第9話「新しい従業員 その3」
初の感想ありがとうございます!
正直かなりうれしいものなんですね、アクセス数やお気に入りとはまた違ううれしさがあります。
今後もがんばっていきたいと思います。
第9話「新しい従業員 その3」
「では、改めまして。クヨウ・キサラギです。よろしくお願いしますね」
「レナリンス・エンプレスですぅ、よろしくお願いしますぅ」
「え~と、ミリア・カーディナルよ、よろしくお願いします」
面接の結果の通知後、3人は店内で顔合わせをしていた。
「今日はとりあえず、仕事を教えるので2人に来てもらいましたが、基本的に1人ずつ仕事をしてもらう予定です。まぁ、出勤日が重なってる日は2人でやってもらいます。それと、1人ずつとはいっても基本僕もいますので、何かあったら呼んでください」
「『呼ぶ』ということは店長は店内にいないんですか?」
「ん~、僕のいる場所はそのときの気分です。店内で品物整理してたり、魔法具を作成してたりしてます。魔法具作成の時は奥にいますね」
「なるほど、わかりました」
「え~と店長さん~、このお店って魔法具も売ってたんですかぁ~?お姉ちゃんの話だと道具関係を売っている~というふうに聞いたんですけどぉ」
「ん~、まだ売ってないですよ。これから売る予定でいます」
「あ~なるほど~、わかりましたぁ~」
「では、仕事内容の説明をしますね」
こうしてクヨウは仕事内容の説明に入った。とはいっても、仕事内容は主に接客、品物整理等である。仕事の内容と商品の説明が一通り終わったところで、タイミングよく1人の女性が入ってきた。
「クヨウちゃんいる~?」
「あ、お疲れ様です、カティナさん」
入ってきたのはカティナ・ルーベンス。服飾の仕事をしていて、ラングランでもある程度名前が通っている。結構テンションは高めの女性である。
「お、その娘達が新人さん?可愛い子じゃない、クヨウちゃんもやるね~」
「ははは、外見で選んだつもりはないんですけどね。とりあえず紹介します。青色の髪でセミロングなのがレナリンス・エンプレスさんで、緋色の髪でロングなのがミリア・カーディナルさんです。え~とこちらはカティナ・ルーベンスさん、服飾の仕事をしていて、今回2人の仕事着を作ってもらう予定です」
「そゆこと~、レナリンスちゃんとミリアちゃんね、あたしのことはカティナでいいから。よろしくね」
「あ、はい。よろしくお願いしますカティナさん」
「はい~、カティナさん~、よろしくお願いしますねぇ~」
ミリアは若干カティナのハイテンションに押されていた。レナリンスは特に気にしてはいなかった。そしてレナリンスは何か思い出したように全員に話しかけた。
「あ~、皆さん~、私のことはリンスちゃんでいいですよぉ~、長いしぃ、お姉ちゃん達も~そう呼んでいますからぁ~」
「ん~、了解、次からはそう呼ぶね」
全員の紹介が終わり、カティナはリンスとミリアの服のサイズを測っていき、デザインに関しての要望を聞いていった。
「はい、これで終わりっと。服は10日後くらいには出来上がってると思うから、ちゃんと取りに着てね」
「ん~、了解。それではお願いしますね~」
「はいはい~」と言って、カティナは帰っていった。そして、時間はすでに昼近くにまでなっていた。
「ん~、もうお昼か~。昼食でもつくるかなぁ~。2人も食べるでしょ?」
「え、いいんですか?お願いできるならありがたいですけど」
「店長さんはぁ~、料理できるんですかぁ~?」
「気にしなくても良いよ。それと、自炊はしてるから料理はできるよ。じゃあ、13時に開店するから、それまで店内でも見ててね」
そうしてクヨウは奥に入って料理を始めた。クヨウは元々料理が好きな部類に入るのでそれなりに上手かった。そして、リンスとミリアは店内を見回っていた。
「ねぇねぇ、リンスちゃん。そののんびり口調はどうにかならないかな?なんかこう、調子が狂うというか、変な感じがするんだけど」
「え~、この口調ですかぁ~?昔からぁ~こんな感じなのでぇ~、どうにもならないですよぉ。ミリアさんは嫌でしたかぁ~?」
「あ~、別に嫌とかじゃないから気を悪くしたらごめんね。ただ、のんびり過ぎてこっちものんびりしちゃいそうでね?」
「あ~、でものんびりしたほうがいいじゃないですかぁ~?人生気楽が一番ですよぉ~」
「あははは~」とでも言い出しそうな笑顔でリンス答えた。ミリアも「これは無理かな~?」と諦めるのであった。
その後、クヨウの昼食を食べ、かなり美味しくて2人は若干落ち込んだりしたが、気を取り直しお店の準備を始めた。仕事ぶりはミリアが緊張してハプニングを起こしたが、特に目立った問題もなくこの日は過ぎていった。
「2人共ご苦労さま~、特に問題なさそうでよかったよかった」
「でも初日ですから結構緊張しましたよ~、あ~!おつりの間違えが悔やまれるぅ~」
頭を抱えてミリアは凹み、リンスはよしよしとミリアの頭を撫でていた。
「緊張は仕方がないと思うよ~、僕としてはなかなか微笑ましかったから楽しめしたし」
「う~、他人事だと思って~」
ミリアがジト目でクヨウを睨むが、若干涙目になっていたので、クヨウとして全く怖くなかった。というか和んでいた。そんなやりとりが終わったころに、レンヤが依頼を終わらせて帰ってきた。
「ただいま~、って・・・もしかして新しい従業員の子!?お~、可愛いじゃん~、クヨウ!よくやった!」
「帰ってきてすぐさまそれですか?まぁ、一応紹介しておきますね。一応副店長(仮)のレンヤ・アオイです」
「一応って言うなよ、それと、何で(仮)?」
「(笑)のほうが良かった?それにレンヤの本業はハンターじゃん」
「それも勘弁してくれ。まぁ固いこと言わないでさ、2人ともよろしくな」
レンヤの勢いに2人は引いたが、気を直し自己紹介をすませた。このあと、レンヤが暴走しかけるがそれは別の話。その後、リンスとミリアは帰宅していった。
「んで、クヨウ~、2人はどんな感じだった?」
「ミリアさんは意外と抜けてて面白かったなぁ。微笑ましいと言った方がいいのかな?まぁ初日の緊張もあったんだろうけどね。リンスちゃんは見た目に反してしっかりしてたなぁ、慣れてるのか緊張とは無縁なのかはわからないけど」
「ふむふむ、でもなぁ~、やっぱり俺的にはミリアちゃんかな~?なかなか可愛いし好みだし、クヨウはどっちがいいんだ?」
「何でそっちにいっちゃうのかな~?まぁいいか。ん~、僕的に?2人とも可愛いと思うよ。なんか和む」
「和むって親父臭いぞクヨウ。まぁいいか、どうせクヨウの枯れ具合はこんなもんだしな。俺も明日は店に出ようかな?」
枯れていると言われてクヨウは若干落ち込むが、言われっぱなしも癪なので少しは反論しておくことにした。
「枯れてるとは酷い言い様だなぁ~。まぁ、レンヤは店に出なくてもいいよ、邪魔だし。それに2人を雇った意味がなくなるしねぇ」
「なんでじゃ~!!!???別にいいだろ、なんだったら俺が仕事を教えるよ!だから俺も店に出る!」
「いや、もう仕事は教えたし、レンヤがいても邪魔になるだけだから、出なくていいよ。それに本業の邪魔しちゃいけないだろう?」
それでも店に出たいというレンヤをクヨウはばっさり切り捨てた。その夜、「なんでじゃ~~~!!!」という叫び声が店からしたという。
新キャラが何故か3人になってしまいました。まぁ、仕事着は大事ですよね?
キャラクターの外見はそこまで細かくは設定しないつもりなので、自由に想像(妄想?)してください。
それでは~、次回をお楽しみに~