の上で彼は立ち尽くしていた。
草原には黄色い花が所々に咲いており、そこからは森や山が見えた。
彼は頭が回らず呆然としていた。あたりまえだ、先ほどまでプールにいたのに草原に一瞬で移動していることを理解できる人はいないだろう。
――寒っ
草原には心地よい風が吹いているといっても、今の彼は水着だけしか着ていないのだ。なんとも恥ずかしい姿で異世界に転移されたのだ。だか、彼はまだそれを知る余地もない。
「とりあえず、落ち着こう…、ここはどこの草原だ??学校の近くか?」
彼は混乱して頭の中がいっぱいだったが、少しずつ調子を取り戻していった。
見渡すかぎり、森や山が見えていたがその先には小さく村のようなものも見えていた。
「んー、水着だから携帯もないし…とりあえず人のいるところに行こう。てっ、この格好じゃまずいかな?まあ、水着だし大丈夫かな??」
と、独り言を呟き今見えている村に向かって歩き始めた。
少し歩くと、森に入った。裸足のため小さい木々を踏み足の裏が痛んだ。しかし、人が通ったと言わんばかりの小さな道がありそこを通ることで被害は最小限にできた。
「もー、これは新たなドッキリか?あいつら凝りすぎだろ…見つけたら流石に怒るか…」
彼はそう人に怒る人ではなかった。しかし、これはやりすぎたと教えるべきだと思っていた。あいつらの仕業だとそう思いたかったのだ―、
小道があるおかげで迷わず村にたどり着くにはそう時間はかからなかった。
が、村にを見た途端、足が止まり静止していた…
「な、なんだ、あれは?!」
彼が見る先には人と犬が混じったような人、猫耳ならぬ犬耳をつけたコスプレのようだった。しかし、口などは、妙にリアルで犬に近いものだった、人より少し毛深く爪も伸びていた。いわゆる[亜人]というものがいたのだ。
しかし、亜人ばかりではなく彼と変わらない普通の人もいたのだ。そして、一緒に暮らしているかのように接していたのだ。
「ちょちょちょ、まてまて、ここはなんなんだ」
彼は少しの間、じっとして状況を整理し考えていた。
「これは、まさかとは思うけど……………異世界転移てっやつか??」
不意に出た独り言だった。
現代ではもう見かけないような家、亜人と共存する人々、それらの結果から現実世界では無いと考えついた。
そうなれば、一瞬でプールから草原に移動したのも納得がつく。
普通ならばこの考えになることはありえないだろう。しかし今、現にありえないことがいくつもにおこっているのだ。
彼はひどく混乱していて今にも泣きそうなくらいの顔だ。
とりあえず海斗は住民に話しかけなければ始まらないと思っていた。差別しているわけではないが流石に亜人に話しかける勇気はなかった。
「あの…すみません…こんにちは…」
「ん、なんだい?てっ、なんだその格好は!」
村人がびっくりするのは無理も無いだろう。こんなところに水着姿なのだから。高校生でなければ逮捕レベルだ。
「あー、これはいろいろと訳があって―、それよりここがどこか教えてくれませんか??」
「それよりって…まあ暑いのはわかるが、、ん、ああ、ここはサハリ村だよ。知らないでここに来たのかい?まあ、当たり前か…」
村にいたおばさんは何か寂しそうにそう言った。
彼はなんて返せばいいか分からなかった。しかし、あの言い方をされると、少し村のことが気になった。
「あ…なんかすみません、ここはどうゆう村なんですか?」
「ここかい、ここはねみんな優しくていい村だよ…だけど、とても貧しい村なんだよ。ここら辺じゃぁ村と呼ぶのはここぐらいだろうね―」
言葉が出なかった。確かに彼はコミュニケーション能力が高いわけではなかったが、それなりにはコミュニケーションが取れる方だった。
「少し待っといてくれ」
そう言うとおばあさんは自分の家らしきものに戻っていた。少しすると家から出てきて、手には布のようなものを持っていた。
「その格好じゃぁ、寒いだろ。これを着な」
別に服が無いと言ったわけでない。しかし、貧しい村人からの気遣いだったのかもしれない。
そう言って渡されたのは、服だった。ノウスリーブのシャツに、まるでジャージのような七分丈のズボンだった。それに運動靴に近いものもあった。それらは靴以外自作だそうだ。息子が着ていたものらしく大きさはちょうど良かった。
「ありがとうございます!」
服があるだけでも救われた気分だった。まるで子供がはしゃぐように喜んだ。
☆
村を見回すと家などは日本昔話に出てくるような家よりは少しマシな感じの家だった。畑がたくさんある限り自給自足をしているように思えた。
しかし、そこで1つ違和感に気がついた。男が誰1人いないのだ。
「ここの村てっ、男はいないのですか?」
「今はいないねぇ、男はみんな出稼ぎに村を出て都市に行っちまったよ。生きるため…仕方がないか…」
――都市があるのか?そこに行けば何かわかるかもしれない。
彼は少しの希望の光が見えた気がした。
「都市にはどうやったら行けますか?」
「あんた、ここから都市に行きたいのかい? 何も準備なしに行くのはオススメしないよ、第一服も十分じゃないのに…あいにく、女子供しかいないから、行き方がわからないし、行くには危険なんだわ」
せっかくの希望が閉ざされてなんとも言えない気分だった。
1人で森の中を進んで都市を目指そうと考えたが、第一場所もわからないし、準備もなしに行くのは死を意味していた。
海斗はこのどうしようもない現状に戸惑っていた。
おばあさんも何もしてあげれないことに申し訳なさそうな顔をしている。
どうすればいいか、海斗は黙り込んで考えていた。おばさんとの沈黙のな中、ある1人の声で海斗はの考え事が砕け散ったのだ。
「君、都市に行きたいのかい?連れてってあげるよぉ」
その声は突如ひとけの無い場所からきこえた。
声の持ち主は、白色の長めの髪の毛でここの村のには場違いの服装をした怪しげな色気を漂わせる女性だった。