登録と天命
「ほら、ここだキュウマ」
俺は師匠に良いとこへ連れていってくれるという事でバルビの町へ来ていた。
「えっと、・・・ギルドか」
看板に書いてある例の左右対称の英単語を呟く。
英語はまあまあ得意な俺は、短い単語はわけなく訳せる。まぁたまに元の世界のとこんがらがってワケわかんなくなるときもあるが。
「てか師匠、ここが良いとこ何ですか?」
「あぁ、ここで冒険者登録する。中々にわくわくするぞ」
お、おう。としか思えない俺はまだこの世界に慣れていないからだろうか?
結構大きめの扉を開きギルドへ入る。
「えっ・・・人少なっ」
室内は数えるほどしか人がいなかった。
ギルドとかって人が多いイメージだったんだが、何かある意味幻滅したな。
「まぁ、今の時代冒険者は不景気だからな。魔獣どものせいで色んなモンスターが強くなって、今まで冒険者だった奴はもちろん、新しく冒険者になる奴とかどかどか死んで逝っちまって、冒険者を続けたがるやつも始めたがる奴ももういねぇ」
「なるほど・・・」
「ま、お前にとっちゃ関係無い話だったな、登録は向こうの受付だ。早く行ってこい」
俺は指差された受付へ行き、一番真面目そうな定員の人に話しかけた。てか他の定員は本読んでたり何かメイクしてたりしてて話が出来るような雰囲気じゃなかった。
「あのー、冒険者登録したいんですけど」
「はい。冒険者登録ですね・・・ええ!?」
「「「冒険者登録!?」」」
すると左右にいたメイクだの読書だのしていた定員まで驚く。
「え、何か俺変なこと言いました?」
「あ、いえ、私この仕事についてから初めてだったので、冒険者登録しようとする人」
初めてな理由はきっとこの人が若いからというでは無いことは想像できた。にしてもそんな珍しいのか。
「あー、それでどうやったら登録できますか?」
「あ、はい、えっと」
目の前の大人しそうな定員さんがテンパりながらとある書類と変なアイテムを取り出す。
「はい、ここに名前を書いていただければ登録完了です」
俺は物珍しそうに見る三人の視線を感じながらも、自分の名前をこの世界の書き方で書いた。
「えっと、ヤノキュウマさんですね。少々お待ち下さい」
すると定員さんは書類と共に取り出していた近未来的なアイテムになにかを打ち込み、パシャリと写真(多分)を撮られた。
「えー、この装置の説明はここのボタンを押せば勝手に操作を教えてくれます。これで冒険者登録は完了です」
定員さんがくれたアイテムはひし形を立体にしたみたいな形で・・・ってこれホントに伝わってる?まぁそんな形でスマホ位の大きさだった。
「師匠、終わりました・・・ってあれ誰だ?」
師匠に無事登録完了したことを伝えようとしたら、なにやらゴツい金属装備の、師匠と同じくらいの年齢の男が師匠と駄弁っていた。
「あの、師匠。この方は?」
俺は師匠へと近づき、話相手の人に挨拶しながら尋ねた。
「あぁ、こいつは俺の古くからのダチで、勇者様が造った、天命騎士団の団員、ルソルグだ」
「えぇ!?」
「よせよ、ドミリ。勇者の騎士団なんてよ」
勇者の騎士団。ということは当然真矢とも顔見知りってことだよな・・・。よし。
「あの、ルソルグさん。お願いがあるんですけど」
「ん?なんだい?」
「真矢に、勇者にあわせて下さい!」
この話で何回冒険者登録って言葉つかったんだろう。