人身事故は外だけではない車内でもだ 元高速バス運転士の証言
元高速バス運転手のわたしが何かを言います。
またかと思ったらお帰りください。
昨日の観光シーズンクラッチ踏みすぎ注意と同じく経験者からの目線で描きます。
元高速バス運転士なので、わからないだろ。という意見もありそうですが。
まずは、先程素人が投稿したと思われるベストカーWebさんの記事。
【バス運転士不足問題】バス運転士の責任部分があまりにも広すぎる!!コレは待遇ではなく立法の問題だ!
という記事がありましてね。ちょっとバイトで走らせてみたよ。という経験から書いているようです。
誤字がめだつ箇所もありますが、私達みたいに書き終えてから読み直して編集作業をするというのは、ベストカー編集部ではされないようですね。何度も読み直しても誤字があとあと見つかり訂正していただくこともあります。b巣はさすがに無いかな。バスの入力ミスですね。このレベルは、1度読み直せば見つけ出せるはずなんですが。
まぁそんな基礎的な話はとりあえず置いておき、バス業界はどういうものなのかを身を持って知る。とても良いことをされてると思い少し嬉しかったこともありました。
これからも体験レポートを楽しみにしています。
記事の中にあるメインの問題点の指摘ですが、【人身事故】について冒頭から十数行事細かに伝えています。私と同じタイプなのかまわりくどいなと思う箇所がありますが、誰にでも。わかるように。しているため。あのような。書き方になるんだと思います。
開かずに見てくれてる方に今一度説明すると。
バスによる人身事故=バスで人や車両に乗る人を怪我させることを指す。
これは半分正解。
バスによる人身事故=バス車内で乗客がなんらかのかたちで怪我をした。
これが大半を占める正解例です。
バスは特殊で、人身事故は外でも中でも誰かが走行中に怪我をしたら人身事故になってしまうのです。
その責任の所在は、運転手にあるわけですね。
それを立法の問題であると声高く叫んでいらっしゃるのです。
しかしこれは、二種免許取得の筆記テストを受けている時点までに知っているはずなんです。なにも、バス運転手にならなくても知れる事実。なにを学んでいたのかなと思うほどお粗末な記事なんです。体験しなくてもわかるよね。誤字脱字を気にせずに投稿したくなるほどの内容でもありません。二種免許取得の段階で知れることなんです。
こう言ってしまえばこの記事は台無しになっちゃうんですけどね。
ヤフーの自称有識者さんの言葉しかありません。
私としては、ベストカー編集部の人が体験談を書き記しそれを広く伝えることが出来たことを喜んでいます。まだまだ知らない人がたくさんいますので。
これからはもう少し踏み込んだ記事をお願いしたいですね。今のところ、体験からではなく免許取得の勉強の時点で知る内容ですからね。
それと、先日のクラッチ踏みすぎ問題にも書きましたが、バス運転手の目線は、ハイエースとほぼ同じ位置。ベストカー編集部の体験談によると「乗用車より遥かに高い位置にバス運転手は」とありました。それは、大型トラックの間違いではありませんか?誤字脱字のレベルをはるかに超えた嘘ですよ。
私は、高速路線バス。彼は、一般道路の路線バス。座っている位置はそう変わりません。念の為、検索しましたが私と同じことが書かれていました。ハイエース位の高さ。
彼の言う乗用車とは低位置のスポーツカーでしょうか。カウンタックとかみたいな。古いな。
ハイエース乗りの人は、見下ろして走っているという感覚の人はかなり稀だと思われます。なので何言ってるんだろうかと思うのです。
この部分に自称有識者さんたちはツッコみません。たぶん、記事を読まずにタイトルでコメントしているのだと思われます。同じレベルの人だと思われちゃいますよ。2mって、立ってる身長から50cmくらい高いだけですよ。遥か上からとは言いすぎですね。極端な例は看過できません。
体験談の彼はどうすれば運転手不足が解消されるだろうか。にはあまり踏み込んでおらず、「働き方改革よりも、制度的な改革が急がれる問題なのかもして¥れない。」とありました。問題提起にしては少し弱いですね。誰に訴えているのか分からないのがとても残念に思いました。
たしかに、運転手の責任は大きいです。しかし、誤解を招くような書き方は私には理解し難い。
人身事故は運転手の責任です。しかし、全責任が運転手になるわけではありません。ここをよく誤解されるのですが、免責制度はあります。怪我をした人の治療費の1割程度を運転手が支払うくらい。
100万円の治療費だとしたら10万円は運転手が給料天引きされる。一度に10万円は厳しいので数回に分けて天引きを選択する人も居るでしょう。
人を怪我させたという自責と金額による自責がしばらくついて回るので精神的なケアが必要となります。それらを支払うのは、運転手自身かバス会社でいくらか支援があるかもしれません。
ちなみに、私は車体をけず。いえ、擦ったことがありその板金費用50万円くらいしました。乗用車と違い車体に傷は、お客様からの信用に値するので枝で削れたようなレベルではない明らかな傷には、板金修理をする必要があります。
その時のわたしの身分は、契約社員でした。ボーナスはお気持ち程度で。
社員になるなら全額会社持ちにするぞ。と甘い誘惑。その頃の私は入庫したら目がまわりふらふらしていた時期。もう辞めたい。逃げたい。帰りたい。寝たい。18時間+α拘束の人でした。12時間以内に仕事が入ります。
きっぱりお断りします。目は泳いでたと思いますが。
免責うけた状態で15万円くらい支払いました。3回に分けて。
薄給なのに、毎月5万円天引きされる悔しさ。
それもこれも立法の責任ジャイ!と言えたら良かったのですが。自分の責任です。バスの左側の後部の角をゴリっと。真一文字に凹みました。
大衆の前で。恥ずかしい。
思い出して恥ずかしくなりましたが、事故には免責があります。これは仕事していればなんにでも例えられます。飲食店のトールグラスの足をポキンと折ってしまい使い物にならなくなった。その弁償は全額になるでしょうか。いいえ。半分以下で請求されます。仕事中のミスなので、全額請求はありえません。その仕事を与えた人の責任やお店の責任となります。
昔の学校の教師が、黒板にチョークで文字を書いていた。何らかの事情で、ポキンと折れた。1本あたりに直し教師に請求しますか?しません。ただあまりにも多いと注意されるかも知れません。
そもそも折れやすいトールグラスですしチョークです。ふざけて壊したのであれば全額請求もあるでしょうが、真面目に仕事をしていたら全額請求はありえません。
ということを説明する人が実のところいません。
本当に体験したのであれば、その大事な部分を伝えなければ読者のほとんどは未経験者なので、負担額全額なのだと勘違いしてしまう人が出てきてしまいます。それは誰の責任ですか?余計にバス運転士のなり手が減るだけだと思いませんか?免責の部分まで本文に組み込んでこそ体験談が成立するのではありませんか?
会社によってまちまちではあるものの、1割~3割支払うのだと伝えたほうが良いでしょう。
金額にもよるでしょう。私のは3割でした。低金額なら3割。高金額なら1割。
私のいた職場に、人身事故を起こした運転手がいて、高齢者の女性の大腿骨骨折をさせたと。ネットで調べたら、度合いにもよるでしょうが、およそ170万円だとありました。
この金額を運転手ひとりに背負わせたら色々破滅してしまいます。なので、1割負担と心の傷を背負い頑張って生きていくしかありません。金額17万~20万円くらいでしょうか。月の給料の3分の2が吹き飛びます。これを懲戒処分として50%の減給と発表するのかもしれませんね。
この記事は良い面と悪い面があり、全体的に支援するつもりはありません。嘘やデタラメを伝えるだけでした。立法が悪いなら管轄はどこになるのか。国土交通省でしょうか。それとも政権の責任だ!とでも?
また、どう立法が改善されたら運転士が増えるのか。この大事な部分が疎かになっています。
私としては、運転士にも責任があるので現行法でも仕方ない部分はあります。ただちょっと厳しい。
何が厳しいかと言うと、バス会社の責任の重さ。乗客がまだ到着する前に歩き出し減速したことで転倒や手すりで怪我をした。これが運転手とバス会社の責任になる。
ここで注目してほしいのは、運転手は席を立ったことに気づいたのかどうかである。
席を立ったのがわからなかったらミラーを見ていない証拠なので、運転手の責任となります。
席を立ったのが見えてアナウンスしたのに言うことを聞かなかった。これは、運転手の責任にはしたくありません。
補聴器を忘れたためよく聞こえなかったとしても運転手の責任にするのは違う。忘れなければ良いだけ。アナウンスというのはそれだけ事故に影響を与えます。
アナウンスをなぜ細かくしつこく何度も言うのか。それは、運転手がアナウンスしたけど怪我をしたのは乗客の責任でもある。というのを警察に伝えるためである。運転手の責任能力がここで問われるので、まぁしつこく「止まるまでお立ち上がりくださらないよう」というのです。右に曲がるだけで「右に曲がりますご注意ください」信号待ちだけでも「信号が変わりましたので停車いたします」青になると「発車いたします」とわかったよもう!うっさいな!と思うことでしょうが、人身事故が発生した時の運転手の過失割合を下げる意味でアナウンスしている。自己防衛のためなんです。乗客への情報共有も少しはありますが、そのほとんどは自己防衛のためのアナウンスでもあるので、「運転手さん手や足だけでなく口も頭も使ってて偉いな」と1割の人が思ってくれるだけでありがたいのです。極力従ってください。
身重な奥方様や高齢者のオジイオバア松葉杖のあなた。気を使って早めに降りれるようにと前輪タイヤの上の席やなるべく前の方に座って他の方の迷惑にならないように。前輪タイヤのとこ乗りにくいでしょ。必死に掴まりながら座ろうとしているのを見たら、高齢者席を案内してしまうほど気を使ってくれてるのが見て取れます。そう頑張らずに、ゆっくりでいいのでいろいろ掴まりながら移動して支払ってくだされば結構です。
昨日の観光シーズンでも書きましたが、体験談の筆者はバイト感覚なので理解できないのだと思います。文中にあった急な割り込みを引き合いに出していますが、ハンドル時間が長くなればなるほどミラーから動きが読めます。横に並んだ時点で確定しますね。このクルマは割り込むだろう。注意しなくては。となるものなんです。彼は普段から運転してないのでしょうしバスもバイトですし。読み取れないのは仕方ありませんが、これを見て自称有識者たちもコピーしちゃうんです。
それと、文中にある人やクルマは見えてませんというあの文言。
「免許を持たないだろう歩行者や超高速なモペットや合法な特定小型原付がバスの近くにいるが、運転士からはほとんど見えていないので」
これは、嘘です。見えてます。死角の多いバスですが、見えてます。そのためにミラーがたくさんあるんです。ミラーの位置が悪いんだと思います。ほとんど見えているが、稀に見落とすことがあるから注意して。が正しいんです。
一般路線バスも数回ですが経験してます。ぜんぜん違うなと思います。シートベルトがありませんから。なので優しく運転することだけ注意して。
運転手の責任の所在は変わらなくて良いと思っています。ただ、その過失の割合をもう少し引いて欲しい。国民の安全を脅かしているわけではありません。安全に運んでいる最中にどうにもならない事情で怪我をさせてしまった。心の傷もあります。にんげんだもの。法律はそのとおりですが、もう少し負けてくれてもいいじゃないですか。何度も繰り返す運転手の責任は重くなって当然。軽微なものと少しは認めてくれてもよいのでは。ありませんか?国や自治体からの税金で運行してるのはわかります。血税を多少は事故にも投入してくれても。良いのではありませんか?
たぶんですが、いくらかは出てると思いますが、公表されない部分なのであえて書きました。
運転士不足は、法律のせいではあるけれど、では運転士に過失はないのかとなれば被害者やその家族は許せますか?運転士に「お前が勝手に転倒しただけだろ。知らんがな」と言われてるようで怒りに震えることでしょう。
運転士にも責任はある。と同時に心に傷を背負います。免責あっても思わぬ出費に苦しむことでしょう。バス会社への責任としては、運行をお願いしている自治体やその国もいくらか支払い誰もが救われる社会になりますよう。お願いして今日のところは終わりにします。
ご成長ありがとうございました。成長しちゃったよ。
ご清聴ありがとうございました。
感想お待ちしています。
まわりくどいのは性分ですね。
大事な部分がすっぽりと抜け落ちてたのでどうしてもどこかに書きたい!
と思って、2日連続で書いてしまいました。
お許しください
バス運転手の実態ってあまり報じられてこなかった側面があり、働き方改革で人手不足解消と願ったのはわかりますが、実のところ報道がされないことで大臣たちも知らないんです。国土交通省の役人たちも知ってる人と知らない人がいるでしょう。むしろ当たり前だろ。事故起こしたんだから。と思うでしょうし。
大事な仕組みを長年国土交通省を担ってきた公明党の人たちも知らないのだと思われます。政権がの前に、国土交通省が何も知らないさ過ぎてるのか、それとも、知ってるけどしゃーないよね。と思っているのか。説明して欲しいところです。バスしか見てられるわけじゃないとか言わないようお願いします。
では、またいつか。