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start  作者: 遠藤 敦子
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 社会人3年目になり、私と伶介が付き合い始めて6年目の記念日がやってくる。大阪の万博記念公園でひまわりを見に行こうという話になり、私たちはひまわり畑に向かった。今日はくすみグレージュのノースリーブトップスーー肩部分にフリルがついているーーとオレンジ色のフレアスカート、5cmヒールのパンプスを合わせる。夏らしい雰囲気かつひまわり畑に合った雰囲気にしたかったからだ。

 ひまわり畑にはいろいろな種類のひまわりが咲いていた。白に近い黄色ーーもはやアイボリーに近い感じーーのひまわりからオレンジに近い色のひまわりまでたくさんあり、夏の青空と雰囲気が合っている。日曜日ということもあって、カップルや家族連れや友達同士のグループがたくさんいた。少し歩いて人が少ない場所に移動し、伶介が跪いて

「結婚しよう。紗英は俺が幸せにする」

 と婚約指輪をパカッと開けてプロポーズしてくれる。私は目に涙を浮かべ、プロポーズを承諾し伶介から指輪を受け取った。周りの人は何事かという目で私たちを見ていたけれど、拍手してくれるひとや「おめでとう」と言ってくれるひともいる。私は恥ずかしかったけれど、恥ずかしさより嬉しさの方が勝った。


 婚約後は姫路にいる私の家族と、香川県にいる伶介の家族のそれぞれに挨拶を済ませる。それからは同棲に向けて引っ越しをし、両家顔合わせも行い、とんとん拍子に入籍した。結婚を機に私は塩川紗英から林紗英になる。後は1年後に控えた結婚式の準備も進めていった。

 結婚式に向けて私と伶介はドレスを選びにドレスショップに行く。いくつか試着した上で、私は純白のふわふわしたウェディングドレスを選んだ。私がウェディングドレスのみにしたこともあり、伶介に

「紗英、お色直しはしなくていいの?」

 と訊かれる。私はお色直しすることについては特に考えていなかった。というのも離席期間を作るくらいなら、みんなとたくさん話したいと考えていたからだ。

「カラードレスと和装は前撮りの時の楽しみにしたい。式の時はそれよりみんなとたくさん話したいの」

 私が言うと、伶介は

「紗英らしいな。みんなとゆっくり話す時間も大事だよね」

 と笑っていた。


 ドレスショップを出た後は式に招待したい人たちに招待状を送る。もちろん諏訪先生も招待したいと前々から考えていたので、「諏訪 幹生(みきお)様 茉子様」と宛名を書いた招待状も忘れずに投函した。私が結婚したことは諏訪先生にはLINEで報告していたけれど、諏訪先生の手元に招待状が早く届かないかなとわくわくする気持ちだ。


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