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魔王を倒した勇者の息子に復讐をする悪堕ちヒロイン達  作者: 音喜多子平
堕ちた守護天使
40/163

2‐19

色々ミスしてました。

「マジか、この人」


 メロディアは槍を避けながら老人を引っ張って無理やり血塗れ女の間合いから外れた。


 相手が子供と手負いの老人だと言うのに、躊躇いが一切感じられない。代わりに感じられたのは黒く重い信念のような感情だけ。先ほどの言葉は自分に酔った修道僧のセリフかと思ったがそうではないようだ。


本当に罪人を殺すことに使命感を帯びている。そんな動きだった。


 驚いたのはメロディアだけではない。血塗れの女もメロディアがここまで機敏に動くとは思っていなかったようだ。しかし同時に女から警戒の念が発せられた。完全な戦闘態勢を取ったのがその証拠だ。


 女はまるで地面を滑るかのような足さばきで間合いを詰めた。相当な実力者であることは分かっていたが、強さの中に優雅さと言うか美しさがあり所々で見惚れてしまう。


 するとその時、血塗れの女は背中の翼を太陽と見紛うばかりに光らせた。単純な目くらましだが予想外の攻撃にメロディアは目を逸らしてしまう。すると当然のように隙を突いた槍の一撃が一直線に飛んできた。


 そして槍はメロディアの心臓を貫く―――はずだった。


 メロディアは屈みこんで槍を躱すと同時に前に踏み出して剣の柄を突き出していた。それは突進の勢いと相まって威力上げて血塗れの女のみぞおちに食い込んでいた。


「がふっ」


 という息遣いと共に女の意識が飛んだ。メロディアはもののけ姫かよ、と心の中で思いつつそのまま女を肩に担いだ。ふと見れば老人も恐怖からか痛みからかすっかり失神してしまっている。


 血塗れの女は放ってはおけないし、元より老人の手当ても必要だ。そしてどちらもこの山の中にいたのではどうすることもできない。


 メロディアは一息漏らしてから、


「どうしようかな…」


 と独り言を呟いた。


読んで頂きありがとうございます。


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