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Fuck my life!!  作者: Carry B
8/32

Phantom -亡霊-

私、ユリエ。

30歳、独身。

趣味、執筆活動

特技、嘘笑い。


今の私、

『復活、意外と早かったな』

こう言われて、有頂天。(笑)


学生時代から、恋に破れるたび、

まぶだちソウに泣きつく私。


今回も一直線にソウに電話。


別れた次の日に電話して

またその次の日も電話して・・・

そして、いつものパターンで、しばし休憩。

ここからが勝負だ。


この後、どれぐらい経ってかけてしまうかがポイント(笑)


今回は、ソウの創造よりも短かった様だ。


長年私を見てきてくれてるだけに

ソウの恋愛カウンターは結構正確。(笑)


期間が長ければ長いほど、重症で

短ければ短いほど、けっこう前向きに進めている証拠。


今回は、前向きになれるのが早かったみたい。


自分でも少しずつ、なんとなく

そんな自分に気づいていた。


でもヒトに言われる事ほど

力強いことはない。


ようやく最近、トムとの事実を受け止められるようになってきた。


来年の4月まで。

決して会わない。

会いそうな場所にも、決して行かない。

そう心に決めている。


私、最近分かった気がする。


自分に言い聞かせる事って

初めはスゴイしんどくて

頭が変になりそうな位逃げだしたい事だけど

それを我慢し続ければ

言い聞かせから、意志へと変わるんだなって。


今の私、トムとはほんとに会えなくていぃ。

てかむしろ、前のみじめな私が恥ずかしくて

会わせる顔がない。

一生会えない方がいぃとさえ思えたりする。


こうなるまでに、ほんとにほんとに毎日が葛藤だった。


毎日毎日、トムの亡霊と対話した。(笑)


でもやっと、自分でも胸張れる位、少しは自分の意志が固まってきた。


そんなこんなで、トムと別れて1ヶ月。


ひっさしぶりに1対1でデートした。


お相手は、4つ年上、ジョージさん。


ジョージとは、1回目のトムと別れ後にデートをしてたドイツ人。


トムとジョージは顔見知り。


ジョージはトムと私の過去を知っている。

トムはジョージと私の現在形を知っていた。

小さな町の、悲しい性。


ジョージはほんとにいい人で

瞬間湯沸かし器な私の怒りを

『Strawberry day?(生理の日?)』と言って

いつも茶化して、衝突を回避してくれた。


器のでっかい人だった。


お泊りに行ってもキスもその先も

決して望まない男、ジョージ(笑)


女としての魅力がないのだろうか、と不安になる事もあったけど

ジョージはそんな硬派な人だと感動した。


でも結局、お泊りの日に

隣でエッチな本を読んでいて

興ざめして、私から疎遠にしてしまっていた。(笑)


そんなジョージが2週間前。

ご飯に行こう!と連絡をくれた。


なんとベンツを買ったらしい。

なんとリッチでロマンチックなデートなんでしょう。

トムでは決してありえない。(笑)


気分上々で出かけた先でユーカが電話をくれた。


正直、助け舟だと思った。


迷わず参戦熱望。

そしてユーカも参戦。


ジョージはほんとに素晴らしい人。

それでも会話が弾まない。


それでも満面の笑みで癒される。

それでもやっぱり楽しくない。(笑)


そして、気分転換にいつものcafeへ。

私の行きつけのcafe。

トムの行きつけのcafe。


やっぱり悪夢は再来だった。


トムがいた。


私は中に入れなかった。



『ユリエ、中に入らないの?』

分かっていながら踏み込むジョージ。


意を決して、私は言った。

『トムがいるから』


ジョージはいつもドシンと構えてる

大人の男性。

器のでっかい男性。


『じゃぁ腕を組んで彼氏のフリして入ってあげようか?』

すごいよ、ジョージ。(笑)


念願のトムが、

目と鼻の先にいる。

一歩歩けば一目見れる距離。


それでも私は会いたくなかった。


結局、そのままジョージとバイバイ。


やっぱりまだ。。。

やっぱりまだ、私は次には進めない。


トムと会えなかったのは

会いたくなかったのは、

別れ際の喧嘩が原因。


トムのビザは奥様のビザ。

ジョージのビザは仕事のビザ。

喧嘩の拍子に、ジョージの話がでてきて

『ジョージとは永遠を感じれたから』

売り言葉に買い言葉。

トムは結婚したいが為にジョージを選んだと思っている。

私が言いたかったのは、トムはビザを奥さんに預けている。

もし奥さんが別れたいと言えば、トムはオーストラリアに

帰らなきゃいけない。

ジョージは仕事を続ける限り、会社のビザでいつまでも

自分の意志で滞在できる。

私にとっては魂を誰に預けるか。が言いたかったのに。


だから、トムにジョージとのデートを見られれば

結婚に焦った女とか、結局すぐに次へ行くとか、

焼きもちやかせてるつもりかもしれないけど

独りよがりだよ、ユリエとか。。。

色々思われると嫌だと思った。


だって結局、誤解はとけていないんだから。


でも、どのみち結局何も変わってないなー私。


いつも私の基準はトムなんだ。


ほんとはすっごく優しいトム。

『ひとりよがりだよユリエ』

なーんて意地悪言っちゃうトムじゃない。


それでもこんなトムに創り上げてしまったのは

私なんだから。


会いたくないのは事実だけど、

会いたくない=存在さえも消し去りたい。


噂も後ろ姿も笑い声も、ぜーんぶ

ぜーんぶ聞きたくないし、見たくない。


来年の4月まで、

再来年の4月まで、

その先もずっと会えなくなれば

私はきっと忘れる事ができるんだ。


そんな事に気付いてしまった

しとしと雨降る金曜日。


悪い事を洗い流してくれる

大好きな雨降りに、

今日は何だか、嫌気がさす。


いつものコーヒー、いつものチョコ。

私とトムの大好きなメーカー、大好きな組み合わせ。


今日も1人でトムを感じる私、ユリエ。


もっと胸晴れ、失恋女子!!

もっと胸晴れ、ユリエちゃん!!


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