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コメディという名の下ネタが出てきます。苦手な人はごめんなさい。
「どうぞ。まだ胃が回復しきれていないと思うんで、パンのミルク粥にしてみました」
ふわりと優しい匂いがドロマーの鼻孔を刺激する。しかし彼女はこれを食べることができない。
「すみません。実は私、乳アレルギーで…」
「え? そうなんですか?」
「はい…あ。乳アレルギーならこの胸は偽物かって思いました?」
「思ってねーよ」
強調するように胸を手で押し上げたドロマーにメロディアは冷たい声で応じる。
「けど、そうなると…他に食べるものあったかな?」
「一つだけそこに大好物があるんですが、頂いてもいいですか?」
「ええ。どれのことですか? 遠慮せずにどうぞ」
「ありがとうございます…ではお言葉に甘えて」
重々しく身体を動かしたドロマーは腕を一直線に伸ばす。ドロマーの右手はふんわりとメロディアの股間のイチモツに触れた。
殴られた。
「いったぁい。何でも食べていいって言ったじゃないですか!」
「食べ物の話に決まってるだろ!」
「サキュバスにとっては立派な食べ物ですよ…あ。というかそれじゃないと満足な栄養補給はできないんです」
「嘘をつくな。サキュバスだって人間と同じ食べ物でも体力の回復はできるはずだ。こちとら母親にがっつり魔物の知識も教えられてんだよ」
「うぅ…」
「まさか乳アレルギーも嘘なんじゃないだろうな?」
「…それは本当ですぅ」
メロディアは台所に向かうと大急ぎでパン粥を作り直した。今度のはコンソメスープをベースにして卵と細かく刻んだブロッコリーを散らしてある。白い粥に黄色と緑の色合いが加わり、食欲をそそる出来栄えだった。
ドロマーはそれを受け取ると今度こそ大人しく朝食を食べたのだった。
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