僕たちの行方
第二話です!
眩しさが消えると僕は牢屋のようなところにいた。周りを見渡すと、クラスの人たちが混乱した様子で周りを見渡して
いた。
「皆さんこんにちは。今のあなたたちのお気持ち心中お察しします。」
牢屋の外からその声は響いていた。
そちらの方向を見ると金髪の少女と騎士のような人たちが立っていた。岸は顔が見えず、沈黙を貫いている。少女の方は
傷ひとつない金髪でかなりの長さだ。水色のドレスを着ている。
「どうも異世界人の方々。今この状況に混乱しているでしょう。今からご説明......」
「なんだッ!!!お前は!!どこだここは!!」
同じクラスの灰原康太が話を遮って怒鳴り始めた。少女が少し気圧されている。くすんだ金髪ので長い髪をしている。こいつはいわゆる不良に分類されるような奴だ。みんなからある少し煙たがられているが、僕からすると別に虐めなどはしない良い不良(?)だ。僕の中だと大抵敵役だ。
「今から説明すると言っているでしょう...まず皆さんはこのガルドナーク王国を召喚されました。そして皆さんはこの国の危機に立ち向かってもらいます。」
ざわ..ざわ...
みんながこの言葉を聞いて騒がしくなり始め、中には泣き始める人もいた。
「皆さん落ち着いてください!今私たちにできることはありません!従いましょう!」
「多少は話がわかる人がいるようですね。」
加藤先生がみんなのことをまとめ始めた。今は何も把握できていないし下手に刺激しないというのは同意だ。だが先生が自分からまとめるなんて少し意外だ。いつもこういう状況なら...
「先生の言うとうりです。今俺たちにできることはない。
混乱するのもわかるが、一旦冷静になろう。」
委員長の川岸隼人が先生に同意した。髪は黒く、刈り上げてる。こいつは僕の中だと主人公だ。顔立ちも良く、バスケ部で活躍してクラスのみんなからの信頼も厚い。
川岸の言葉もあってか騒がしい空間が静かになった。
「やっと落ち着きましたね。先ほども言いましたが、貴方たちはこの国のために働いてもらいます。もちろん無償でとは言いません。国から手厚い支援があります。まぁ拒否権は、無いんですけどね。」
聞いている限りは特に問題はなさそうだ。だが問題は...
「その仕事はなんですか?」
「敵を倒したり、ダンジョンを攻略したりです。」
皆が先ほどとは違う騒ぎ方になった。それはそうだろう。男なら冒険などはドルゴンクエストなどが人気であるようにみんな興味があるのだ。
「もちろんそれだけではありませんが、それは後ほど。何か質問などはありますか?受け付けるのは今だけかもしれませんよ?」
「元の世界には帰れないんですか?」
桜舞が質問をした。川岸の幼馴染であり、茶髪でボブにしている。可愛い系の女の子だ僕の話だと、ヒロイン役だ。
「残念ながらそれは不可能です。」
またクラスがざわめき始めた。僕も気になっているドラマを見終わっていない。両親のことも心配だし...考え出したらキリがないな。
だかこの答えはある程度予想できた。相手がこちらを返す理由はないだろう。わざわざ帰る方法を用意するとは思えない。しかもこの少女からは焦りがあまり感じられない。
「なんで私たちなんですか?私は一般的な家庭で、何か特別な力などないのですが..」
キリッとした顔立ちの海原奏が言った。黒髪でショートヘアだ。この子もヒロインで、副委員長だ。ちなみにさっきから言っている「役」は僕が退屈な学校生活で見つけた趣味の一環だ。
「貴方たちは私たちにない力を持っています。説明は後ほどいたします。」
これはこれは。かなり楽しみだ。僕はライトノベルも読んだことがあり、この言葉には、かなりテンションが上がる。
「他に質問はありませんか?」
ここで僕は先ほどから思っていたことを言うことにした。
「僕らのクラスは三十人いましたが今は二十人ほど。十人も減っています。何故ですか?」
「...下にある魔法陣をご覧くださいこれに乗っている人が召喚されます。おそらくこの魔法陣の外に出てしまったのでしょう。」
「なるほど。ご回答ありがとうございます。」
何か含みのある言い方だった。この子は何か隠している。僕はそう予想した。この少女は信用し切らないようにしよう。
€€€
質問時間も終わり僕たちは牢屋を出た。その先にある階段を登っていくと僕たちはやっと日の光を見つけた。そこは西洋風の建物でステンドグラスがキラキラ輝いていた。
「申し遅れました。わたくしは第二王女のルナ・エクラテスと申します。気軽にルナと読んでください。今後ともよろしくお願いいたします。」
その姿は先ほどの疑いの心を忘れ去れるほど神々しく、美しく見えた。
€€€€€
ルナ視点
召喚者たちのことは一旦騎士に任せてルナは一人反省会をしていた。
「ひとまずは成功と言っていいでしょう。」
ルナはそう言い息をついた。
「一瞬疑われましたが、私の《スキル》で挽回できましたかね。」
私もまだまだ未熟ですね......ルナはそう思い、
「あいつらをうまく使えば、国が栄える...私の国を...
ガルドナーク王国を列強まで押し上げられる...ですが、手を加え過ぎてしまいました...まさか十人も処分しなくてはいけないなんて...やはり他国からの情報だけでは不完全でしたか。」
ルナは野望とこの国の未来を考えた。そのためには...
そして召喚者たちの前に戻り言った。
「まずみなさんには役職を決めてもらいます。」