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オリジナルキャラクターの「育て方」

作者: 小林汐希

 いつもお越しくださいましてありがとうございます。


 最近、いろいろな方が小説を書く側に回っているようで、私も新しい方の作品も時間に任せて読ませていただいています。


 そんな中で、最近みかけるようになったのが、いわゆる「オリジナルキャラクターの設定」に関連する物だったりします。


 そこで、今回は私なりのキャラクターの生み出し方を振り返ってみることにしました。


 そう、キャラクターの設定。難しいんです。二次作品ですと、基本的なキャラクターはすでに存在しているので、細かな人物設定を作る必要はありませんね。


 オリジナルの物語をオリジナルのキャラクターで執筆するとなると、登場人物の設定が構想段階で非常に大きなウエイトを占めてきますし、その出来栄えで物語の質が変わってしまいます。


 いろいろな作者さんを見ていると、名前から生年月日、家族構成だけでなく、学生ですと部活や嗜好品、友達の数、教科や食べ物の好き嫌いなど、挙げればキリがないほどの項目を設定されていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。

そういう方からすれば、私のキャラクターの設定方法は真逆で、かなりアバウトです。


 これまで、いろいろなヒロインキャラクターを生み出してきましたが、ほぼ一貫しているのが、物語初期には詳細設定をほとんど決めていないということです。


 最初に決めているのは、男女、おおざっぱな性格、一人称の呼び名ぐらいでしょうか。場合によっては名前すら確定していないこともあります。これは、これまでに生み出してきた、片岡茜音かたおかあかねであったり、松木渚珠まつきなみであったり、最新作の原田結花はらだゆかでも変わりません。


 キャラクターの「作り方」ではなく「育て方」という表現にしたのは、彼女たちも物語の進行につれて成長していくわけで、最初から設定を固めてしまうと、自由に成長させることが出来ないからという私のポリシーです。(正直、お話を書き始めたごく初期には、細かく設定も決めた事例もあったのですが)


 もちろん、この方式は仮にシリーズものだとすると、前後で破綻しないように何度も過去の作品を振り返って矛盾がないように調整しなければなりませんし、特に作品数が多いシリーズで、サブヒロインを張っている子ですとその検証だけでも非常に手間がかかります。


 なぜこのような形を採るのか。


 私の作品を読んでいただいている方はお気づきだと思いますが、私の書くヒロイン級の子で、お話の最初から絶対的に何でも出来ちゃうスーパーガールはいません。それこそマイナスからのスタートという子も多いんです。


 いじめられっ子、家族を亡くしてしまった子、身体を壊してしまった子など、そこから一緒に泣いて笑って、どうやって這い上がって自分の未来をつかみ取れるかというストーリーに重みを置いているので、その成長過程において、性格だって変わっていくんです。(これは、正直なところ私の実体験が無意識に元になってしまっているところがあるかも知れません)


 多感な10代やそれに近いヒロインを多用しているのは、大人になって形が固まってしまう前の最後のチャンスで 逆境をはね除けて羽ばたける力を書くためには、キャラクター設定は逆に細かく出来ないという私の中でのジレンマがあります。


 どこにでもいる、しかも少数派マイノリティーになってしまった子が自分たちの幸せを掴むために立ち上がる、これがほぼ全ての私の作品に共通する本質です。


 そのため、一人のキャラクターを生みだすために時間もかかります。片岡茜音とその仲間たちはそれこそ、学生時代のキャラクターが固まるまでに構想から約1年かかっています。ですから、それほど多くの作品を展開はできません。

その代わり、一度育て上げた子はぶれずに残りますから、結花の良きサポート役としての菜都実なつみおばさんのように、再登場させることができるのも、彼女たちは自分たちの物語が終わった後も、その後の人生を歩いていけるエンディングにしてあるからですね。


 いろいろとノウハウはあるかもしれませんが、キャラクターとひと言で言ってしまっていても、やはり命を吹き込んだからには、成長して自分なりのゴールを見つけて欲しいと思ってます。


 こんなやり方でキャラクターを設定する方はどれだけいらっしゃるか分かりませんが、少なくとも私は今後もこのやり方を続けていこうと思っています。


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