天界からの言葉
――人間どもに告ぐ。地上変革を行うため、一部の人間を地獄へ移住させる。
直樹が高校から帰っている途中、空が急に異常なまでに明るくなったと思ったら、耳から聞こえてくるわけではなく、心に響くようにその言葉が聞こえてきた。
感情がこもっている訳ではない声。
状況からして今まで一度も経験したことがないもの。
いつまでも変わらないと思っていた日常が、もしかしたら……、まったく違うものに変わってしまう予感を感じさせるものだった。
例えるならば、自分に襲い掛かってくる雪崩の前兆や、大地震の前兆、津波の前兆を感じたようなものだった。
周りを見渡すと、俺と同じように立ち止まって混乱している様子の人、異様に光っている空のほうを眺めている人などがいる。
どうやら、俺だけが聞こえている幻聴などではなく、みんなも聞こえ、感じているのだと思った。
そして、直樹は恐怖を感じながら、
(いったい何が起こっているのだ……?)
と、考えている途中……、
目の前の景色が変わる。場所は木造でできた建物の中で、目の前にあまり見慣れないが果物と思われる食べ物、そして、数人の少女たちが平服している。
少女たちが着ている者は、派手なものではないが、質素なものではなく、着物のように見えるが、ちょっと違っているものだった。
「な、なんなんだ、これは?」
混乱しながらつぶやく直樹。
独り言ではなるが、どこか、目の前に少女たちに答えて欲しくて言ったのだと思う。
平服している少女たちの一人が、平服したまま、
「……魔王様、私が代表してお話しをさせていただいてもよろしいでしょうか?」




