0 そして異世界へ
初めまして。未来 翔と申します。今作がデビュー作となります。作品を通して皆様と交流できたらと思いますのでよろしくお願いいたします。また、誤字脱字がございましたらぜひお教えいただけたらと思います!
俺は東京の高校に通っている学生。遠崎 奏。
高校進学から年季の入ったアパートに一人で住んでいるごく普通とは言えないがそれなりの暮らしをしている男子高校生。
現在、晩御飯を買いにコンビニに出かけた帰りであるが玄関の前で立ち尽くしている。
別に買い忘れたものがあるなど、鍵をかけ忘れたなどではない。現に鍵を開けた今、扉は少し空いている。
ではなぜ立ち尽くしているのか、それは少し開けた扉の向こう側、つまり廊下から外に向かって電気が走っている。出かける前、節約のために廊下の電機は消してでたはず、それは間違いない。ではなぜついているのか。…わからない。
この段階で開けるのを待てばよかった、、、警察にでも連絡しておけばよかった、、、
でももう遅い。危機管理能力の欠如していた俺は少ししか気に留めず開いてしまった。
「ただいま」
返事が返ってこないと知りながらいってしまうこの言葉。家族といえるのかすらわからないあの家でも返ってこないこの言葉。まだ返事が返ってくるのか地と期待しているのかもな。物憂げに考えながら家にはいる。
「おかえり、タイミングが悪かったな」
野太い声が聞こえてきた。
「え…?」
なんで…なんで返事が返ってきた…?
ふと顔を上げる。
同時にこちらに走り寄ってくるフードを被った男。
(誰…)
そう思うと同時に腹部に冷たい感触を感じた。視線を下におろす。
「え…」
なにが…なにが…なにが…
理解が追い付かない。思考も追いつかない。
(俺は刺されたのか…?なんで俺は刺されたのか?なんで俺なんだ?わからない。)
その疑問に答えるのかのように目の前の男が口を開く。
「なんで刺されたのか?という顔しているな?なんでか?それはなたまたまだ」
男は下卑た笑みを浮かべながらそう言った。
「た…たまたま…?」
どんどんと痛みが強くなる中ふり絞りながら聞く。
「そうだ。たまたまだ。たまたま盗みに入った家で。たまたまおまえさんが帰ってきて俺に刺された。そこに理由があるとすれば俺がおまえさんに通報されて捕まりたくないってだけの理由さ。」
男は出る準備をしながら答えた。
薄れゆく意識の中聞こえた男の回答。
(理不尽だ…俺の人生…良いことなんて…)
なかった
そこで俺の意識は途切れた。
(ん…あれ…)
気が付くと何もないどこまでも真っ暗なところにいた。
(ここ…は…?)
しゃべれない。手を見る。足を見る
なぜか白くぼやけている。そこにあるようでだがないようにも思える。不思議な感覚だ。
(なんなんだ…?俺は確か刺されて…ここは…?)
ふと後ろから白い光が見える。
見るとそこには神々しく輝く白い扉があった。
あれは何だろう。そう思うと同時にあれを開けなければ、中に入らなければ。そう思う自分がいた。
扉に手をかける。そしてゆっくり開く。
すると扉の向こうから光が漏れ俺を包み込んだ。