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クローゼットに閉じ込められたら異世界に転移してました  作者: まはろ
【第一章】クライヴとの出会い
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就寝

「マナ……と言ったな。寝室はお前が使うといい」


とりあえず簡単な自己紹介をお互い済ませた。

この男はクライヴ、というらしい。

どう考えても日本人の名前ではない。

そもそも、髪の色は深い青色、瞳の色は紫色で、容姿も日本人ではないのだが。


家は木製で、ログハウスのような見た目である。

電気は通っていないのか、明かりは全てランプでまかなわれているようだった。


もしかしてお風呂があるかも、と期待したが、私の家のお風呂がある場所は物置きのような部屋になっていた。

また、私の家はダブルベッドだが、この家の寝具は木製のシングルベッド1つだ。

間取りが同じと言っても、完全に一致している訳ではないらしい。


「私が寝室を使った場合、クライヴさんはどこで寝るんですか?」

「俺のことは呼び捨てで構わない。寝る場所については、その辺で適当に寝るから気にしなくていい」

「その辺で寝るって……床にですか!?」


さすがに、突然他人の家にやってきて、そんな失礼なことはできない。

それに、この家は土足のようなので、床で横になるのは衛生的ではないだろう。

とはいえ、いい代案が思いつくわけでもなく困っていると、クライヴは床に座り始めた。


「座って寝るのは慣れているから問題ない」


剣を胸に抱きながら座る姿は確かに慣れているように見える。

しかし、慣れていればこの格好で寝て快適、という訳ではないだろう。


「……一緒にベッドで寝ます?」

「ふざけている暇があるなら早く寝ろ」


一応提案してみたが、一蹴された。

クライヴは目を閉じ、これ以上話すことは無い、というような雰囲気を醸し出している。


「いや、でもですね……?さすがにちょっと……」


クライヴに声をかけるが、返事すらしてもらえなくなった。

言う通り寝室で寝るしかなさそうだ。


寝室へ移動し、ベッドに横たわる。

思ったよりも寝心地はよかった。


元の世界に帰ることはできるのだろうか?

帰れなかった場合、この世界でどうやって生きていけばいいのだろうか?


世の中に溢れる異世界転移ものは、元の世界の知識を使って活躍したり、何かしらチート能力を持っていることが多い。

しかし、私はただのOLで、この世界で使えそうな能力も知識もない。


もしも帰れなかったら、クライヴに頼み込んで暫くの間泊めてもらえないだろうか。

もしくは、どこか近くで仕事を紹介してもらえたりしないだろうか。

そんなことをとめどなく考えながら、この日は眠りについた。

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