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0, 告白? いいえ、ケフィアです。

後書き参照。

ちなみに今の心情を表すと、某歌詞より、「手ごろな紐と、手ごろな台を都合よく見つけた」ってところです。

「はるくん……ダイスキだよ」 


 甘い声が俺の脳を溶かす。そのふっくらとした唇から発せられた言葉はまるで魔法のようで、ぶっちゃけ死にそうだった。

 突然だが俺は猛烈に冷たい汗を流している。ハンカチ持ってきたかなとか考えてる暇が本気でない。今思考すべき点は一点、現状をどう回避して全力疾走で逃げるかだ。右左も確認したいが残念ながら体育館裏とかいう今の世の中滅多にお目にかかれない場なので全く意味を成さない。強いて言うならば後方に壁があることくらい。やっべ、バスケがやりたいです。

 短絡的に言ってしまうならば告白を受けていた。勿論男性からではなく女性から。しかもクソみたいに美少女な人に。髪の毛とかさらさらで肌とかさらさらで手とかさらさらで目とかさらさらでって有り得ないけど、どう考えても自分と不釣合いな人間が目の前に立っている。毎日その女神さながらの華奢な手で梳かれているであろう漆黒のロングヘアーに、花柄の髪飾りが一つ。フランス人形と表現するよりはコットン百パーセントの手触りが期待できそうな日焼けの無い真っ白な肌。学校指定の制服に包まれたプロポーションは外観でも分かるほどにスタイルが良い。そしてこの近距離で微かに香る香水類かはたまた他の何かか、俺にとっては未知の香りが俺の脳を酔わす。

 だがそんなことよりも恐ろしいのがこの身長だ。俺は俗に言う『ロリコン』という奴ではないが、この百五十台前半であろう小ささには小動物的な愛くるしさを覚えられずにはいられない。あ、頭なでなでしてぇ……。 

 そんな絶妙な位置からの上目遣い。しかもすげえ熱い視線を送られる形で。そのくるくるした愛らしい瞳とか凄い潤んでます。いつからコンタクトレンズ入れたんですか。

 実はこの目の前の女性が同じ学校の先輩だったりするわけなのだが、今考えれば言うところの『フラグ』って奴は乱立してたんだろう。二千本くらい。しかも同じ位置に。

 まあ少し冷静になって考えてみようぜブラザー。いつどこでそんなフラグが立ったんだ。昨日好きって言われたところか? それとも一昨日好きって言われたところか? もしかしたら一週間前に好きって言われたところかな? なんだよ、全然立ってないじゃんフラグ。主に俺の生存フラグとか。

 ダメだ、脳内が満員電車さながら有り得ないことになってやがる。そこっ、紛れて痴漢とかしてんじゃねーよ。さらに荒れるだろうが。

 と、ここで俺は現実逃避を一度止めて現状を再び理解しようとする。告白されてます。以上忘れ物はありません。把握した、よって逃げ道無し。男なら当たって破砕しろ。

 

「準先輩、本気ですか、それ」


 乾いた雑巾を絞って出たような声で俺はそう先輩に言った。実際カラカラだったろう。今ならあまり好きじゃない黒飴舐められそうな気がする。汗の味にまみれてるだろうし。

 

「はる君は……ボクのこと、嫌い?」


 先輩はそう言うと、ツツツツ、と俺のへそ部分をなぞって来る。止めてください、何か生まれそう。あとその熱い吐息は何ですか。物凄い危険な臭いがするんですけど、淫靡って意味合いを含めて。


「き、嫌いじゃないですけど、いつにも増しておかしいですよ準先輩……」

「だって、はる君がイケナイんだよ? こんなに、こんなにボクを待たせて……」


 そういうと先輩はほのかに紅潮した顔を俺に向けて、ベルトに手をかけてきた。いやいや待てよ、気が早いなんてレベルの騒ぎじゃないでしょうそれは。俺は全力でその手を止めにかかるが、どこから出るのか、恐ろしい力で跳ね返される。指掴まないで下さい、折れますきっと。


「ま、待ってください。酔ってるんですか? 酔ってるんでしょう?」

「ふふふ、勿論はるくんに酔ってますよ〜」

「いやいやいや、そういうこと言ってるんじゃないって分かるでしょう!」

「え〜? ボクには何にも聞こえなーい」

 

 ダメだこいつ……なんとかしないと。

 この先輩、一体俺のどこのナニを気に入ったのか知らないが、何かを境に急に接近してくるようになったのだ。最初は俺もこんな可愛い先輩に好かれるなんてついに俺にも春の風がやってきたかとも思ったが、まあ二日三日もすればこの人の性格が分かってくる。

 単純明快に言えば、変態。勿論性的な意味で。

 人の欲求ピラミッドの第一次欲求に性欲が含まれていると言えども、人それをコントロールすることが可能なのだ。食欲、便意、睡眠欲は無理でも、性欲は出来るはずなのだ。

 そしてそれが出来ないのがこの先輩である。んでもって、それに好かれる俺。俺も嫌いなわけではないのだが……な? 色々あるだろ、青年には。

 非常にまずい。このままではこの一ヶ月間苦悩に苦悩を重ねて守ってきた貞操が失われかねない。ここは心を鬼にして接せねばならない。

 そう決意して、俺は先輩の肩の上に手を置いた。


「きゃっ!? な、何?」


 今から言う言葉は重い、重い一言だ。場合によっては先輩を傷つけるかもしれないほどの重さを持っている言葉だ。軽い気持ちで言ってはいけない言葉だが、時と場合によるならば使う場所は今しか無いだろう。

俺は大きく息を吸い、射抜くような視線で先輩を見つめて言った。


「先輩……俺、ネコミミ萌えなんだ」


 ああ、なんと甘美の響き……。万歳ネコミミ。ちなみに今の発言の十割が嘘でできています。 

 先輩が豆鉄砲を食らったように飛び跳ねる。心底驚いているようだ。その綺麗な瞳が右往左往、行き場をなくしてさまよっている。

 それもそうだろう。この準先輩こと白鳥準しらとりじゅんは、生粋のネコアレルギーなのだ。以前俺に「何萌え? 何萌えなのはるくんは?」としつこく聞いてきて、「メイド萌えですよ」と適当に答えたら狂喜乱舞で安堵。変な表現だが、俺が見た感想で言えばそんな感じだ。

 その後、何故そんな質問をしたのかと聞いたらお茶を濁されたので、色々調べて見たらこうだ。


「そ、そんな、嘘だよね?」

 

 嘘だが本当ですと答えておく。

 ご覧の通り、準先輩はネコミミ属性すら嫌っている。

 アホらしい話だと思うのだが、文化祭のメイド喫茶に連れて行ってもらったことがあり、その際にメイドの一人がネコミミを装着していたのだが、準先輩はそれをむしりとって外に放り投げ、数十分に渡ってその女子生徒に説教していたことがある。ちなみにその間俺は放置。コーヒーの味を十二分に楽しめた。

 まあそんなこんなで準先輩の弱点を知ったわけだが、鬼畜でもいじめっ子でもなんでもない俺として人様の苦手なものを会話に出すのは気が引けたわけなのだ。

 だが、ここまで来てはもう使わざるを得ない。許せ、準先輩。俺は貴女の同志だ。いざこざが解れたら一緒にネコミミ撲滅委員会作りましょう。

 と、その時、準先輩から今にも消えそうな小さな嗚咽が聞こえた。


「うっ……ひっく……」

「え。ちょっと、何泣いてるんですか準先輩……」

「だって、だって、はるくん、メイド好きだって言ってたじゃない!!」

「いやそれはその、いわゆるきりんさんより象さんのほうがもっと好きです的な……」

「それよりもボクのほうがもっと好きでしょ!?」


 えぇ……。その問いはいささか無理があるんじゃないかと。

 何故だかその切羽詰る勢いに押されて言葉が出なくなる。

 

「何か言ったらどうなの!?」

「いや……その……」 


 俺、なんで怒られてるんでしょうか。つかこれ告白の現場じゃないでしょうきっと。


「うっ……うわーーん!! はるくんの馬鹿ぁーー!!」


 その瞳に涙を溜め切れなかった準先輩は、身を翻して走り去ってしまった。声をかけることも出来ずに呆然とする俺。こ、後悔なんてしてないんだからねっ!?


 とにもかくにも、そんな感じで俺の貞操防衛戦は幕を閉じた……と思っていた時期が僕にもあったんです。


 とにもかくにも、そんな感じで俺の貞操防衛戦は幕を開けた……マジで。

いいえ、私は蜻蛉ではありません。あなたが見ているのはきっと他の誰かでしょう。蜻蛉です。


伝説を築いてみせる!と意気込んでスタートラインで転びました。しかしそれでも走り続けるのが私です。

セルフディストラクションとかそんなのかんけぇねぇ!!と言いたいのですが、些か心配事が多すぎて(ry


今後のために言っておきますと、この作品はいずれ間違いなく削除され……るつもりだったんですが、要望と、意外な出来によってやめました。催促してくださったかたがたにお礼を言います。友人に送るプレゼールであり、自己満足であり、いわゆる「美少女描写」の勉強のため、と言いながら「僕の趣味です」と胸を張っていえるようになるための修行です。いや、違いますけどね。


では、速筆してさっさと死にます。


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