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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

口ずさむ呪文

作者: 33r

不思議な呪文を使えたらあなたは何に使いますか。

この話はそんな呪文の物語。

 僕はA。どこにでもいる普通の◯学生だ。

 そんな、僕のクラスのR君はいじめられている。上履きを隠されたり、ノートを破られたり、暴言を言われ、暴力され…散々だ。僕はR君とは仲がいいわけでもなく悪いわけでもない。だから、ただのクラスメイトとしか思っていない。もちろん今日もR君はいじめられている。

「おいおい〜、R。答え教えろよ〜?」

「でも、君たちのためにならn…」

「うりせぇんだよ。早く教えなきゃ殴るぞ?あ?いいのか?」

「ご、ごめんなさい…答えは3番だよ…。」

「よーしよしいい子だな〜。お前は俺たちの奴隷にしかすかすぎない。大人しくしてればいいんだぞ。」

「は、はい…」

 他の人たちはRを見て見ぬふりをするだけで救おうともしない。…僕もだ。だが、救いたい気持ちはある。

 授業が終わり俺は休み時間にR君に声をかけることにした。

「やあ、R君。大丈夫?」

「あ、君はA君だね。大丈夫だよ。心配ありがとう。」

「なんでR君はいじめられちゃうの?なんかしたの?」

「多分、僕が弱いからじゃないかな。力もないし気も弱いし。」

「そっか…もしなんかあったら言ってね。」

「うん。ありがとう」

 たったの30秒の会話をして僕はその場を去った。

 その日の夜、僕は気になることがあった。

 話しかけに行った時、R君なんて言ってたんだろう…

「メキルマタ」「メキルマタ」「メキルマタ」ずっと小声で口ずさんでいた。

 僕は話しかける直前、R君が何かを呟いたのを覚えている。なんの言葉なのか俺にはわからない。

 次の日、学校に行くと学校集会が開かれた。どうやら緊急らしい。

 体育館で校長先生が話す。

「えー、昨日◯年◯組のTさんが亡くなりました。死亡理由は強盗にあって亡くなったそうです。」

 同じクラスのTさんが亡くなったという報告だった。あまりに急すぎて話についていけない。

 でも、R君は少し喜んでいた。確かにT君はいじめっ子ではあった。特に仲が良かったわけではないので僕にはさほど影響はなかった。

 その日、僕はR君にまた話しかけた。

「T君、死んじゃったね…」

「え、悲しいの?僕は嬉しいよ。いじめっ子が死んだんだし。」

 その日もR君のことが気になった。また別の言葉を言っているからだ。

「ヒカバネ」「ヒカバネ」「ヒカバネ」

 またも意味不明だ。

 次の日。また緊急の学校集会があった。

 今回はいじめっ子のボス的存在のMさんが亡くなった報告だった。

 またも人が死んだ。2日間連続で。

 怖い。突然の死が自分にもあるかもしれないと考えたら鳥肌が立つ。

 今日はA君と一緒に家まで帰った。

「今度はMさんが死んじゃったね…」

「僕は嬉しいよ?いじめてくる奴がまた減ったからねぇ…」

 流石に人の死を喜ぶR君に腹が立った。だからR君に注意した。

「ねえ、R君。いくらいじめていたとしても死を喜ぶのはおかしいと思うよ。」

「ふーん。君もあっちの人間だったんだ。」

 急に暗い声で僕を睨みつけた。どうやら怒らせたようだ。

「クチャーニ」「クチャーニ」「クチャーニ」

 また何か言い出した。怖くなって僕は逃げた。その時だった。

「プーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

 右を見ると大きなクラクションを鳴らしながらトラックが突っ込んできている。

 ドガーン‼︎僕はトラックに撥ねられた。意識が遠くなっていく。

 うっすら見えるのはR君の喜びの顔だった。

 そして「この呪文は最強だ…!!!!」と言った。

 そうして僕は意識がなくなった。


 次の日

「昨日、A君が亡くなりました。交通事故だそうです…」

解説.

終始意味のわからない言葉を言っていたR君。

あれは一体どんな意味だったのでしょうか。

「メキルマタ」

ではまずこれをカタカナと漢字にしましょう。

「メ」「木」「殳」これらを合わせると「殺」になります。

「殳」は「るまた」という部首です。

では、「ヒカバネ」はどうでしょう。

「ヒ」「 歹」になります。合わせると「死」ですね。

「 歹」は「かばね」という部首です。

「クチャーニ」はなんでしょうか。

これはみなさんにも言ってもらいましょう。

ずっと言っていると「クチアニ」になりませんか?

「口」「兄」合わせると「呪」

主人公A君はR君の気に触って呪い殺されたんですね。

皆さんは危ない呪文なんて使わないようにしましょうね…

(ちなみに呪い殺せたとしても呪いでは科学的根拠はないので殺人罪にはならないそうですよ…)

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