1‐12
予約投稿ミス
「捕虜になった後、慰み者になった訳ではありません。私はすぐに魔王様の元に献上されました。魔界には多種多様な種族が混在して社会を形成しています。そして基本的には実力主義にて政を為しています。そんな魔王様はサキュバスとして初めて王政を取り仕切るお立場になった方でした。これがどれほどの事か分かりますか?」
「…サキュバスはどちらかと言えば低級魔族です。夢の中や性的な行動では他を寄せ付けない強さを見せることもありますが、魔族を統べる王になるほどじゃない。それなのに魔王として君臨したという事は…サキュバスの中でも特異でしかも絶大な力を持つリリス・サキュバスだったと言いたいんですか?」
「そうです! サキュバスなのにも関わらず、それだけ類稀な魔力と強さを有していたのです。流石に博識ですね。それともスコアから聞かされていたのですか?」
「教えてもらったのは確かですけど、父さんからじゃありません」
「? まあ、知っているのでしたら話は早いです。魔王様は私の事を一目見るや否や、私の中の淫靡の種に気が付かれたのです。三日三晩、あの手この手で快楽を教え込まれ、サキュバスの魔力を注がれ続けられた…その結果、こんな素晴らしい力を手に入れることができたんです」
「魔王の快楽による洗脳で堕とされたという事ですか…」
父が頑なに【八英女】について語りたがらない訳が分かった様な気がした。
メロディアが一人で納得していると、いきなりドロマーにものすごい力で喉を締め付けられた。そして怒りと殺意の込められた声を浴びせる。
読んで頂きありがとうございます。
感想、レビュー、評価、ブックマークなどしてもらえると嬉しいです!