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第082話(昇級説明?!)

 ウルスの南側は既に一回クエストを行ったし、更に南側のアーグ大樹海は踏破してきたから良いとして、東側に生息するのは牙猪(ファングボア)茶色熊(ブラウンベアー)、更に東に行くとインバース山脈があり、そこには野獣だけではなく魔獣も多く出没するから注意が必要なようだ。


「野獣と魔獣の違いはわかりますか?」

「はいっ!」

「はい、ケイン君」

「弱いのが野獣で強いのが魔獣です!俺は魔獣ハンターになるんだっ!!」

「……バカ」

「……間違っているのです」

 クーフェさんからの質問に元気よく答えたケイン君だったが、バッチリ間違っていて、ココットさんとエリーさんに突っ込まれていた。


「じゃぁココットさん」

「……はい。魔素を持たないのが野獣、世界にいくつも点在する魔穴(まけつ)から溢れる魔素を取り込んだのが魔獣」

「正解です。ウルスの南側にあるアーグ大樹海、東にあるインバース山脈には、大きな魔穴(まけつ)が点在しています。その付近では多くの魔獣の目撃例があります。そして魔獣はすべからく、野獣と違い強力な力を持っているので、確実に勝てる見込みがない場合は逃げて下さい」

「……ぶいっ」

 ココットさんはちらっとこっちを見ると、指を二本立てて誇らしげにする。まぁ、キチンとガイドブックに書いてあるんだけどね。


「魔獣は危険です。例えば茶色熊(ブラウンベアー)の危険度はランクE程度で、冒険者が初級から卒業できそうな頃で討伐できる強さですが、魔獣化した黒色熊(ブラックベアー)になるとランクC程度の脅威になります。これは中級冒険者でないと対応できない強さです。もし見かけたのなら全力で逃げるようにして下さい」

 ガイドブックにも黒色熊(ブラックベアー)の特徴が書いてある。なるほど黒い体毛に赤く光る眼を持っているのか。魔獣の多くは魔素を多く取り込んだことが原因なのか、目が赤く発光している目撃例が多いようだ。


「冒険者のランクの話が出たついでに、冒険者ランクを説明するわね」

 よく話題に出てくる冒険者ランクだが、その明確な基準は……うん、ガイドブックに書いてあるな。


「ガイドブックにも書いてあるけど、ランクE~Fが初級冒険者、ランクC~Dが中級冒険者、ランクA~Bが上級冒険者、ランクS以上が特級冒険者と呼ばれているわ。そしてランクFからEになるにはランクFの依頼を3回成功と自分のランクと同じランクの依頼を一定数こなすと上がっていくの。ランクEは6回、ランクDは12回、ランクCは24回、ランクBは48回、ランクAは96回ね」

 全部合計すると約200回の依頼をこなさないとランクAにならないのか。低ランクは一日で達成できるが、ランクC以上になると数日、ランクB相当なら数週間かかると考えると、ランクAになる為には早くても10年くらいは掛かりそうだ。

 冒険者なんて言う危険と隣り合わせの仕事を10年も続けていられる現役なんて本当にごく一握りの人間だろう。


「正直な話Aランクの冒険者は国に十数人しかいないわ。特級になると数人といった程度。有名所だと勇者パーティと言われる聖光の剣(ソルリオン・ブレイド)氷漣の雫(ユティエナ・ドロップ)ね」

「うぉぉぉぉぉっ!!聖光の剣(ソルリオン・ブレイド)!!」

 クーフェさんの説明を聞いて興奮するケイン君。さっきから起きてたら起きてたでうるさいな彼は。


「AランクやSランク以上には特例があって、大きな国レベルの危機を救うなどの偉業を達成した際に特例的に昇級することがあるの。聖光の剣(ソルリオン・ブレイド)はインバース山脈から現れた魔竜を撃退したことで、Sランクに昇級したわ」

 ただの竜でさえ人間には脅威なのだが、それが魔獣化していたとなると、相当な危険度になるんだろう。まぁ竜は賢い生物らしいので、簡単に魔獣化しないと思うんだけど。


 ちなみにガイドブックには魔獣化の正確な理由が書かれていない。おそらく解明されていないのだと思う。

 魔穴(まけつ)が原因なのは間違いないのだが、普通の野獣が魔穴(まけつ)の近くにいたからと言って魔獣化するわけではない。魔素を取り込むには、先天的な資質として体内に魔導器官を備える必要がある。その魔導器官に魔素を貯めることにより、初めて魔素が取り込まれる。そしてその魔素が身体を巡る事により肉体を強化・変質させたのが魔獣だ。

 魔導器官いわゆる魔導器は遺伝で受け継がれる可能性が高いから、かなりの野獣が魔獣化するが、同じ場所でも魔獣化しない野獣がいるのはそういった理由だ。

 そして、その魔導器官にあたるのが魔晶石となり魔素の塊で、魔物の体内から取り出すことができる。これを加工すると強力な武器や生活に便利な魔道具の動力源になるので魔晶石の販売は、中級以上の冒険者の大きな収入源となることが多い。


 その魔晶石が傷ついたり、魔導器に入り切らないほどの魔素を蓄積していた場合、その魔獣が生命活動できなくなると、蓄積していた魔素が漏れ経験珠となる。この経験珠を摂取する事でレベルアップや強力な潜在能力(アビリティ)戦闘武術(アーツ)を会得することができる。


 魔晶石は魔導器官にあたるので、そこが傷つくと魔素が暴走し魔物は自身の変質した肉体を維持できなくなるから急所にもなる。だから、手っ取り早く魔獣を討伐するには魔晶石を狙うのが一番だ。

 そして経験珠として力を取り込むのか、危険を承知で魔晶石を避けて魔獣を討伐し、魔晶石を売ってお金にするか悩みどころになったりするんだ。


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