表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王を倒した勇者の息子に復讐をする悪堕ちヒロイン達  作者: 音喜多子平
堕ちた守護天使
49/163

2-28

仕事が再開したので一日一回投稿に戻ります。引き続きお付き合いください。


 レイディアントは何かを思い出したのか、どんどんと息が上がっていく。


「魔界からの脱出が叶ったとて、もはや精根尽き果てて意識などすでに無くしたままに我は翼を動かしていた。それでもやがて力を失いあの山に辿り着いた……知っているか? あの辺りは賊の隠れ家があることを」

「ええ。有名な話です」

「…ならば皆まで言わずとも分かるな。精根尽き果てて動くこともままならぬ女が賊の蔓延る山林にいたらばどうなるか」

「…」

「我は辱められた。連日連夜に渡ってな。泣こうが喚こうが媚びへつらおうが、奴らは我の体を犯すことを止めはしなかった」


 メロディアは目を堅くつぶり、深い深呼吸をした。するとレイディアントは再び暗く笑った。


「フ、フフ…我はこんな人間たちのために慈悲を持ち、慈愛を信じて戦っていたのかと……それから数日たったある日に心の折れる音を聞いた。いや違うな。今にして思えばあれば産声だ。我は悟ったのだ。この世界には生かしておく必要のない命もあるのだと」

「…」

「そう気が付いた時、指一つ動かすことのできなかった体に不思議と活力が溢れたよ。意識を取り戻してみれば我は血溜まりと死体の山の上に立っていた。あの時ばかりは今までのどんな信仰よりも救われた気分になったし、実際に我は救われた」


 メロディアはレイディアントの顔をまじまじと見た。そこには守護天使などという二つ名からは造像もできない程に邪悪な笑みを浮かべる女がいるばかりだ。


「なるほど、見事に『闇堕ち』していますね」

「堕ちただと!? ふざけた事を抜かすな、ガキがっ! 我は救われたのだ!」

「…それで? さっき言っていた為すべき事とは一体何ですか?」


読んで頂きありがとうございます。


感想、レビュー、評価、ブックマークなどしてもらえると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ