Rainy day
私、ユリエ
30歳、独身
今日は雨が降っている
私は雨降りが大好きだ
嫌なことを全部流してくれる気がするから
でも今日の雨は大嫌い
私に似てる気がするから
私の心を見透かしてる気がするから
今日、初めて仕事に嫌気がさした
やりたい事が回ってこないもどかしさ
電話に出れば営業の方に代わって下さい
と言われる腹だたしさ
自分の企画を年功序列で取られる悔しさ
女だから事務員なはず、とか
家族があるから成績を上げる為に仕事を譲るとか
もぉうんざり
2ねんもこうたと息がつまりそうになる
いつもの私に戻りたくてユーカをカフェに誘って一息いれた
新しいイベントの翻訳をお願いした
やっぱり最高にリラックスできて
笑えたし、落ち着いたし、癒された
でも偶然にトムを見かけてしまった
確信はなかったけど、
彼女といる気がした
見る気は無かったけど
彼女のFacebookを見てしまった
ちゃんとアップされていた、トムとの写真
あのカフェはトム1人で過ごす大好きな空間で
彼女としか来たくない店って言っていた
そんな特別なカフェに
しかも遅くにあの子とあの場所にいた
同じデートか。
同じ笑顔を見せているんだ。
一気に気持ちが弱くなった。
実は今日、久しぶりにトムとの写真を眺めていた
こんな勇気が出たのも久しぶりだった
強くなった自分が嬉しかった
でも気付いたら、息をせずに、眺めていた
自然と呼吸が出来ていなかった
心はまだまだ緊張してるんだと
初めて知った
だけどトムの写真を見て
あんなぶっ飛んだ付き合いできるのは
私達だけと自信がもてた、少しだけ
だってあんなに笑ってつっこんで
バカ言い合って、素を、見せ合って
恋人であり、男友達みたいだった
だから今日の彼女の写真が辛かった
次に進んだことが悲しいんじゃない
思い出のカフェを汚された事が悲しいんじゃない
トムが私と同じ付き合い方をしてる事が
辛い
同じ笑顔を見せてると思う事が悲しい。
同じ愛し方、同じ空気感で接していると思う事が
苦しい。
彼女をもちろん愛するトムが大好きだけど
私と同じ愛し方をされる事が
何より辛い
私と過ごした時間が霞む位
私といた時と同じトムでいてほしくない
お願いだから神様。
雨の神様。
雨降りは大好きだから、
今日の雨、嫌いって言ったけど
やっぱりお願い。
寝ておきたら嫌なこと、全部流して下さい
沢山降らせて
明日は元気を下さい、雨の神様。
私はもう何も望みません
トムの事も彼女の事も
もう見ないしねたまないから
お願いだから
私から何も奪わないで下さい
友達も、希望も、奪わないで下さい
雨の神様へ
沢山の想いを、流して下さい




