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第26話「新しい日常」

キャラが一部入れ替わって、再スタートといったところでしょうか。


今後はもちょっと他の種族のキャラを出していきたいですね。

第26話「新しい日常」


クヨウ達がラングランに帰ってきてから数日後、レンヤが旅立つ日になった。必用最低限の荷物を異次元バッグに詰め込み、バンガードさんに作ってもらったミスリル製の手甲を装備している。


「じゃあな、皆元気で」

「気をつけてな。生きて帰ってこいよ」

「レンヤさん、これを」


サクラがレンヤに手紙を渡す。それは紹介状である。もしオオヤマ国にいくことがあれば、それを見せれば少なくとも不振人物扱いはされないとのことであった。


「サンキュー、できればラブレターのほうがよかったんだけどな~」

「じゃあ、紹介状は破棄しますか?」

「いやいや、冗談冗談。ありがたく貰っておくよ。それじゃあ、いってきます!」

「「「「いってらっしゃい~」」」」


軽い挨拶のあと、レンヤは旅立っていった。少々騒がしいレンヤがいなくなったが、かわりにサクラが入ったので楽しくはありそうである。


帰ってきた当日、サクラはリュミエールで雇って欲しいとお願いをしてきた。ミリアとレナリンスは元々知っていたので驚かなかったがクヨウとレンヤは驚いていた。元々の用事というのがこれであったのだ。しかも、ギルドとバンガードからの紹介状つきである。断るほうが無理な話だ。もっとも、クヨウは断る気はなかったが。

住居はミリアと一緒に住むことになった。サクラは最初、住み込みでもいいと思ってたらしいが、流石にそこはミリアとレナリンスに止められた。ほとんど同棲になるので、流石にそれはどうかというものだ。もっともサクラは気にしてなかったが、その辺の常識には疎いだけであった。

実際、ミリアの説明を理解しきると顔を真っ赤にしていた。ただ、ぶつぶつと「それはそれでも・・・」となにやらつぶやいていたらしいが、詳しいことはわからない。

それと、クヨウとレンヤの秘密(異世界の出身やら、能力やら)はその日のうちに話した。すでにミリアとレナリンスにも話してあるし、身内になるなら隠すつもりもなかったからだ。

サクラを雇う準備とレンヤの旅準備で若干慌しくあったが、無事完了し、今日を迎えたのだった。


「さ~て、今日も1日がんばりましょうか~」

「そうですね~、やっと服も届いたし、やっと私もちゃんと店番できますから」

「僕が教えることはもうないから、ミリアさんとリンスちゃんにあとをお願いしていいかな?」

「大丈夫~ですよ~、サクラさんは~しっかりしてますから~」

「僕は奥で魔法具作ってるね。今日もしかしたら、カレーさんが来るかもしれないから、来たら教えてもらっていいかな?」

「もしかして、あのバッグの商品化ですか?」

「うん、術式も完全になったし。安定して売り出せれるからね」


あのバッグというのは、旅に出る直前に完成した「異次元バッグ」のことであった。見た目が中型サイズでありながら、異次元空間に接続することにより2m四方の空間を扱える便利アイテムである。そのうち小型化や空間の増大を考えているが、まだ作るつもりはなかった。


「それじゃあ、よろしく~」


そういうとクヨウは奥へ入っていった。残された3人は仕事内容を確認、分担しつつ雑談をしているのであった。


「あのバッグはすごいよね、重さも関係ないし。本当にクヨウさんの能力って反則モノね」

「そういえば~、クヨウさんが~「こんなのあったらいいな~」ってアイデアがあったら~何でもいってね~、といってましたね~」

「いいね、それ。今度何か作ってもらおうっと」

「そういえば、私たちも何か作ってもらう予定だったね。旅の途中だったからすっかり忘れてたけど」

「私は~覚えてましたよ~。まだ~いいアイデアが~ありませんけど~」


女性が3人もいれば話題は尽きることがないらしい、お客がくるまで雑談がとまることはなかった。


「おはようございます、店長さんいますか~?」

「「「いらっしゃいませ~」」」

「おや、新しい人を雇ったんですね。美人さんが多いなぁこの店は。来るのが楽しみになっちゃいますよ」

「店長ですね、今呼んで来ます」

「カリィさんですね、初めましてサクラ・イザヨイといいます。今後ともよろしくお願いしますね」

「カリィ・マルゼフです。こちらこそよろしくお願いします。これだと新しい従業員はもう増えそうにないですね~」


カリィが聞いた所でも、リュミエールの求人がないか調べる人は結構いるらしかった。給料もいいし、従業員用の服装に人気があるらしい。サクラは内心「ラッキーだったなぁ~」と思うのだった。


「3人で~、十分楽できますからね~。これ以上増えても意味ないですし~」

「おはようございます、カレーさん。わざわざすみません~」

「いえいえ、クヨウさんのおかげで最近は新商品が沢山出回るようになったので私も楽できますから。それと、私はカリィです」

「まぁ、いいじゃないですか~。それで今回の新商品なんですけど・・・・」


そこから異次元バッグを取り出し、話を進める。説明を聞いているカリィにとっては驚きの連続であった。3人の女性陣はそれを面白おかしく見学していた。


「ポーションの時もそうでしたが、よく思いつきましたね。というか良く作りましたね」

「たまたまというか、偶然できちゃったものでね~、あははは~」

「これも確実に売れますね・・・・というか旅人には必需品じゃないですか?これ」

「この間の旅で実際使いましたけど、このバッグのありなしで、手間が相当変わりますね」

「下世話な話になりますけど・・・・一体いくら儲ける気ですか~?」


すでに、ポーションの売り上げだけでもかなりの贅沢はできる額になっていた。その上、このバッグである。カリィが気になったのも無理はなかった。


「僕としてはそれなりに儲けれればいいかな~?くらいだったんですけどね~」

「もう既にそれなりじゃないですから。そういえば、この店では魔法具は売らないんですか?」

「小さい物を少々売るだけですよ、大きいものは置くのも売るのも大変ですから」

「ちょっとした、アクセサリーくらいですか。クヨウさんならそのうち『アーティファクト』くらいのものを作っちゃいそうですね」

「流石にそこまでは無理ですよ~」


『アーティファクト』とは魔法具の最上級版のようなものである。一般に神が創ったとされており、数こそ少ないが、威力や効果は一般の魔法具の遥かに上である。今でもたまに、どこかの遺跡から発掘されることはあるが、『アーティファクト』を作ったという話は聞いたことがない。そんなレベルの話である。もっともクヨウの能力が最大限に発揮されれば不可能ではないが、今はまだ無理であった。


異次元バッグの説明が終わり、カリィは大急ぎで帰っていった。異次元バッグを速く広めたかったかららしい。


「クヨウさん~?実際~、今どのくらい~稼いでいるんですか~?」

「リンスちゃん??どうしたの一体?」

「やっぱり気になるじゃないですか~?何かあればクヨウさんに奢ってもらおうとかは考えてないですよ~?」

「ミリアちゃんはどうして最後疑問系になるのか問い詰めたいところだね。まぁいいか、え~と1週間平均で大体このくらいだよ~」


クヨウが金額を見せると、3人は固まる。普通の店の売り上げ1年分くらいあるのだ。驚かないほうが無理な話である。もっとも、ポーションに至っては大陸中の店で売られており、大量生産でかなりの数が毎日売られていれば、5%の収入でもこれだけの額になるのだ。まさに塵も積もれば山となるであった。


「給料アップしてほしいくらいだね。私たちの仕事にはあまり関係ないから無理でしょうけど。そういえば、さっきリンスちゃんに聞いたんだけど、何かアイデアがあれば言って欲しいって。それって例えば私たちにとっても臨時収入になるの??」

「あ、私もそれは気になってた。どうなんですか、実際」

「あの~3人とも??おどけている様に見せて目が真剣ですよ?ええとですね、一応特許商品になってもならなくても、利益の半分はあげますよ」

「「「ほんと!?」」」

「おお!凄い食いついてきた」


3人の勢いが凄まじく、流石のクヨウも若干引いた、もっともポーションの売り上げを聞いた後だとそうなってもおかしくはない。しかし、あれほど売れるものは稀であるので、そこまではいかないが、アイデア出すだけでもそれなりの収入が得られるのならそれに越したことはない。ちなみに、3人が定期的にアイデアを考える集会を開くようになったのは別の話である。


「あ、そうだ~。クヨウさん~?ミリアちゃんとリンスちゃんに何か作ってあげる約束してるんですよね~?私にも何か作ってもらえたりしますか~?」


サクラがおねだりのような、脅迫のような雰囲気でお願いしだした。雰囲気にのまれてクヨウも思わず了解してしまう。結局、アイデアがないので後日になるが、サクラとしては嬉しかったらしい。素直に喜んでいた。そして、昼過ぎとなり、クヨウも店にでていた。今は新しい魔法具のアイデアがなかったらしい。


「クヨウさん~、次はどんなのを作る予定なんですか~?」

「ん~、まだ何も考えてないよ~。とりあえず、作るだけ作っちゃったしね~」

「前から思ってたんですけど、ポーションの上位版みたいのは作らないんですか?」

「あ~作ろうかとも思ったんだけどね~。でも考えてみると、それって結構リスク高くてね~」


ポーションは傷を瞬時に治す薬である。回復量こそ少ないが回復時間はかなり短縮されている。その上位版、ゲームでいう「ハイポーション」にあたるものだが、クヨウはあまり作るつもりはなかった。理由はリスクが高いからだ。

瞬時に大量の傷を治す。それは同時に体にかかる負担も大きくなるということだ。ポーションの様に少しなら問題はないだろうが、大きい傷を瞬時に治すとなると負荷が大きすぎる可能性がある。下手に体に負荷をかけて、体を壊すような真似になれば本末転倒になりえる。それにもし傷口に異物があったり毒が残るようなことになれば、それも問題になる。ゲームのようにHPが回復する程度ですめばいいが、そんな都合よくいかないのが現実である。


「あ~、確かにそれはあるわね。回復魔法のやりすぎは体に良くないって聞くから、それと同じだ」

「どうやって作るかも考えてないから、作れるかどうかもわからないんだけどね」

「あ~なるほど~、私も少~し考えていたんですけど~。リスクは~確かに~高いですね~」


所詮過ぎたるは毒ということなのだ。もし、本当に作るなら、それこそエリクサー並の状態異常も直す物を作ることになるが、そんな万能薬なんて作れるはずもない。


「ということで、アイデアがなくいつものトレーニングしかできないんだ~」

「私クヨウさんが前に住んでいた世界の話が聞きたいですね」

「あ~たしかに、どんな世界なの?」

「ん~、まぁいいか~、暇つぶしにはなるかな~」


そうして、道具屋リュミエールの新しい日常が始まっていった。


ボケ役のレンヤがいなくなったので、ボケが難しくなったかも・・・


そろそろ終わり方が固まってきたので、それに向けていこうかと思っています。


では~、次回をお楽しみに~

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