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第15話「旅行出発」

初めての長期旅行。


しかし、今のところ誰かと誰かが特別な仲になる予定は無いです。


第15話「旅行出発」


「さて、いきますか~」

「「はい」」

「おう」


道具屋リュミエールの面々はラングランを出発し、ガチンコ連合国へ向かう。目的は観光、マッジーナ選手権大会を見に行くためである。もっとも大会はすでに始まっいるが、期間が2ヶ月ほどと長いため、問題は無い。この日のためにクヨウは馬車を借りてある。流石に歩いていくには長い距離であった。


「ん~、快適快適~。歩きは流石にきついからねぇ~」

「快適なのはわかるんですけど、お金は本当にいいんですか?なんだか凄く悪い気がするんですけど・・・」

「気にしない気にしない、こいつも結構稼いでるからね。クヨウはこういう時じゃないと使わないからさ」


クヨウの普段の生活は店が主で暇つぶしに趣味の銀細工や魔法具作成などを行っている。なまじ売れるからお金になることばっかりであった。


「それにしてもぉ~、ハンターさんを~雇わなくて良かったんですかぁ~?」

「何かあればレンヤがかたずけてくれるよ、僕も一応ハンターだしね」


普通長距離の旅には護衛がつく、賊に襲われることもあるからだ。しかし、今回はレンヤがいる。レンヤも一応Aランクハンターである。賊程度に遅れは取らないし、いざとなればクヨウや他の2人も戦闘に参加できる。なので特に問題はなかった。


「クヨウさ~ん、なんだかぁ~荷物が少なすぎませんかぁ~?」

「ほんとね、私たちのほうが多いみたいだし・・・」


ミリアとレナリンスは大きめのバッグをそれぞれ2つ。それに対し、クヨウとレンヤの荷物は中型サイズのバッグがそれぞれ1つきり、服を最小限でも入らない大きさだった。


「ん~、実はね~、これは僕の作った最新の魔法具なんだよ。完成したときは本当に嬉しかったよ」

「魔法具ですかぁ~?・・・・え?」


クヨウは目をキラキラさせて嬉しそうに語った。レナリンスは少し考えると表情と動きが止まった。思い当たることがあったらしい。レンヤはそれを見て面白がっていた。


「え~と、どんな魔法具なんですか?普通のバッグにしか見えないんですけど」

「クヨウさ~ん?まさかとはぁ~思いますがぁ~・・・異空間創造と座標固定式を完成させたんですか!?」

「そ、そうだよ・・・リ、リンスちゃ~ん?口調変わってない?」

「どうして教えてくれなかったんですか!私も研究してたんですよ!」

「リンスちゃん~!落ち着いて~、クヨウさんの首が絞まってる~!」


鬼気迫るレナリンスにクヨウはたじたじであった。その上、あまりの興奮のあまりレナリンスはクヨウの首を絞めていた。レンヤが入り、レナリンスはようやく止まった。


「クヨウさん~、ごめんなさ~い」

「ああ、うん、いいよ。言わなかったこっちも悪かったしね」

「ふう、リンスちゃんも慌てることがあるんだね~。いっつものんびりしてるから新鮮な感じがするね」

「え~とぉ~、まぁ~いいじゃないですかぁ~。それよりぃ~、先程の事は説明してぇ~いただけるんですよね~?」


レナリンスが恥ずかしくて顔を真っ赤にしていた。とりあえず、話を強引にでもずらすことにした。


「このバッグね、ミリアさんにも分かりやすく言うと、バッグの中に異空間を作って収納スペースを増やしたってことです。中は2m四方の空間だと思ってください」


もちろん、細かいことをいうと違うのだが、クヨウはイメージがしやすい説明をした。


「クヨウさん~、そんな便利な物があるなら教えてくださいよ~。結構荷物を纏めるのは大変だったんですから~」

「いやぁ~、実は完成したのは昨日なんだよ。しかも2つしか作れなかったしね。荷物を纏めなおすのは苦労したんだよ?」

「もうちょい早く完成させて欲しかったな、昨日は大忙しだったんだからさ」


昨日は食料やら移動用の道具等をチェックしていたところであった。荷物纏めなおしでチェック漏れがないかの確認が大変だったであろう。しかも、完成したのは夕方である。


「クヨウさ~ん、あとでぇ~細かい術式などのお話は聞かせてもらえますよねぇ~?」


レナリンスはそんな話より、術式のほうが気になるらしい。クヨウもまだ術式をまとめただけであるので、細かい内容は話せなかった。


その後、若干ごたごたもあったが、のんびり旅をするのであった。


数時間後・・・・


「ん~?レンヤぁ~。戦闘の準備をしておいて」

「賊か?」

「かもしれないなぁ~、ミリアさんとリンスちゃんも一応準備しておいてね」


そういうとレンヤをはじめ、馬を止め全員戦闘準備に入る。遠目からでも盗賊だと分かったので、射程圏内に入りしだいクヨウは、とっととスピッドファイアを連射する。以前は3発に1発しかあたらなかったが今は全弾命中していた。ミリアとレナリンスは見たことも無い武器と音にかなり驚いていた。


「お~、どうしたクヨウ!?全弾命中してるぞ。以前は命中率30%くらいだったのに。密かに練習でもしてたのか?」

「まさか~、そんな時間もないし暇も無い。魔法具で当りやすいようにしただけだよ~」

「うわ~お前それチートじゃん。俺にも何か作ってくれよ」

「存在がチートのレンヤがそれを言う?それにリスクもちゃんとあるからそんなに便利なものでもないよ」


魔法具は通常効果を生み出す反面、相応のリスクが出てくる。使うたびに魔力を消費するものや、条件下のみの限定で効果を発揮する物がある。効果が高ければ当然リスクを増える。逆に言えばリスクが高いと高い効果を出すことができる。

クヨウはいくつも常備しているが今回使ったのは、探知と警戒の指輪、命中の指輪、鷹の目の眼鏡である(詳細はあとがきに記載)。ちゃんとリスクを負った上での効果であるのでチートではない。


瞬く間に盗賊は逃げていった。それは当然でもある。約百m先から音と共に不可視(速くて見えないだけ)の攻撃が来るのである。当たり所が悪ければ即死もするので、近づけもしないから逃げるしかなかった。


レナリンスとミリアは呆然としていた。見たことも無い武器と音に驚いてた上に、クヨウの説明を理解するのがやっとで、気がつくと盗賊は逃げていたのである。レンヤとクヨウは「盗賊ならあんなもんだろう」と普通に談話していた。


「ねぇ、リンスちゃん。レンヤさんはともかく、クヨウさんって思ってた以上にすごいんだね・・・」

「そぉ~ですね~、けっこう~驚きましたねぇ~。それにぃ~、あの変わった武器の術式がぁ~気になりますねぇ~うふふふ~」

「リンスちゃん、ちょっと怖いよ~」


魔法具のことになるとマッド気味になることがわかって、若干引いているミリアであった。

このあと、クヨウがレナリンスの質問攻めにあったのは別の話である。


その後、この日は平穏に終わり丁度よさそうな場所にてキャンプをして1日目が終了していった。


ちなみにクヨウとレンヤが戦った場合、勝つのはレンヤです。


いくら魔法具で底上げしても、戦闘能力は経験ともにレンヤが圧倒しているからです。スピッドファイアの弾もレンヤには見えていますので防御も可能です。



魔法具の説明


『異空間バッグⅠ』※注意:どこぞの青狸の四〇元ポケットではないです。

見た目:中くらいのバッグ

効果:異空間を作り、入り口をバッグの入り口に固定させたもの。異空間は2m四方の空間になっている。物の出し入れには大きさを問わず、少量の魔力を使う。


『探知と警戒の指輪』

見た目:ちょっとごつい指輪

効果:半径2kmの動物の場所を探知できる。半径500mになると装備者への危険度がわかる。装備者が『移動していない』ときに少量の魔力で発動する。『移動していない』とは本人が歩いたりしていないことであり、馬などに乗って移動する場合は別。


『命中の指輪』

見た目:普通の指輪

効果:投擲などで狙った物に対しての命中精度が上がる。少量の魔力で発動できる。


『鷹の目の眼鏡』

見た目:オペラグラス  ※注意:片目用の鼻と耳に固定するタイプ

効果:少量の魔力で発動し、視力が大幅にあがる。2km先も視認可能。



改めて効果をみると、やっぱりチートかも?

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