生贄②
「……うっ、うう、」
リリアにキスされたあと、体が熱くなり、うなされるまま眠ってしまった直樹。
ようやく体のだるさも取れてきて、目を覚ましたのだった。
目の前にリリア顔があり、心配そうに覗き込まれてる。なんか顔が近い気がする。
どうやら膝枕をされているらしい。
「ずっとうなされていたようなので心配したのですが、大丈夫ですか?」
「いや、ダメだ……」
頭に手を当てながら言う直樹。
ダメ、と言うのは冗談とかではなく、本当にダメなのだ。
なんだか頭痛もしてきたような気がする。
「そうですか……、でも、目覚めてくれて本当によかったです。
さすがは、私の魔王様ですね。
今回行った魔王様に私が生贄になる儀式、魔王様の体や精神、魂が弱いと、死んじゃうときもあるそうなのです」
「……、はははっ」
苦笑する直樹。
死ぬってなんだよ。
魔王様なんて俺をあがめておいて、もしかしたら会ってすぐに殺しちゃうところだったなんて……、シャレになってないぞ。
つうか、まだ体がだるすぎだし。
なんだか、目も……、視界にもやもやと曇りがでてきた。
「あ~、もう駄目だ」
「しっかりしてください。魔王様」
と、まじめな表情で言うリリア。
(お前のせいで死にかけているんだよ。
くそっ、『生贄になる』、とか言っておきながら、なんで主を殺しかけているんだよ。
ホント、おかしいだろ)
と、直樹は思いながら、
「いや、ダメだ。
なんかもやもやと、ふわふわと光が浮いているのが見える。
あの世からの使いかもしれない……」
と、言う。
すると、リリアは、ぱあぁ~と明るい表情になり、
「私の生贄契約は無事に成立したみたいです。
それで、何色が見えますか?」
「いろんな色?」
「えっ?」
「青や赤、黄、黒などなど……」
「青色以外にも……」
絶句するリリア。
何も言わずになぜか考え出す。
(リリアの方から話を振っといて、考え出すなんて、こっちが不安になるよ……)
と、直樹はリリアが話し出すのを待つ。
そもそも、体がだるすぎて、何も話す気がしなしのに……、というか、また眠くなってきたのに、気になるような話し方をされたら、気になって眠れなくなってしまうよ……。
「あ、あの……、さっきのキスは……、私にとって初めての……、キ、キスだったのですが……。
そ、その……、魔王様にとっては……?」
「はぁ?」
いきなり、そんなことを会って間もない人に聞かれて答える気にはなれない。
が、相手にとって、初めてだとすれば、そのくらい答えてもいい気がする……。
「初めてだが……」
と、直樹が言うと、リリアはまた考え込む表情になり、しばらくたったあと、リリアはまた気になることを言い出す。
「……そ、それは……、お、おかしいです。おかしすぎます……。
私、調べたいことがあるので、少し席をはずしてもよろしいでしょうか?」




