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第013話(超規格外?!)

 食堂を出た俺はポメに導かれるまま、この施設を案内される。とはいえ、さきほど食事をとった商業区、居住区、訓練区くらいで、工業区や構造区とか他の区画は、俺には必要ないと案内を切り捨てられてしまっていた。

 4階より上が居住区になっており、当然のことながら全ての部屋は全て空室だったので、一番移動に便利な4階の入口付近を使う事にした。


「お子様体型の御主人様(マスター)の衣服などは素材があればポメが加工できるので安心するです」

 衣食住の衣は、どうやらポメが用意してくれるらしい。食は、ゲロマズだけど食えないことはない食堂のご飯、住は居住区の一室が使えそうなので、とりあえず生きていく分には何とかなりそうだ。


「まずは自衛手段を鍛える必要があるです。御主人様(マスター)は、今のまま外に出たらあっという間にう○この餌になるです」

 自分たちが使う部屋を決め、色々散乱しているものを片付けて、ホッとしていると、ポメがそんなことを言い出してくる。 


「うん○の餌って、う○こは何も食べないと思うんだが」

 俺が呆れ顔で突っ込むが、もしかするとこの世界ではそういうモンスターが居るのかもしれない。


「それと御主人様(マスター)、一人称が『俺』というのは、その容姿に対して凄く違和感があるです。ヤンチャで世間知らずのクソガキが背伸びしているようにしか聞こえないのです」

「んなこと言ってもなぁ……中身はアラサーにずっぽりハマっているおっさんなんだけどな」

「その中身がどうのこうのというのは良くわかりませんが、今は外見が5歳児程度なのだから、それ相応の一人称にした方が、今後の人間関係構築のためにも良いと思うのです」

「それもそうか。このままいきなり30歳近い外見になることもないだろうしなぁ」

 部屋に設置されている鏡に自分の姿を映しながら考える。銀髪蒼眼、すこしふっくらしているけど、目筋、鼻筋、口どれをとっても悪くないデキだ。このまま成長したら、相当イケてる容姿になりそうな気がする。この世界で好まれている容姿がどうかはわからないが。


「じゃぁ『僕』あたりが妥当かね」

「です。話し方も多少、幼くした方が普通に見えるです」

「うーん。一朝一夕では治らない気もするが、まぁ気をつけることにしよう」

 一人称や言葉遣いは、そういう方向性で慣らしていく事にする。


「さてと、さっきも言った自衛の手段ですが、まずは訓練区に行くです。御主人様(マスター)の大体の潜在能力(ポテンシャル)生命連結(ライフコネクション)で把握しているので、ポメが効果的に鍛え上げてあげるのです!」

 ポメはそう言うと、僕の腕を掴んでグイグイ引っ張って部屋から出ていく。


 そして昇降機で3階にある訓練区に向かう。訓練区は様々な訓練が行えるらしく、大規模なスポーツ施設のような感じだった。部屋の中まではわからないが、外にあった施設では、空中にプカプカと浮かぶ円形の枠に網を張ったサッカーゴールのようなものが、コートの左右に設置されている施設があった。多分チームで別れて、あの枠の中にボールを投げ入れる競技なのだろう。


 そんな施設を見ながら歩いていくと、ポメが『Unbreakable Training Room』という普通の扉と違ってやけに頑丈そうな扉がある部屋の前で止まる。名前からして不穏な部屋だ。


「壊れない訓練場?」

御主人様(マスター)はボケボケなのに、とんでもない潜在能力(ポテンシャル)があるので、この部屋以外の部屋だと一瞬で破壊(デストロイ)するです」

「はい?!この身体は、どう考えても5歳児なんですが!それが部屋を壊すって何?!」

「詳しくは中で話すので、チキンみたいに震えていないでさっさと入るのです」

 扉を開けたポメが僕の後ろに回り込むとグイグイ押して僕を部屋の中に入れる。そして入り口のパネルを操作すると、横にスライドしていた扉が閉まり、更に上から隔壁のような物が落ちてきて、部屋の中に閉じ込められる。


「じゃぁ説明するです」

 ポメが僕の前に立ち、僕を見上げて視線を合わせると説明を始める。


「まずは御主人様(マスター)は、矮小な小物のくせにとんでもない魔法適性を持っているです。ポメの所有者(マスター)登録の際に採取した生体情報と生命連結(ライフコネクション)から得た情報なので間違いないです」

「魔法適性?」

「この世界。旧時代も現在も、魔法はとても重要な役割を持っているです。魔法は大規模殲滅や肉体強化、生活の利便性向上と幅広く使うことが出来るので、魔法が有ると無いとでは戦略、戦闘、生活が大きく変わってくるのです」

「ふむふむ、電気みたいなものか」

「電気?が何かはわからないですが、とにかく大事なのです。大体の生物は魔素を扱うことができるので、魔導具があれば、魔法の恩恵を受けられるのですが、魔力を扱って魔法を使える魔導士(スペルキャスター)の数は少ないです。それは魔法を使うには、魔素変換のような様々なスキルを、全て有していなければ魔法が発動しないからというのが原因なのです」

「ふーん。どうやら僕にはできなさそうな話だね。色々やったけど魔法が発動する気配がなかったからさ」

「何を言っているですか。御主人様(マスター)の魔法適性は古代竜種に喧嘩を売るレベルなのです!」

「はぁ?!」


 こうして僕本人が全くわかっていない潜在能力(ポテンシャル)をポメに教えてもらうのだった。


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