18 友達の作り方って何ですか
「僕と友達になってください!!!!!」
大学の授業終わりに、後ろの席の男の子にお願いする。
「?」
「僕と友達になってくれませんか?」
「はあ」
あれ? なんか冷たくない?
めっちゃ嫌そう……。
よし、撤退だ!!!
「あ、すみません。何でもないです! さようなら!」
カバンを持って、講義室から即退室。
えりかなしではこんなもんです。
* * * * *
今日も今日とてTwitterのタイムラインを見ながら大学の食堂でぼっち飯。
「お、だくぷりじゃ~ん。って君またぼっち飯? きるりあさんの動画でも言ってたけど、ほんとに友達いないんだねーー」
出た。後輩ギャルめぐみん。今のところえりかの過去を知る唯一の手掛かり。
「さっき同級生に友達になってくれって言ったら断られた」
「はぁ? 友達になって? 初めて聞いたわその日本語、ウケる~~笑笑」
勝手にウケとけ! こっちは必死なんじゃい!
「というか、えりかちゃんの件はどうなったん?」
「それがさ~……」
* * * * *
「分かりました。なぜ私が転校してきたか、前の高校で何があったのかを教えましょう」
ごくりっ。
聞いたら最後、関係が変わってしまうかもしれないと思うと緊張する。
「ですが、条件があります!!!!」
!?!?!? 出た!! えりえりず伝家の宝刀!!! 条件!!!!
「私の力なしで大学で友達を3人作って下さい!!!!!」
「はぁああああ!????」
「当然ですよ!!!! 私からの最終テストです!! オフ会の件で、友達の作り方の基礎は伝授したつもりです!!! 応用編ですよ応用編! それができれば、健太郎さんは晴れて私から解放されます!!」
「解放って別に……」
「私の過去を聞いたら、健太郎さん、私のこと嫌になると思います。そうなる前に、やることやっておかなきゃいけません! 自立してください!!!」
* * * * *
「って言われまして」
「それで同級生に友達になってくれって頼んだの!? やばいね君……」
「だってどうやって友達作っていいか分からないんだもん。分かってたら今頃ぼっちじゃないっす」
「友達の作り方ね~」
「そういえばめぐみんって友達いるの? 今年から新1年でしょ?」
「……」
「え?」
「いるよ?」
「何今の間、というかまたぼっち飯? とか言ってたけど、君もいつもぼっち飯だよね? よく見かけるよ? その格好目立つし」
「……」
「そのきゃぴきゃぴした見た目で友達0とか言わないよね?」
「大学デビューでギャルに変身したら浮きすぎて1人も友達できなかったっす」
「僕たち、頑張ろっか」
2人合わせて友達0です。




