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第33話「幻獣」

なんというか、勢いとノリだけで書く予定だった内容とえらく変わってしまいました・・・


予定通りに書くのって難しいですね・・・

第33話「幻獣」


ラングランを出て早1ヶ月ほど、クヨウ達はグランパレス国とムーンミラージュ国の国境沿いの街に来ていた。ここで手続きをして関所を通過しないと不法侵入になってしまうからだ。最も今は魔王関係で戦争に近い雰囲気になっているとはいえ、現在の各国間の関係は別に悪いものではないので、少々面倒な手続きがある程度である。ハンター等は特には必要ないのだが、商人はお金に関わることもあり、こういう手続きをすることになっている。

しかし、商人にとっては不利な条件ばかりではない。関所のある街にはどうしても商人が一時的にとはいえ必ず集まる。故にここでもかなりの物流が発生し結果的に1つの流通拠点になっている。なので、ここでもそれなりに商売ができるので、国境を越えない人も集まるようになるのだった。

また街の構造も少し変わっていて、関所の門を中心に左右に大きく分かれている。グランパレス側とムーンミラージュ側で町並みが激変する。意図してそういう作りになっているので、門を通過すると別世界にきたかのような錯覚を起こすのだ。


「へぇ~、話には聞いていたけど、結構大きい街なのね」

「あれ?サクラさんは来たことないの?」

「ハンターは国境を越えるのに手続きはいらないから。わざわざ関所を通るより、近いルートがあるのよ」

「まぁ、たしかにそっちのほうが簡単だね」


最初にクヨウ達は商人ギルドへ向かう。ここで街道の情報や、危険情報等を仕入れておかなければならないからだ。立ち入り禁止区域等があった場合はそこを避けなければならない。下手に立ち入ってしまうと、罰則が適用されてしまう。今回はそうした危険な情報は特になかったが、1つ奇妙な情報が回されていた。それは今まで見たこともないような動物の報告が多数あったのだ。人を見ると逃げるので、モンスターと違い危険性はない。なので、ギルドのほうでは特に重要視はされていないが一応気にはしているらしく、ギルドからの依頼も「無傷で捕獲」と出ていた。


「無傷での捕獲ね~、随分と難しそうだ。その割には安いけど・・・」

「危険はないけど、何かあった場合は大変だからね。こういう依頼は労力に報酬が合わない場合が多いのよ」

「まぁ、僕らにはあまり関係のない話だね」


一応ハンターのランク持ちとはいえ、一端の商人であるクヨウにはあまり関係のないことだった。動物を売買していれば話は変わったのであろうが、クヨウにはそのつもりはない。


商人ギルドを出る頃には夕方近くになっていたので、この日は宿をとって早目の休憩になった。クヨウ達の移動は徒歩のため、疲れをとておかないと次の日に影響が出てしまうのだ。普通商人は馬車で移動するのだが、改良した『異次元バッグⅡ』のおかげで荷物は全て手持ちで移動できるのである。

ちなみに、『異次元バッグⅡ』は初期のバッグを更に小型化させて、見た目は完全なショルダーバッグである。中は4m四方の空間になっているので、荷物は完全に収納可能であった。またこのバッグはまだ市場に出回ってはいないのである意味希少品でもある。


次の日、特に問題もなく関所を通過する。門を通過した2人は例に漏れず驚いていた。


「お~、話には聞いていたけど実際にみると違うね~」

「ムーンミラージュには何度も行ってるから、町並みには慣れているんだけど・・・ここまで一気にかわると流石に驚くわ」


とりあえず、気を取り直しこちら側でも宿を取る。明日からの旅の準備と街の見学のためである。


「随分徹底してるのね~、食べ物も完全にムーンミラージュのものになってるわ」

「なんかもう、完全に観光地になってるよね」


周りを見ると結構一般人が多い。2カ国共同の観光地にでもしたいのであろうか?そんな疑問も沸いて出てくる。その後、特に問題もあるはずもなく普通に街を見て回る2人だった。


「ん?」


ふと、クヨウは何かに気付き、路地のほうを見る。そこには何もなかった。


「どうしたの?クヨウさん」

「え?いや、そこの路地で白い物が動いたような気がしたんだよ」

「・・・・何もいなさそうね」

「多分気のせいかな」


改めて路地を見ても特に何もなく、忘れてそのまま街を見て回る。クヨウ達が過ぎ去ったあと、路地には白い動物がクヨウの方向を見ていた。


夕食後、宿に戻ったクヨウ達は部屋に戻るとサクラはそのままクヨウの部屋へ行く。サクラの荷物も異次元バッグⅡ1個なので、部屋に特に置いてある物はない。


「ん~、見事に食べ過ぎたね・・・・」

「でも、あの店美味しかったからね~。そういえば、ムーンミラージュ国は何処までいくの?首都まで行っちゃう?」

「必要があれば、だね。魔法具技術が最先端とも言われてる街だから、一度は行ってみたいしね」

「じゃあ、もう行くのは確定ね」

「サクラさんは行きたい場所はないんですか?」

「私?う~ん、元々ハンターで旅してて一通りは回ったからね~。あえて言うならヨーゼフさん?だっけ?のいる街には行ってみたいかな」

「あ~、一度ヨー爺(ヨーゼフの愛称)のところにもいかないとね~。連絡してあるから心配はしてないだろうけど、久々に顔もみたいしね」


その時であった。コンコンとドアがノックされる。


「??はい、なんでしょう?」


クヨウが返事をするが、何も応答がなく、サクラは瞬時に戦闘態勢になる。少々遅れてクヨウもスピッドファイアを構える。依然ドアが定期的にノックされているので、誰かがいるのは確定であるが何が目的かはわからない。クヨウが扉の前に進もうとした所をサクラが手で止める。そのまま先日作った通信用魔法具での会話に切り替える。


『クヨウさんはそのまま壁を背にして、扉に向かって構えてて。私が扉を開けるわ。間違っても扉の正面には立たないでね。合図したら撃っちゃって』

『了解、合図は任せるね』


流石にサクラのほうが場慣れしており、的確な指示をクヨウに出す。クヨウもサクラのほうが経験、実力共に上回っているのは十分承知しているので指示に従う。そして、いつ戦闘になってもいいように、いくつかの戦闘補助用の魔法具を発動させ待機する。

サクラが扉の横の壁を背にして、ドアを勢い良くあけると、そこには誰もいなかった。


「あれ?」


一瞬気の抜けたクヨウだったが、サクラが通信で直ぐに注意する。そのあと2人で廊下を見ても誰もいなく、ホッと一息入れドアを閉めようと部屋の中に向いた時であった。


「な!?」

「え!?」


ベットの上に白い狐のような動物が座ってクヨウ達を見ていたのだった。見た目は白い狐だが、良く見ると純白ともいうべき毛皮を纏い体の左右に顔から尻尾の先まで一本の青い横線が入っており、尻尾は3本ある。そして目が青い。

クヨウとサクラは一気に緊張し、構える。何故ならいつ部屋に入ったのかがまったくわからなかったのだから。窓が開いていないので恐らく扉を開けた時に入ってきたのであろうが、あの瞬間ドアの外を注視していた。にもかかわらず部屋に入ったことさえ気付かなかった。

この動物がその気ならクヨウもサクラでさえも生きてはいないであろう、なので危害を加える気はないのかもしれない。しかし、まったく安全というわけでもない。正体不明の動物が放つ威圧感に、クヨウは今にも逃げ出したい衝動に駆られるが、なんとか冷静を保ち動物を見る。そしてふと思い出す。路地で一瞬見えた動物はこいつだったのでは?と。

一方サクラはどう対応していいか、決めかねていた。ここまで実力差がはっきりとしていると、襲われた瞬間に2人ともやられるのが目に見えている。かといって、サクラとしてはクヨウだけでも逃げて欲しいが、頼んでもクヨウは逃げないだろうし、下手をすると逃げるほうから仕留めにかかる可能性もある。

自分がなんとか抑えられればいいが、どうにもできる自信がない。不甲斐なさに泣けてきそうにもなるが、今は目の前の動物に集中するしかなかった。


そして、2人にとっては長い数分間の硬直状態が続き、先に動いたのは動物のほうであった。


「ほほう、ここまで動かないのは珍しい。じゃが、なかなか見込みがありそうじゃのう」


動物が威圧感を解いた瞬間喋りだしたのでクヨウもサクラは一瞬混乱する。そのあと2人揃って・・・


「「しゃべった!!??」」

「ん?なんじゃ?ワシがしゃべるのはおかしいのか?」

「いえ、でもまさかしゃべるとは思わなかったので・・・」

「貴方は一体何者なの?」


クヨウは若干警戒を解いたが、サクラはまだ警戒を解いていない。まだ、この動物の真意が見えてないないからだ。


「そう構えるな・・・・といいたいところじゃが、警戒させたのはワシのほうじゃからのう。まあよい、そのまま話を聞いてもらうのだが・・・」


動物はそのまま部屋の中に結界を張る。防音らしく、外には聞こえて欲しくないようだった。


「ワシは一般には幻獣と言われておる存在じゃ。お主らを取って食うつもりはないから安心せい」


一般的に幻獣に関しては基本的に分かっていない事が多く、一部の人には御伽の存在ではないかとも言われている。しかし、歴史の節目などに目撃されて、場合によっては助言や予言を受けることもある。文字通り、『幻』のような存在なのだった。


「・・・・そうね、貴方がその気なら私たちはもう死んでるし、信用しましょう。クヨウさんは?」

「僕も信用するよ、動物がしゃべるのは人以外だと初めて見るし。そういえば、ここ数日目撃されてた白い動物は貴方ですか?」


良く見るとかなり綺麗な毛並みだ、抱きしめると気持ちいいかな~?とサクラが思っていたりもする。


「ふむ、そりゃ恐らくワシじゃな。まずは自己紹介をしておこうか。ワシの名はトワという。白面狐光ハクメンココウという種族じゃ。もっともワシ以外では2,3匹しかいないがのう」

「僕はクヨウ・キサラギです」

「私はサクラ・イザヨイよ。それで、トワさんは一体何のご用件ですか?」


流石にサクラも警戒を解いてはいるが、さっきとは別の意味で緊張している。話にしか聞かない、しかも御伽のような存在が目の前にいるのだ。緊張しないはずがない。


「ワシの要件は簡単じゃ、そこの男を見に来ただけじゃよ」

「・・・・僕ですか?なんでまた?」

「異世界よりの訪問者じゃ、それに『引き鉄』になった奴が気になっての」

「あの~、『引き鉄』ってどういうことですか?」

「ん?なんじゃ、管理者からは何も聞いてないのか?」


そういわれて、この世界に移動したときの事を思い出し・・・完全に忘れたようだった。


「そんな、数年前のことを言われてもなぁ~・・・・ん~、たしか・・・暇だとか言ってたような?」

「随分適当なのね、その管理者って」

「暇か・・・・あながち間違っていないのじゃが。まぁ、当たらずとも遠からずって感じじゃな」

「8割合ってれば合格でしょう?」

「クヨウさんテストじゃないんだから・・・・」


クヨウのずれた認識に、サクラとトワが呆れる。しかし、流石に数年前の会話を覚えているのは難しいので、仕方がないと思うことにする。


「まぁよい、速い話お主は池に投げ入れた小石じゃな。普通なら波紋が少し広がってそこで終わりなのじゃが、生憎その池は莫大な広さと微妙なバランスので成り立っていたのじゃよ」

「つまり、管理者はクヨウさんを世界に招き入れることで何かをしようとしているの?」

「それは違う、何故ならもう起こっておるじゃろ?色々とな」


ほっほっほと笑う白い狐は若干シュールな絵になっていたが、クヨウとサクラは気にしないことにする。何故なら妙に似合ってもいたからだ。それはともかく、トワのいうことが本当なら、最近の異常等はすべて管理者の仕組んだことということにもなるが、管理者がそこまでやる理由が分からなかった。暇つぶしといわれれば、そこまでなのだが、暇つぶし程度でそこまでするかどうかは疑問に思うところではある。


「僕が全ての原因ということになるんですか?」

「ふむ・・・・それはちと違うのう。お主はあくまで『切欠』であり『原因』ではないのじゃ」

「え~と、何が違うの?」


クヨウもサクラもイマイチわからなかった。しかしクヨウは、とりあえず最近の異常が自分のせいではないということだけでも一安心だった。


「まぁよい、最初から話そう。数百年前、この大陸全土を巻き込む戦争が起こった。エルフやドワーフ等の種族が連合した人と魔王との戦争じゃな。侵略戦争というか、生存競争というべきかはわからぬが、勝ったのは人のほうだった。

しかし、戦争は100年単位で行われたためどの種族も疲弊しておった。人、動物問わずじゃ。その戦争を教訓に各国の長は平和への協定を結び国力や戦争の傷跡の回復に努めていったのじゃ。しかし、もう1つ疲弊しているものがあった。それは世界じゃ。長い戦争で世界も疲弊しており、そのせいで限りない平穏を望んでしまったのじゃ。

通常、世界は平穏を望んでいるが、それは弱肉強食などのバランスの取れた平穏じゃ。そうでもしないと世界自身が退化してしまうでのう。じゃが、限りない平穏を求めなければならないほど世界は疲弊しており、世界中で平和な状態になった。

その状態が200年くらいかのう?続いたのじゃが、世界は一向に動く気配がなかったのじゃ。世界自身は既に回復しておるし世界中ですでに戦争は過去のものになっている。戦争の傷跡も癒えているのだが、世界は変わらず限りない平穏を望んでいた。

いや、限りない平穏に慣れてしまいそれが普通になってしまったのじゃ。そのままいけば世界が退化してしまう、世界の退化は世界の滅びと同義じゃ。故に、管理者がお主をこの世界へ招きいれることによって刺激を与えて、変化を促したのじゃ」


クヨウとサクラは驚きすぎて声を出すどころか、動くこともできなかった。まさかクヨウ達がきたのにはそんな事情があるとは思わなかったからだ。最初に言った『暇』の意味がここに来て漸く理解できる。しかし、まさか『暇』の意味の中に世界の滅びの危機なんてものがあるとは普通は思わないだろう。


「ふう、久々の昔話も楽しい物じゃ。すまんが茶をもらえるか?咽が渇いての」

「え?あ、はい。ちょっとまってくださいね」


クヨウは手早く3人(?)分のお茶を用意する。勿論、瞬間湯沸かし器でお湯を用意してから茶葉でお茶を入れる。瞬間湯沸かし器はクヨウの作った魔法具で、温度調節から、文字通り1秒にも満たない時間で冷水をお湯にできるクヨウの自信作である。


「うむ、うまい。しかし、なかなか面白い道具じゃの」

「僕の自信作ですからね。リュミエールに戻ったら売り出す予定ですよ」

「ほう~、便利じゃのう・・・・こんな機能まで・・・」


世界の話より、瞬間湯沸かし器の話で盛り上がるクヨウはやはり所帯じみている。サクラも「まぁ、確かに便利なんだけどね~」と先程の驚きが冷めてしまい、完全に脱力していた。なんとなく「他に盛り上がる話題があるでしょう」と突っ込みを入れたくなったのは気のせいではない。


「お主なかなか見所があるのぅ。しかしなぜ、その力を武器にしないのじゃ?」

「武器に?」

「うむ、効果を限定的にして便利道具にしているが、やりようによっては凶悪な武装にもなるはずじゃ。なぜそうしないのじゃ?」

「僕の世界では・・・特に僕の住んでいた国は基本的に平和なんですよ。なので、人を殺すどころか動物を傷つけるのもしない人たちばかりですし、そういう教育をしています。

こちらの世界とは常識事態が違いますからね。でもまぁ、強力な武装がないわけじゃないんです。それこそ爆弾1つで国が吹っ飛ばすこともできます。もし、あっちの世界で世界的な戦争が起きた場合は=世界の滅びになってしまうんですよ。そのイメージが強いのであまり派手な武器は作りたくはないですね」


サクラはそれを聞き驚く。サクラの知っているクヨウはモンスターや盗賊なら普通に撃ち殺している。こちらの世界ではある意味聖人とも非常識人とも思えそうな人間ではない。


「でも、クヨウさんは普通に戦っていたじゃない?」

「ん~、あれはヨー爺の教育の賜物だね。流石に初めて人を殺した時は吐きもしたし、悪夢でうなされた事もあったよ。でもまぁ、慣れ・・・と、あとは覚悟のおかげかな。それでもレンヤと2人で散々苦労したんだよ」

「そうなんだ~」

「ほっほっほ、殺しを慣れるとはお主もなかなかの外道じゃのう」

「別に奇麗事を並べるつもりはないですよ。ただ僕はこの世界で生きる覚悟をしたんだ。自分の身や大事な物を守るためなら殺しも厭わないよ。まぁ、進んで人殺しをするつもりもないけどね」


クヨウも別に後ろめたいことはないので、当然だと言い張る。国が変われば法が変わるし、人が変われば常識が変わる。それに適応しなければ、生きていくのは不可能である。だから、それに適応していった。つまりはそういうことである。


「いい目じゃ、うむ気に入ったぞお主。あ~、クヨウと言ったなお主の名は覚えておこう。ワシはなこの近くの山にの中腹に住んでいる。気が向いたら遊びに来るといい歓迎するぞ」

「近くの山??・・・・もしかしてエルスン山脈のこと???広すぎよ!中腹なんて適当に言われてもわかるわけないじゃない」


エルスン山脈はグランパレス国とムーンミラージュ国の国境にもなっている山脈で、この世界でも有数の高さを誇っている。つまり、『山の中腹』程度の説明で動物の棲み処を探し出せるほど狭くはない。


「む、そういえば人間には無理じゃったか。ではこの石をやろう」


そういって、トワの前に勾玉らしき綺麗な純白の石が出てきた。


「この石を持って山の麓へ来るといい。ワシの住処へと辿りつけるじゃろう」

「へ~、綺麗な石ね」

「なんか、不思議な感じの石だね。まぁ、首飾りにでもしておこうかな」


クヨウはそのまま、勾玉を首飾りにつける。


「ついでに、これもやろう」


クヨウの目の前に不思議な銀色の玉が現れる。直径10cm程の大きさの真球であった。


「これはなんですか?」

「それはワシら白面狐光の卵じゃ、お主の魔力を吸って大きくなるじゃろう。持ち主の魔力によって性格と多少だが体の模様が変わるからのう。どんな子が生まれるか楽しみじゃわい」

「「ええ~~~~!!!!!!」」


クヨウとサクラが驚くのも無理はない。いきなり幻獣の卵を渡されたのだ、何処の国でも国宝扱いされるほどの物である。先程トワは「ワシ以外には2,3匹しかない」と言っていたので多くても4匹しかいないのだ。扱いも自然と丁寧になる。


「随分とまぁ・・・なんというか、大盤振る舞いですね」

「それだけクヨウを気に入った、ということじゃよ。では、そろそろお暇するかの。もういい時間じゃし、いつまでも2人を邪魔するのも悪かろう」

「へ?」

「え!?ああ、いやその・・・」


クヨウとサクラの顔は一瞬にして真っ赤になる。


「ほっほっほ、なかなか初心でよろしい。しかし~、今日くらいは大胆になってもいいんじゃないかのう?ほっほっほ」


完全にトワにからかわれている2人であった。その後散々いじられ、トワが帰った後は完全にお互いを意識してしまいどうにもならなくなっていた2人が残されていた。


今回は結構なネタバレになってます。もっと後にする予定でしたが・・・そこはノリでつい・・・


ちなみにこの後の2人の行動は皆様の豊富な想像力にお任せします。


では~、次回をお楽しみに。

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