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第32話「現状把握」

今回はあまりストーリーとは関係ないです。


題名そのまんまです。まぁ、大分成長してて、このくらいならできますよ~というのがわかれば幸いです。

第32話「現状把握」


クヨウとサクラがラングランを出て数日が経った。一応指名手配がされてないかどうか不安ではあったが、ギルドマスターであるソルドがなんとかしてくれたのであろう、特に問題はなかった。

特産品になりそうなものは道具屋を開いていたときの情報で確認済みである。勿論、現地で見ないとわからないものはあるがオリジナルの魔法具と一緒に細々とではあるが行商として稼ぎをあげていた。


「ん~今日もそこそこの収益確保、といったところだね」

「魔法具だけでもいけると思うけどなぁ」

「それだけだとつまらないじゃない?特産品漁りはなかなか楽しいでしょう?」

「まぁ、それもそうね~。ところでさ、クヨウさん。前から気になってたんだけど・・・魔法具生成能力だっけ?どこまで創れるの?」


その質問にクヨウは詰る。何しろ本人もあまりよくわかっていないのだ。既に冒険者には必須になるであろう魔法具の生成には成功しているので結構高い技術レベルにはなっていると思うのだが、限界地点はあまりわからなかった。


「どうなんだろうね~、僕自身よくわかってないからなぁ・・・何かで試そうにも明確な基準があるわけでもないし・・・」

「基準ね・・・・そうだ!いいのがあるよ~」


サクラが何かを思いつき、そのままクヨウを引きつれ魔法具店に入っていった。そこそこいい店らしく、品物は初心者ハンター用から中上級者ハンター用までそろっていた。クヨウも店内に入ると漸くどういうことか察しがついた。


「ん~、高そうな物は・・・っと。すいません~、これはどういう効果があるんですか~?」


サクラが見つけたのは古そうな2組の指輪であった。値段は1000万ゴールドする。店員がいうには2組の指輪をそれぞれ別の人物が装備することにより、物理的な距離に左右されずに会話が可能になる魔法具であるということだった。クヨウは「携帯電話みたいなもんか~」と軽く考えているが、魔力だけでそれを実現するのはかなり難しいことであった。


「準アーティファクトクラスね。じゃあ、これは??」


そんな調子でサクラはどんどん品物の効果と値段を聞いていった。クヨウもやることは予想がついているので値段と効果を把握していった。その後、宿を取りいくつか魔力の篭ってない装備品を並べた。安い値段の効果から順々に試していき、結局全ての魔法具を作る事ができた。


「案外簡単だったね。あの指輪の効果は試してないけど今の所問題なさそうだし」

「いずれ使う機会もあるんじゃないかな?装備してれば、少なくとも逸れる心配はないでしょう?」

「そうだね、常時つけておこう。いざという時に使えないとね」

「ふふふ、そうね」


妙にサクラが嬉しそうだったか、よくわからなかったのでクヨウはスルーした。しかし、とクヨウは疑問に思う。今まで一部を除き生活用や旅人用など戦闘には関係ないものを中心に作ってきた。これを戦闘向けにした場合どこまで創る事ができるのかと。どこまで『凶悪な武器』を創る事ができるのか・・・・そう考えると自分の能力を恐ろしくも思うが、武器は所詮武器である。それは師匠であるヨーゼフにも言われたことだった。


『武器は対象を傷つけるためにある。それは武器の存在意義であり、それは誰にも否定できない真実である。しかし、武器はどこまでいこうとも武器である。それが人を傷つけるか守るかは使い手次第。だから武器を否定するな、恐怖を抱くな。』


クヨウは師匠の言葉を思い出し、自分を戒める。それと同時にチャレンジしてみようと思う。どこまで創れるのか・・・と。


「じゃあ、武器をちょっと作ってみようかな」

「へぇ~、珍しいねクヨウさんが武器を作るの」

「ちょっと試したくてね。ここら辺で剣とか刀って売ってるところ分かります?」

「あ、それはこっちよ。ところでさっき作った魔法具はどうするの?指輪以外は使わないんでしょう?」

「あ~、他の町で売りますよ。ここで売るのもね」


そういって、2人は武器屋へ行き、素材の良さそうなものを買い揃える。刀と剣と槍を数本買った。目指すは某ゲームの宝具だ。効果は基本的に同じにする。リスクも同じ。どこまで再現できるか・・・・


「がんばったよ、僕も。うん、がんばった、けど・・・・そりゃ無理だよね~・・・・」


結果惨敗。少し考えればわかることではあったのだ。端的に言えば、素材の差だ。伝説上の武器は大抵(例外もあるが)特殊な素材で出来ている。中には神が創り、星が鍛えた武器なんて物もあるのだ。それをそこらの一級品とはいえ、鋼鉄や安物のミスリル程度で再現しようというのが土台無理な話だったのだ。大抵の物は魔力に耐え切れずに砕け散っていた。なんとか耐え切った物もあったが、能力発動の瞬間に砕け散ってしまった。


「でも、逆に言えば素材さえあればできるってことよね?」

「まぁ、そうなるね」

「じゃあ、素材がありそうなものを作ってみたらどう?それなら再現できるのよね?」

「そうだね~、気分を変えるためにもそれでいこか~・・・・」


簡単なことに気付けず、クヨウは結構落ち込んでいた。とはいえ、いつまでも落ち込んでいないで、まずはできそうな素材を思い出そうとするが、思い出せない。普通、武器の名前や効果が分かっても素材は知らない。そこまでクヨウもマニアではなかった。


「ん~、結局わからないね。どうしようか~・・・っと、そういえば1個あったな」

「なにか思い出したの?」

「確か、刀で出来るやつが1個あった!」


結局使わず、バッグの中にしまっておいた刀を取り出す。そして魔力を込める。そして、それは完成する。


「できた!あとはちょっと効果を試したいんだけど・・・・宿でするわけにもいかないね・・・」

「今日はもう時間があまりないから、明日ギルドで簡単な依頼を受けましょう。森へいければいいよね?」

「そうだね~、今日はここまでにしておこうか。疲れた疲れた」


クヨウはばったりベットに倒れる。意外と魔力より精神的に疲れるようだった。


「クヨウさんの能力が段々反則染みてきてるよね・・・あ、最初からかな?」

「ん~、それでも数年間、毎日鍛えてるんだからそれくらいのメリットがあってもいいんじゃないかな?」

「それは・・・確かにそうかもしれないね。そういえば、レンヤさんは無事でいるかな?そろそろSランク位に強くなってるといいんだけど」

「どっかで、適当に何かやってるんじゃないかな?そういえば、レンヤって才能あるの?とりあえず、身体能力だけでもかなりになるはずだけどさ、技術もないと上には上がれないんでしょう?」

「レンヤさんは結局経験が足りないだけだからね、それを補えれば私よりは強くなるはずよ」

「まぁ、僕からしてみればどっちも強すぎてよくわからないんだけどね~」

「何言ってるの?クヨウさんも実のところAランクの実力はあるわよ。魔法具を使いたい放題にしたらSにもなれるんじゃない?」


実のところ魔法具の能力はすでに一般レベルを超える物が作れる。ちょっとした訓練をすればクヨウも実はSランクもそう遠くはないのだった。クヨウ本人はその自覚が全くないため、少々唖然としたが、一番最初に能力を貰ったときに考えてたことがやっとできるとなると、乗り気になってきていた。


「ん~、そうだな~・・・・ちょっと指輪とかそろえてみるかな・・・」

「クヨウさん?今度は何をする気?」

「ん~とね~・・・・・・・ってことをしようとね。一番最初に考えたことなんだよ」

「完全に反則レベルね。まぁいいけど。良さそうな物があったら、私にももらえる?」

「ええ、いいですよ。そこまで数は増えないでしょうし」


指輪やその他につける能力は現地で調整しつつ、つけることにしたその日は何か面白い能力はないか考えて終わっていった。



次の日・・・・


「え~と・・・・サクラさん?これ簡単な依頼なんですよね?」

「そうよ?みるからに簡単じゃない?」

「僕からしてみれば強敵が沢山いるように見えるんですけど・・・」

「強敵?唯の雑魚モンスターじゃない、余裕よ余裕」


クヨウとサクラは朝早くにギルドへ行き簡単な依頼を受けたはずであった。少なくともサクラはそうである。しかし・・・


「リザードマンは普通に強いですよ!こいつら倒すのはAランク以上ですよ!」

「大丈夫大丈夫、クヨウさんならいけるって」



依頼を選んだのはサクラである。Sランクであるサクラにとっては、リザードマン等は雑魚と変わらないが、Aランクにもなっていないクヨウにとってはかなりきつい相手である。サクラは平然とリザードマンと戦っている。3対1だろうが4対1であろうが差ほど変わらないくらいだ。それに対し、クヨウはなんとか逃げつつスピッドファイアで応戦している。刀を使う余裕はなかった。しばらくしてリザードマンはほぼ全滅。7割をサクラが倒し、2割をクヨウが倒した。残りは逃げてしまった。


「依頼は完了~、どう?クヨウさんだって無傷じゃない」

「はぁっはぁっはぁっ・・・余裕どころか、こっちは・・・必死・・・ですよ・・・」

「う~ん・・・ちょっとやりすぎかな?」


クヨウは「ちょっとじゃない!」と反論したいところだったが、生憎息を整えるので精一杯であった。

「仕方がないなぁ・・・・あ、私がその刀を使えばよかったのか・・・ねぇクヨウさん、私でもその刀使える?」

「ふう、え?あ~、使えますよ。魔力量が足りなくなるかもしれませんが、やってみますか?」

「うん、使ってみる。使い方を教えてもらってもいいかな?」


クヨウは口で説明する前に一度何もないところで実演してみる。


「いきますね~・・・・『つばめ返し』!」


クヨウが刀を振ると同時にもう一本斬撃が起こった。普通ならあり得ない現象だった、事実サクラはかなり驚いている。


「クヨウさん?今どうなったの?なんか、同時に2回斬ったよね?」

「本当なら3回同時攻撃なんだけど、2回しかでなかったか~、失敗だな・・・・わかりやすくいうと、3方向からの同時攻撃です。ゲームの中では多重次元屈折現象って言ってたかな?元は技だからなぁ~、使っている武器が名刀とはいえ素材が鉄だからいけると思ったんだけどなかなか上手くはいかないね」

「それでも十分強いんだけどね・・・・素材、か・・・此花咲夜でやったらできるかな?」

「できるかもしれないけど、最悪刀がダメになっちゃうよ?」

「まだ確証がないから無理か~」


「残念だ~」とサクラが言っているが、どことなくあきらめた様子はない。元々やる気がないのか、確証ができたらやるつもりのどちらかであろう。この後、クヨウが持ってきたアクセサリーに戦闘用の能力を付加してサクラとの模擬戦を延々と繰り返しクヨウが死にそうになっていた。



つばめ返しはできるようにしてもよかったんですけどね~、どうもチートにはしたくないので、完全にはできないくらいにしておきました。

正直能力はリスクがあってこそ効果が上がるイメージが強くて、ノーリスクはあまりしたくはないですね。ギャグ補正は別です。


次からまたストーリーを進めようと思います。


闇の皇子様感想ありがとうございます。おかげでいいネタを思いつきました。



では~、次回をお楽しみに~

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