第3話「道具屋 リュミエール」
USBが死んで、設定資料が消失してしまいましたorz
それでもなんとかがんばって生きていこうと思います。
第3話「道具屋 リュミエール」
「長かったな、レンヤ。ようやく開店だよ」
「そうだなぁ、やっとあの地味な作業が報われるのか・・・」
クヨウとレンヤは感慨深く店内を見ていた。ここに来るまでに、異世界に着てからすでに2年以上経過していたからだ。
異世界に来た2人はドワーフ族のヨーゼフに拾われていた。
ドワーフ族は街で暮らすことも多いがヨーゼフが住んでいたのは洞窟の中の集落であった。
一般的にドワーフ族は職人族とも有名であり物作りを得意としていた。また洞窟などに集落を作ることも多く、集落を守るために戦闘も得意としている。
そこで2人はヨーゼフに弟子入りし、物作りとサバイバルの訓練を受けていた。ヨーゼフもかなり高齢になるが、本人曰く「孫ができたようだ」とノリノリだったという。
約2年ほど経って、1人前になった2人はヨーゼフの知り合いの伝で何かの店を開くことになった。
そして、グランパレス国の首都「ラングラン」にて道具屋を開いたのだった。
「ん~、手続きから、品揃えと流石に大変だったな。これからはゆっくりできるだろう」
「だといいんだが、もう回復薬を作るのはごめんだよ」
「あれが一番時間食ったからねぇ、まぁ、あとは僕がやっておくよ」
「俺の仕事は薬草等の回収くらいだな・・・やっとまともな冒険ができる」
いくら伝で店を開けるといっても、すぐにできるわけではない。役所や商人ギルドの登録から、商品の用意など等やることが山ほどあったのである。
ヨーゼフの元で訓練していたときに稼いだお金とヨーゼフからの餞別があったとはいえ、簡単にお金を使うわけにはいかない。
また、クヨウの考え出したオリジナルの商品を作るにあたっても手間がかかっていた。
「ん~、僕はこのまま店番しているけど、レンヤはどうするの?」
「俺も初日は店にいるよ、店番に慣れないとな」
そして開店後・・・1時間経過したが、誰もこなかった・・・
「暇だな、クヨウ」
「ん~?初日だしね、流石に簡単にはいかないよ」
店の中でレンヤは商品の確認をしていたが、流石に時間潰しにもならず、暇をもてあましていた。一方、クヨウはヨーゼフの所で店番をかなりしているので慣れていた。
そして2時間ほど経過したあと、4人程の冒険者のパーティがやってきたのだった。
「店長~、回復薬10個と毒消し薬を5個と・・・・あと何が必要だっけ?」
「それくらいでいいんじゃない?そこまでは減ってないでしょう」
「はい、回復薬10個と毒消し薬を5個ですね、少々お待ちください」
待ち疲れたレンヤとは違い、クヨウは楽しそうに対応していた。
「すいません店員さん、この『ポーション』ってなんですか?」
「あ~っと、確か回復薬より効果の高い薬・・・で、あってるよな?」
「レンヤの説明はずいぶん大雑把だねぇ、間違ってはいないけどね」
「あっ、でも値段が回復薬の倍だ。ちょっと高いかな~」
回復薬の相場がだいたい100ゴールド前後に対し、ポーションは200ゴールドになっていた。普通に考えると高いとも思える。ちなみに、お金は1ゴールド1円くらい。
ポーションはクヨウが作ったオリジナルの回復薬で、傷にかければ初級の回復魔法なみに回復する。飲めば体の活性化を促し、再生力が上昇する。
「ん~、初級の回復魔法並みの回復力を実現させたので、少々値が張っちゃうんですよ。はい、お待ちどうさまです。1250ゴールドになります。」
クヨウは説明しつつ冒険者に商品をわたした。
「へぇ~それはすごいなぁ、はいどうも。」
「1個ポーションを入れておいたので試しに使ってみてください」
「あ、ほんと!?ありがと~、気になってたのよね~」
冒険者たちは興味津々だったらしく上機嫌で店をでていった。
このポーションが色々と波乱を起こすことになるとはクヨウも思っていなかった。
このあとチラホラと知り合いのハンターがやってきてこの日の営業は終了した。
その日の夕食は開店祝いとして結構豪華にしていた。
「「かんぱ~い」」
「いやぁ自分の店だとなかなか新鮮だったねぇ~、やっぱり趣味が実益になるのは楽しいね~」
「クヨウはアクセサリーやアイテム作りは本当に楽しそうにやってたからなぁ。そいや、例のアレは完成したのか?」
「ん~?ああアレね。うん完成したよ、次の休みにでも試そうと思ってる」
「そりゃ~楽しみだ、どうせなら何か討伐依頼でも受けるか?」
「そうだね、たまには訓練しておかないとね」
実は2人とも店を始める前にギルドにハンターとして登録してあったのだ。生活費を稼ぐために結構な依頼を受けていて、ランクも初期のGランクからクヨウはDランク、レンヤはCランクまでに上がっていた。
「さて、明日にそなえて、僕は早めに寝ることにするよ」
「はいよ、おつかれさん~」
「おやすみぃ~」
こうして初日は無事終了していった。
次の日、レンヤが二日酔いになったのはご愛嬌。
やっと始まりました、事実上の本編です。
例のアレは次の話で出す予定です。