19 めぐみんと将棋サークルに潜入!
「……そこで藤井聡太が3一銀と受けたわけこの手が指された時は疑問手と思われていたんだけどソフトで6億手まで読み進めるとようやく最善手だったということが分かったんだよこれを23分で指したんだから震えるよねあと藤井聡太といえば第34期竜王戦2組ランキング戦VS松尾歩八段戦での4一銀も神の一手として有名だから家帰ったら履修しときな? それとそれと……」
「は、はぁ……」
「めっちゃ早口! どうしたのこの人!?」
只今めぐみんと将棋サークルに潜入している。
* * * * *
「君がなんで友達出来ないか教えてあげよっか」
友達0人と判明したばかりのめぐみんが偉そうに語る。
「はい」
「いきなりモンスターボールを投げるからよ!!!!」
「はい!?!?!?」
何言ってるのこの人……モンスターボール?
「そうよ! さっき君、後ろの席の男の子にいきなり友達になってくれって頼んだって言ってたっしょ。ポケモンはまず弱らせてからモンスターボールを投げると捕まえやすい。つまり、まず友達になりたい対象の人とある程度仲良く話してから、友達になってくれって頼めばいいんじゃね?」
……そのポケモンの例えいる?
でもまあ、
「たしかに」
「ということで、その仲良く話すってことをするために相手と共通の趣味を持つってことが大事なわけ。すなわち、サークルに入れば友達が出来る!!! どう?」
「なるほど!!!!」
めぐみんはえっへんと仕事をした感を醸し出している。
サークルね~。考えたこともなかったわ。
「で、なにサークルに入るの?」
「……」
「え、なに」
「……ショウギ」
「え?」
「将棋よ!!!!!」
「将棋!?!?!? ギャルのくせに!?!?!?」
「関係ないでしょ!? あたしは将棋が好きなのよ!!!!」
大学デビューギャルの意外な趣味が判明した。
* * * * *
めぐみん「……そこで藤井聡太が3一銀と受けたわけこの手が指された時は疑問手と思われていたんだけどソフトで6億手まで読み進めるとようやく最善手だったということが分かったんだよこれを23分で指したんだから震えるよねあと藤井聡太といえば第34期竜王戦2組ランキング戦VS松尾歩八段戦での4一銀も神の一手として有名だから家帰ったら履修しときな? それとそれと……」
将棋サークル新入部員「は、はぁ……」
部長「めっちゃ早口! どうしたのこの人!?」
ポケモンドン引きしてるやん。
 




