第2話「お引越しの手続き」
2話連続投稿~!
1話目だけじゃ、何も面白くないしね・・・・
第2話「お引越しの手続き」
「ん~?ここはどこだ?」
クヨウが目を覚ますと、そこは真っ白な空間だった。
周りにはレンヤが寝ているだけで、特に何もない。
「右も左も分からないってのはこういうことを言うのかな~、ははは~。眠い・・・」
クヨウは若干寝ぼけていた・・・・
「ん、知らない天井だ」
「おや、レンヤじゃないか?天井なんて真っ白すぎてどこかわからんぞぉ、洗剤もびっくりだ」
「いいんだよ、そこはお約束だ・・・って、本当にここはどこだ?」
「知らん、そしてなんでここにいるんだろうな?」
2人は混乱を収めつつ状況を確認していた。
そこへ、2人の目の前に突然人の良さそうな爺さんが現れた。
「ふぉっふぉっふぉ、ようこそ、世界の狭間へ・・・歓迎するよ」
「お爺さんはどちら様で?」
「まさか神とか天使とかいうんじゃないだろうな?」
「安心せい、神でも天使でもないわ。強いて言うなら『世界の管理者』とでもしておこう」
「神と何が違うんだ?同じだろ?」
「神もワシが創ったといえばわかるかのう?」
「まじか!爺さんすげぇんだな」
「ん~、まぁそこはどうでもいいとして本題に移ってくれませんか?ご用件はなんでしょう?」
クヨウとしては速く帰って寝たかったらしい。そして爺さんは暗い影を背負って落ち込んでいた。意外とショックだったようだ。
「どうでもって・・・・まぁよい、要件は簡単じゃ。2人ともわしの作った世界に移住しろ」
「「は?」」
クヨウとレンヤの声が被って、目が点になる。
無理もない、いきなり世界を移動しろといわれてまともに答えれる人間などいないだろう。
「先に言っておくが、強制じゃからな」
「なんでやねん!理由は!?世界が滅亡するだとかそういう理由か!?」
「わしが暇だからに決まっておるじゃろう、ふぉっふぉっふぉ」
「そんなの知るか~~!!!どうし「落ち着けレンヤ」うっ」
「お爺さん、俺たちがそっちに移住するのがどうして暇つぶしになるか説明してもらえるんでしょうね?」
混乱して興奮するレンヤを良いエガヲで抑えたクヨウは若干キレていた。
理由?眠かったから。
そして良いエガヲで迫るクヨウに爺さんはびびっていた。
「う、うむ。そこまで難しい話ではないから安心せい」
要約すると、約100年ほど前に治まった大戦争の影響で、世界が安定を望むようになった。
世界の安定を望むのはよかったのだが、困ったことに世界の成長まで止まってしまったのだ。
このまま成長が止まってしまうと、世界が役目を果たせなくなってしまう。
なので違う世界の人間を移住させて、刺激を与え、成長を促そうというのだ。
管理者が暇だというのは、世界の成長が止まってしまい、管理者の存在そのものが無意味になるということだったのだ。
「ざっとこんな感じじゃ、お主らの家族の者や周囲の物へのケアはしておくから、とっとと行ってこい」
「抵抗は無意味か~・・・ちなみに、移動後の世界はどんな世界なのでしょう?あんまり変な世界だと、僕らすぐ死にますよ」
「お主らの世界でいうところのファンタジー一色の世界じゃ、魔法もあるし、モンスターもいる」
「俺ら学生をそんな世界に送ってどうする!?こちとら平凡な中学生だぞ!」
「ふむ、いきなり行って死んでしまっては意味がないか。よろしい、身体能力をわしの世界の並くらいの冒険者クラスにしてやろう。少なくとも即死はなかろうて。ついでに何か好きな能力もやろう、ただし1つのみだ。何でもいいが強すぎても面白みがないから制限はかけるがのう」
爺さんは気楽な感じにいっているが結構重要なことだったりする。
「1つだけか、少ない気もするが仕方が無いな」
「ん~、そうなると考える時間がほしいかな、あと1つ質問いいです?」
「考える時間くらいやろう、後悔のないようにな。それで質問とはなんじゃ?」
「移動後にやらなきゃいけないこととかありますか?おじいさんは先程移住しろとしか言ってませんが・・・」
「特にないぞ、お主らをあの世界に入れることに意味があるからのう、移住後は好きに生きるといい」
「それじゃあ、質問がなければ2,3時間後にまた来るから能力を考えておくように」
そういって爺さんは消えていった。
そして、残された2人は悩む。
それは当然だ、もしかしなくてもこの先一生を左右することになるのだから。
「ん~、能力ねぇ~」
「身体能力最強とかかなぁ、正直それしかねぇって感じだし」
「ん~、それは手堅いが・・・・ツマラン」
「つまらんって言ってもな、って普段賭け事しないくせに、こういうところでバクチする気か!?」
「別に賭けをするつもりはないよぉ、要は考えようなんだよぉ」
そういうクヨウの瞳は輝いていた。まるで面白いことを思いついた!と言わんばかりに。
その後、爺さんが来るまで2人は能力で何ができるかを話し合っていた。
「さて、決まったかのう?」
「ん~、決まったよぉ~」
「まぁ、こんなもんだろう」
「よろしい、ではどんな能力にするつもりじゃ?」
レンヤは「身体能力最強」にするつもりだったが、曖昧すぎて却下された。
最強の定義が人種ならともかく、存在になった場合、世界を滅ぼすことも可能になるからだ。
そこで、爺さんの提案で、異世界の人類の中でも強力な竜人種の2~3倍の身体能力を得るということで決定した。
それでも反則的に強いことには違いがなかったので、レベルを設定し、鍛えればそこまで強くなれるというようにした。
クヨウが望んだのは「魔法具生成能力」だった。
魔法具生成、早い話魔力を込めて好きな魔法効果をもつアイテムを作れるというある意味反則的な能力である。
爺さんから却下がかかりそうにもなったが、クヨウは制限をかけることにより許可させた。
制限は、熟練度のようなものを設定し、最初から強力なアイテムを作れないようにした。
「よし、では好きに生きて来い」
爺さんがそういうとクヨウとレンヤは光に包まれ消えていった。
「さて、これでうまくいくといいが・・・」
爺さんはそう呟き、消えていった。
気分が乗ってきましたが、自分の中での本編はかなり先になりそうです。
当分今後のための下準備ってところですね。