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第033話(仲間発光?!)

「この魔素の量。恐らくこの先に待ち構えているのは領域主(エリアボス)なのです!」

「やはり避けきれなかったか……」

「避けきるも何も、考えなしに強力な魔法をぶっ放せば、検知されるのは自明の理なのです!このトン御主人様(マスター)!」

「いやぁ、魔粒子が多いって聞いてたから、魔法なんかも、それに掻き消されて誤魔化せるかなと」

「魔粒子や魔素と魔力は別物ですから、頭の悪い獣達は誤魔化せても、少しでも感覚が鋭敏な魔物を誤魔化せる訳がないのです!」

「やっぱりそうか。あわよくばと思っていたんだけど」

「そもそも、これだけ森林を吹き飛ばしておいて気が付かれない訳がないのです!御主人様(マスター)はアホなのです!」

 僕が都合の良いような事を呟くと、ポメが青筋を立てながら反論してくる。まぁ、そりゃポメの言うとおりだと思う。


御主人様(マスター)は解ってて言ってるのです!非常に性質(たち)が悪いのです!」

 ポメがプンプン怒りながらも、僕の疾走についてくる。


「で、領域主(エリアボス)はどんなのだろう?」

「この魔素量から言って、Aランクは間違いないのです!」

「Aランクって相当ヤバイよね?」

「上級騎士数人で戦っても負けることがある強さなのです。御主人様(マスター)が一発食らったら挽き肉になるのです!」

「挽き肉って……そんなヤバイのと戦いたくないなぁ。何とか回避できない?」

「もう無理なのです。この道の先に待ち構えているのです!」

 何とかならないかと頭を動かしていると、並走するファングと手で抱えているビークが薄っすらと発光していることに気付く?


「あれ?ファングとビークが光っている?」

 周りを見渡すと、小さい光の玉が舞い上がっていて、それらがファングとビークに吸い込まれていっているようだ。


「何だこれ?」

「経験珠が割れて、経験子を放出しているみたいなのです」

「あぁ、魔法でここいらの魔物を根こそぎ倒したからか」

「そのようなのです。経験珠が割れて放出された経験子は、最寄りの生物に吸い込まれる性質があるのです。御主人様(マスター)の常識外の魔法で、周辺の魔物が警戒して離れてしまった為、ここに残っている御主人様(マスター)達に経験子が集まっていると思うのです」

 ポメの説明になるほどと僕が納得していると、すごい量の経験子が光の帯のようになりながら、僕達に注ぎ込まれる。僕の身体は光ったりはしていないのだが、ファングとビークの身体は明滅しながら激しい光を放っている。しかし、当の2匹は何事もないかのごとく通常運転だ。


「これで強くなってくれていると僕も助かるんだけどなぁ」

 強く明滅する2匹を見ながら、そんな都合の良い事を考えて呟く。


御主人様(マスター)。そろそろ領域主(エリアボス)領域(テリトリー)に入ります。気を付けるのです!」

「で、どうしよう?」

 結局考えがまとまっていない僕は、慌てながらポメに切り返す。


「上手いこと駆け抜けて逃げ切れればいいのですが、恐らく難しいのです。倒すか、負傷させて追撃できないようにするしかないと思うのです」

「結局戦わないとダメなのか。一発で挽き肉にしてくるような敵と」

「自業自得なのです!」

 ボヤキはするが、腹を決めてかからないと、ココでジエンドになってしまうだろう。脚に少しダメージを与えれば追撃は出来ないだろうから、その隙に逃げるとしよう。


「なるべく足に攻撃を集中して、動きが鈍くなったら逃げる方針で行こう。まともに戦ったら餌にされてしまう」

「承知したのです。ではそのように……ピッピッピピィ!、ガゥワゥッガガゥッ!!」


ピピィッ!

ガゥガゥッ!


 ポメが作戦をビークとファングに伝えたようだ。しかし、よくそれで伝わるよな……


 そして前方に大きな影を捉えたと思ったら、小屋ほどもある大きさの石が前方から飛来してくる。


「ちょっ!まっ!!」

 僕は思わず悲鳴を漏らしながら、石の軌道から外れるように横っ飛びする。着弾した岩が木っ端微塵になって、小さい石礫が僕達を打ち付ける。

 僕はとっさにビークを守るように、左腕で胸に抱え込むと、右腕で顔を庇う。


 散弾のような石礫が、僕を打ち据え、守りきれていない頬や肌を切り裂く。


「いつぅ!」

御主人様(マスター)!まだなのです!!」

 一瞬陽が陰ったかと思って空を見上げると巨大な影が降ってくる。


「あわわわわっ!!」

 僕は急いで、その影の着地予想地点から這い出す。


「ダメです!御主人様(マスター)!!」


ドゴォォォォォォンンッッッ!!


 その影が着地すると、地面が砕け、砕けた土砂が放射線状に飛び散り、先程の石礫のように僕を打ちすえ、砂埃が舞い、更にその中から巨大な槌が僕の頭上に落とされる。


四霊(クアッド・)魔盾(シールド)!!」

 とっさに僕は4属性による薄くて透き通った4枚の魔法障壁を張る。


パキン!パキン!パキン!バキン!


「なっ!」

 僕の張った4枚の魔法障壁はあっさりと砕かれて、速度が殺されていない巨大な槌が、僕の頭上に振り下ろされるのだった。


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