第014話(魔法適正?!)
僕自身が全くわかっていないが、ポメが言うには相当な魔法適性があるらしい。なので身を守るにはまず魔法を身に着けたほうが良いとの事で、まずは魔法の使い方を教えてもらう。
「まず魔法を使う前に、魔粒子を集めて魔素にする必要があります。魔粒子は星を始め、様々な生命から放出されている純粋なエネルギーです。ですが魔粒子だけでは何の力にもなりませんので、まず生物が持っている魔導器という魔粒子を集める生命の器に蓄積する必要があるのです。そしてその魔導器から圧縮した魔粒子を魔素という力で取り出すです。その魔素を魔法を発動しやすいように魔力に変換、その魔力を使って事象を捻じ曲げてありえない効果を生み出すのが魔法なのです」
「うーん。電子を電池にためて、直流電流として取り出して、交流電流に変換して、モーターを回すような感じか」
「……何を言っているか意味不明です。御主人様は時々訳の理解らないことを言うです。デンパ系なのです?」
僕の発言に首を傾げてジト目で見てくるポメ。
「とりあえず御主人様の戯言は置いておいて、実戦に入るとするです。まず魔粒子を集めるて魔導器に蓄積するスキル魔素蓄積ですが、コレはパッシブスキルなので常に発動していて、ほぼ全ての生物がこのスキルを保有しているのです。次に魔導器から圧縮した魔粒子である魔素を取り出すスキル魔素抽出を使うのです」
ポメはそう言うと、僕の鳩尾の辺に手を添える。
「無知な御主人様は、スキルの使い方もわかっていないようなので、強制的に発動させるです」
そう言うと、鳩尾のあたりから熱い何かが引き出される。熱い何かは胸とお腹の間を円を描くかのように複雑に行き来し、ポメの両手に吸い込まれていく。すると、ポメを起動した時のように一気に倦怠感が襲ってくる。
「ごちそう様なのです。相変わらず御主人様のアレは濃くて濃密でドロドロなアレですね」
ポメは何かを勘違いさせるような表現をしながら口元を手で拭う。口なんか使っていないのに、訳ありな仕草をするのは止めて頂きたい。
「わかりましたです?」
「えっと、なにか熱いのがココらへんをグルグルして、ポメの手に吸い込まれた?」
「はい。ポメの主動力は御主人様からの魔力供給なのです。なので、ポメは御主人様の魔力を強制的に吸い上げる機能があるのですよ。その機能で、魔素抽出と魔素変換を強制発動させたです」
「魔素変換?」
「魔素変換は魔素を魔力に変換するスキルです」
「なるほど、直流を交流に変える感じのやつか」
「?よくわかりませんですが……とにかく今の感じをやってみるです」
ポメに促されてさっき身体で起きた事を再現しようとしてみる。
意識を鳩尾に集中してみると、確かに熱いエネルギーのようなものを感じる。それを取り出して、さっき胸と腹をぐるぐる回っていたところに流し込むようにイメージする。
すると吸い出されたエネルギーがグルグル回って、再び鳩尾に戻ってくる。
「いいです。ダメダメでトーヘンボクな御主人様の割に一発で成功とは奇跡なのです。そのまま、それを手に導いていくのです」
鳩尾に溜まったエネルギーを右手に移動させるようにイメージする。そのエネルギーは僕の意思通り、右手に移動し、掌から外に放出される。放出されたエネルギーは突き出した右手の前で赤く複雑な文様を描く。
「赤ですか。でしたら炎の魔法をイメージするです」
僕も普通にRPGなどはプレイしていたので、よくRPGで出てくる超初級の炎の魔法である炎の礫をイメージする。
小さい炎の礫を飛ばして、対象に炎ダメージと状態異常:延焼を与えたりする魔法だ。
「炎の礫!」
イメージしつつ、声に出してみる。すると複雑な文様がどんどん複製され、10個程の文様になると、その文様から僕がイメージした炎の礫と同じ形だが、直径20cm、長さ1mにもなる礫と言うか槍のような炎の塊が100本ずつ、合計1000本発生する。
「え?!ちょっ!まっ!!」
そして慌てる僕の静止の意思も働かずに、その1000本の槍が前に向かって射出される。
ドドドドドドドドドドドドドドドドッッッッ!!!
機関銃をぶっ放すような音がして、全ての炎の槍が連続で放たれ、奥にある壁に直撃する。炎の槍が直撃した壁の部分は、高熱により赤から黄色に熱されて変化し、ドロドロと溶け落ちていく。それが1000本分、矢継ぎ早に壁を穿っていくのだから、当然壁が持つわけがない。3枚ほどの壁をドロドロに溶かし尽くして、やっと止まる。
「想定通りの威力です。青藍極鉱の隔壁を熱したバターのように溶かしている威力は本当に規格外なのです」
「ど、どうなってるの、コレ?」
僕は自分の手と、ドロドロに溶けた壁を交互に見ながら、ポメに問う。
「だから、御主人様の魔法適性は、古代竜種に喧嘩を売るレベルだと言っているのです。まずは、その強力すぎる魔法を制御しないと、全て破壊する者認定されるのは間違いないのです!」
こうして僕とポメとの特訓が始まるのだった。




