第七章 新千歳空港の豚丼専門店ドライブインいとう 4
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野笛が演じるうさぎをデデモスが新しく支配する〈国家〉に託した後、菜乃演じるメタと芽理亜演じるルダは、秩父ロケで撮影した、デスターという自走ロボットを神と崇める宗次郎演じるチャックブルと綾川演じるバーダーボと出会う。
色々あってデスターとチャックブルを失ったバーダーボはメタとルダに新しい神になってくれと頼む。
(国家の王と同じくここでは神も代替可能な存在として描いている)
脚本抜粋
●セメント工場
バーダーボ「ありがとう、これで少しもヤツは浮かばれるだろう」
メタ「あの死体安置所はあなたが管理していたの?」
バーダーボ「そうだ。国家の中の死の領分は神の領域だからな」
ルダ「気を強くもって生きて下さい」
バーダーボ「ああ、だから、おまえらには新しい神になって欲しいんだ」
メタ「それは困ります」
ルダ「そんなガラではないし、あれは無口だったけど、私たちおしゃべりだし」
バーダーボ「この世界には神が必要なんです!」
メタとルダ、逃げ走る。
バーダーボ「この世界で国家も神の代理者たる我らを番外にしていた理由がこれだ!」
バーダーボ、工場の奥に行き、「danger」と書かれた部屋に入る。
何かが集合し・合体する音。
破壊音、そして部屋のドアが吹っ飛ぶ。
そして飛行音。
ここまではロケの撮影素材を繋げたが、ここからは全編CGとなる。
実写の声乗せやラジオ番組も学べるので、なかなか立派な録音スタジオがこの学び舎にはあった。
主に声優部モチモチの木が使用しているので、予約を取り、亜美衣とユラを菜乃に呼んでもらっていた。
「有給、取っちゃったよ」と黒いスーツ姿の亜美衣。
「おたくに声優をやらせていただくとは光栄の至り」と云った後にニヤリと何故か袴姿のユラ。
「亜美衣さんよユラさん来ていただけるならば、菜乃ちゃんや芽理亜も呼んだのに」と虎丸。
「二人とも私たちがここにいることは知っている。既にみんな勢揃いとかの状態ではない。アルファフライトなんてのもそうじゃないか。今は判れてコトに当たる時よ」とユラ。
「さて、そろそろいきますか」
そう云った亜美衣、ユラ、綾川が金魚鉢の中に入って行く、三人ともMDR-CD900ST 密閉型スタジオモニターヘッドホンをつける。
ミクサーにはアニ研スクラム有志三人が並ぶ。
「室井くん、掛け声、頼むよ」
綾川の声がマイクを通じて、調整室のスピーカーから流れる。
ミクサーのひとりが動画をディスプレイに再生し、虎丸を凝視した後に直ぐうなづく。
「ヨシ!では、スタート!」
そのディスプレイには河川敷を走る赤いワンピースの菜乃、青いワンピースの芽理亜が映る。
これは秩父のあと、つまりさっきのセメント工場から逃げてきたシーンだが実際には秩父ロケの前に荒川の赤羽あたりで撮影した。
バーダーボが「danger」と書かれた部屋に入って、集合し・合体する音をさせたのは外骨格を着こんで、体長3メーターのロボット然としたスタイルになることを表している。
だがそんなロボットの着ぐるみ、作れるハズもなく、ここでは飛行してきて・落としたカゲでシルエットで表現している。
ちなみに特に脚本上、記載はないが、カゲだけだし、ここでは綾川が実際に「待てぇー」とか「逃がしやしないゾー」とかアドリブを入れている。
脚本の虎丸は許可しているし、綾川が「飯塚昭三っぽくいくわ」と云って、勿論ユラではなく亜美衣が反応していた。
そして逃げる先には水門があり、ここ人影が二つ屹立していた。
―まぁ、おれと相川で撮影したから勿論いいんだけど、衣装指定したの、コッチだしさ。
セーラー服姿の亜美衣の役名キー、テンガロンハットをかぶったユラの役名はロン。
登場人物が登場する時にその役名がスーパーで表示されるようにしている。
この二人の登場は唐突に見えるが、ふみちゃんが演じるテーロールが菜乃と芽理亜を絶えず監視していて、彼女のキーとロンが報告して出現したという設定。
しかも亜美衣、バズーカをかまえる。
そしてユラ、二丁拳銃で狙いをつける。
「イイ女にはデカい銃が似合う、てね」
これは亜美衣の初台詞。
―カラオケ、よく云っていたのね、みんなで。すると亜美衣さんが『カラオケの花道はなりきりだ。特に私らみたいな人種にはね。歌ではなく、台詞もやってみたいと思わないか?』と云ったので、面白そうだし、やってみるかと無限極限で大き目の広間持つコの家でね。
これは以前、虎丸が菜乃から聴いた話。
―最初は谷口悟朗とかサンライズ系でやっていたんだけど、まどマギのほら!最終決戦に挑む前、ほむらがまどかの前で自分が多次元から来たと告白し・泣き崩れるシーン、あれをまどか役をユラちゃん相手にやった亜美衣さんの名演技はメンバー全員固唾を飲んで聞き惚れたもんだよ。
菜乃はそう云うが当時の亜美衣は「素人だからあのテンションは3分が限界だ」と宣った。
「教主バーダーボ!この二人は家族!国家!神!の三つの共同幻想をくぐり抜けて来た者どもよ!云わば、神を超えた者!下がれ!」
これはロン役のユラ。
そして画面は切り替わる!
虎丸の対龍王院エリス、2Dアニメーション!
綾川はOBのアニメーターさえ駆使した!
バーダーボの全長が明らかになる。
全身武器!武器!
メカデザインは綾川自ら!
「ドラマメーションかよ!」と画の亜美衣が演じるキー、バズーカ砲を連射。
せっかくアニメ、亜美衣はセーラー服姿で跳躍しながら打つのだが、その度に声優の亜美衣が「でや!」とか「とう!」とかアテている。
だがバズーカの弾はバーダーボが両肩のロケットランチャーで撃ち落とされてしまう。
ロンは背中に背負っていたライフルで距離を取りながら応戦する。
バーダーボはその攻撃を両手に備え付けられた巨大マシンガンでいなす。
「こりゃ、硬いわ!」とアニメのキーが振り向いて背中を見せた瞬間にアドリブをかます亜美衣。
すかさず地面に降り立ったキーはマンホールを開けて、隙間にピンを外した手榴弾を落とす。
しかもバズーカ砲を隙間に一発発射!
蓋を締めて、蓋が吹っ飛び、蓋の上のキー、空を舞う。
足を使って、その重いマンホールの蓋をぶつけ、バーダーボに不意打ちだ!
―ここは、このシーンはアニメにして正解だ!アニメならでは・アニメにしかできないおもろい動きのオンパレードだ!
そう、昔、学生は大阪SF大会のオープニングアニメでプロ顔負けの映像を創った。
現在のアニメ好きの学生は、その伝説に本気で挑んだら、どうなるか?それをやったのだ。
―これは京アニか!?MAPPAか!?ufotableか!?
虎丸がこう思うのは当然で、実際にそこで仕事することが内定したアニメーターのタマゴが混じっている。
更にアニメのキー、腰から電磁ソードを撮りだす、しかも二刀流!バチバチと火花を散らし・破裂音を奏で、巨大化したバーダーボの肩部と腕部の武器をいともた易く切断していく。
ロンはいつの間にか水門の調整室に入り込んでいるが、この調整室のシーンの背景の書き込みがまた凄い!
―マッシュルームのような書き込み!
これはセル画を見た時の綾川の感想。
キーはバーダーボの背中という死角に回り、噴射システムのいくつかを破壊する。
「でりゃ!」とか亜美衣、ノリノリ。
軌道を亜美衣に変えられたバーダーボは水門の方向に跳ぶが、水門はロンにより仕掛けられた火薬で爆発し、その勢いで閉まった水門にバーダーボ、挟まる。
キー、5メートルをジャンプをして脱出。
その時に、青空を映し、地面に下がると実写に戻る。
つまりアニメーション・シーン、終わり。
以下、脚本抜粋。
地面に立つキー。
キー「ロン!乗っているバーダーボを助けておやり!」
スロン「姉さま!御意!」
メタとルダ、キーに歩み寄る。
メタ「危ないところをありがとうございます」
ルダ「あなたは何者ですか?」
キー「太古のロストテクノロジーを守る者だ」
メタ「そんなものがあるなんて」
キー「では、なぜに私たちは今会話ができている?それは共通言語ある証だ」
ルダ「私たちが誰だか、知っていますか?」
キー「では、私が案内する」
最初のキーとロンの掛け合いをアテレコして、現場の音声で菜乃・芽理亜と亜美衣の同録を生かす。
「カット!」終わってから、脳内で10秒数えて、虎丸はそう指示した。
そして声優を果たした3人が出てくる。
「綾川さん!スゴくよかった!正直、驚いた!こんなレベル高いアニメーションだなんて!」
「室井くん、でもね、この2分半が限界だ。むしろ2分半だから、このテンション、保てたのよ」
そして、亜美衣がユラにひと言。
「こんなしっかりした録音スタジオで声アテるとか初めてだった。なんというカタルシス、なんという緊張感、今から声優目指すかな」
「私と百合営業するんですよね!?」とユラ。




