Sign
私、ユリエ。
30歳、独身。
趣味、ネイルのアートを眺める事。
特技、トムとの妄想。笑
彼氏、不在。
今日は最高に気分が上がらない。
この数日、やっとトムとの事を忘れられそうに
なっていたのに。
また余計なものを見てしまった。
聞いてしまった。
これで何度目だろう。
これでまたスタート地点に戻ってしまった。
1度、人と人とが交わると
良くも悪くも、相手の周波数と
自分の周波数があってくる。
何も言わなくても、相手の気持ちや考え方
更には言いたいことまで
分かってくる。
トムにバレンタインを渡してから
ビックリする程、気持ちがスッキリしていた。
そしたらトムのFBの待受写真が
付き合っていた頃の思い出の写真に変わり・・・
正直嬉しすぎて
また、孤独との戦いにも打ち勝てる気がしていた。
でもまたしても、
トムの電波をキャッチしてしまった。
こんな時まで。
トムが待受を変えたことは、
私を許した訳でも
私を懐かしくなってしたわけでもない。
1番近くにいたからこそ分かってしまうサイン。
これが元カノの特権。
トムはもぉ、私との過去を気にしなくなった。
というか、もぉ私との事を完璧に消したんだ。
だから普通に思い出の写真を使ったんだ。
もぉあの人は、私の知ってる場所にはいない。
きっと気になる人ができたんだろう。
いや、あの人は簡単に恋ができないけれど、
きっと自分を高めてくれるヒトにであったのだろう。
だから私にサインを送った。
でももぉネガティブは卒業したい。
寝ておきたら、双六の様に
一発逆転で、また先に進んでいたい。
だから今日は、悲しい程に
ポジティブな私で眠りにつきたい。
独り言の様に、勘違いな事を言おうと思う。
今週末、彼はいつもの場所でパーティーを開催する。
私達が出会ったパーティーだ。
今回のドレスコードは、パジャマ。
今までハロウィンや仮面舞踏会、色々あったけど、
今回は幼い頃の思い出がテーマだそうだ。
実はこのイベントの告知を考えたのはトムらしく、
別れて勿論私はトムから招待状はもらってない。
でも共通の友人から招待状を頂いた。
この内容に、サインがある気がした。
このパジャマパーティー、私が昔トムに話した話
そのままだったから。
幼い頃、親に寝なさいと言われ、寝たふりをして、
親がいなくなると兄弟で遊んだ頃が懐かしかった
と言ったあの話。
別れて発表されたこのパーティー。
楽しい事が大好きで、人を笑わせる事が大好きなトム。
いつも自分の企画を、
聞いて聞いてと話してくれたトム。
私はトムの“最高のパーティーを僕は作り続ける”
って声が聞こえる気がする。
でもなぜこの内容?
少しは私を意識してくれたと、
前向きに取らせて欲しい。
そして、どんなに遊んでたトムでも
皆に、彼女と私を紹介してくれ
元奥様にも彼女ができた、と宣言してくれたのは
私が最初だったこと。
そして、今の所、私が最後。
パーティーで、公衆の面前で
女の子とキスをしている姿を見せたのは
有難いことに、私以来、ないと言うこと。
私といると、やっと普通の自分で入れると、弱い所を見せてくれた事。
遊べば遊ぶほど惨めな自分が嫌になる。
だから人を信じたいから、ユリエに全てを
委ねると言ってくれた事。
誰も知らないトムを今でも1番知れていると思える自分が幸せ。
今はまだ、自信をもって、トムの事を理解してるNo.1だと言える。
今はまだ、別れて間もないから。
だからサインも分かる。
でもきっと、このサインを受けたくても受けられない時が来る。
トムか、私が、完全に何処かを見たら
周波数が変わるんだろう。
電波も受信、しなくなるだろう。
その日を望む反面、
辛くても今なお感じるサインに
すがりたくもなる。
でも私、トムをいつまでも
苦しめる訳には行かない事は分かっている。
今はただただ、私の中のトムを
静かに静かに消して行きたい。。。
そして会わなくても、会えなくても
ずっと誇れる関係でいたい。
トムが誰かと歩いて、優しい時間を過ごす事を
祈っているし、あの人の笑顔をもう一度見たい。
トム、ごめんね。。。
また私は弱くなりました。
あなたの大嫌いな私に。
もぉ少しだけ待って下さい。
必ず、必ずあなたから離れてみせるから。