05
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冒険者ギルドについた、エルヴィスは中に入ると、賑やかだった喧騒がやみ、中にいた者達が一斉にエルヴィスを見た。
「どうしたんですか……皆さん?
僕、何かしました?」
驚いたエルヴィスは、キョロキョロと見て尋ねた。
「おい、どうした?
エルヴィス、さっさと中に入れよ?」
後ろにいたアーノルドが、立ち止まるエルヴィスを、押し込みギルドに入った。
すると……静かだったギルドが、揺れる程を歓声がわき起こる。
「おー、エルヴィスー!
スキル授与、おめでとー!」
「一体、何のスキル貰ったんだー。
テメー?」
「そうだ、そうだ!
教えろよー、エルヴィスー!」
「「「とりあえず、おめでとー!
エルヴィスー、うおおーー!」」」
エルヴィスに、一斉に群がる冒険者達。
飲めや、歌えやの大騒ぎでギルドが騒がしい。
「オメーら、静かにせんかーー!!」
バターンとドアが開き、あまりの五月蝿さに、ギルド長が現れ、全員怒られました。
「フム、そうか……エルヴィスが、スキルを得たか」
一通り怒った後、理由を聞きギルド長はアゴ髭を撫でながら頷く。
「理由は分かった……分かったが、お前ら騒ぎすぎだ」
ギルド長の言葉に、冒険者達は正座しながら縮こまる。
「エルヴィス、お前がどんなスキルを得たか知らんが……変わらず、冒険者になるつもりか?」
その言葉に、冒険者達は、ハッと気づき一斉にエルヴィスを見た。
「……はい、ギルド長。
よろしくお願いします」
エルヴィスは、ギルド長に頭を下げた。
「うおー!
エルヴィスー、よろしくなーー!」
エルヴィスの言葉で、再び冒険者達は叫ぶ。
「だから、うるせーって言ってるだろうがっ!
黙れ、貴様ら。
そうか……エルヴィス、冒険者を続けていくのは、お前次第だ……頑張れ」
「……くすっ」
「何だ?
ワシは、変な事言ったか?」
突然、笑い出したエルヴィスを、ギルド長は睨み尋ねた。
「い、いえ……違うんです。
すみません、ギルド長。
今日、行くとこ行くとこで、同じ様な事を皆さん言ってくれるんで、嬉しくなって……ちょっと笑ってしまいました」
笑い過ぎて、少し涙が出たエルヴィスは、涙を拭きながら説明した。
「フン、そうか……お前は、愛されているな?」
「はい、ギルド長も、ありがとうございます」
「……フン」
エルヴィスが感謝を述べると、ギルド長は顔を赤くしソッポ向いた。
「じゃあ、まず、受付で登録しろ。
……頑張れよ?
お前ら、祝うのはいいが、騒がしくするなよ!」
「はい、ありがとうございます」
「「「うっす、ギルド長!」」」
ギルド長はそういって部屋に戻っていった。
エルヴィスは、受付で冒険者登録をし説明を受け、最低ランクを表す薄い白いプレートのギルドカードを受け取った。
ポーン。
ギルドカードを受け取った事により、スキル『記録』を覚えました。
「……」
「エルヴィスくん、どうかしたの?」
エルヴィスの登録を担当する事になった、受付嬢のシータが首を傾げ尋ねる。
「いえ、あの?」
「そういやー、お前、さっきも、そんな風になってたな……あん時も確か……カード触った時、か?」
エルヴィスが慌てていると、後ろからアーノルドが尋ねてきた。
「アーノルドさん……そうなんです。
さっきも今も、何ですけど。
カード触ったら、頭の中で音がなって、何かスキルを覚えたって声が聞こえるんです」
「声だと?
……そうか、お前、そのタイプか」
「アーノルドさん?」
「後で話してやるよ、まずは登録、終わらせな」
「あ、はい……すみません、シータさん。
続き、お願いします」
エルヴィスは頭を下げた。
「と、いってもエルヴィスくん、ギルドに通いつめてたから、大抵わかっていると思うけど……一応説明するわね?
規則だし」
「お願いします」
「まずはランクね。
ランクは最初はEから始まり、D、C、B、Aと上がっていき、最後にSランクとなります。
また、Sランクを超越したSSランクもありますが、これは本当に特別な存在で世界で3人しかいないそうです。
勿論、私どころか、たぶんギルド長だって見た事ないんじゃないかな?」
「本当にいるんですか?」
「いるみたいよ?
まあ、それはいいとして、そこにいるアーノルドさんはBランク、Cランクになって一人前という事で、CとBランクの間には壁があると言われています」
「壁?」
「ええ、壁。
難しい試験や、豊富な経験、冒険者達の信頼、確かな実力といったモノを認められて、Bランクに上がれるんです」
「へ~、そうなんだ」
エルヴィスは、アーノルドを見て、目をキラキラさせる。
「……そんな、凄ぇもんでもねぇよ。
だから、そんな目でみんな?
お前らも、うっとーしわ」
アーノルドは、照れて横に向き、その際に見えた後ろにいる冒険者のニヤニヤに文句を言う。
「ふふ、話を戻しますね。
つまり、依頼をしっかりと解決していけば、Cランクまでは、簡単とは言いませんが上がれます。
無理せず、頑張ってくださいね」
「はい」
エルヴィスは頷く。
「依頼は、後ろにある依頼ボードに張ってあります。
朝昼夜に3回、依頼があれば追加で張ります。
受けれる依頼は自分のランク1つ上まで受けれます。
ますが、こちらで認めない事もあるので、その時は諦めてください」
「何で認められないんです?」
「んー、実力が足りない、戦力が足りないとか色々かな?」
「なるほど?」
「それを判断出来る様になるのも、私達、受付の仕事なんですけど、これは言わなくてもいい事ですね。
依頼受ける場合は、依頼書を剥がして、受付にも持ってきてください」
「はい」
「また、特別依頼、指名依頼とあります。
特別依頼は、緊急時にギルドから依頼を出し、町に魔物が現れたとか、突然入った依頼を求める時とかです。
まあ、そういう事は、そうそうないですけど、あった場合はよろしくお願いします。
指名依頼は、その名の通り、指名される依頼ですね?
信頼とか、名が売れたとかで、名指しで依頼がきます。
ブッキングとかは、こちら《受付》と依頼された冒険者の判断で受けれますので安心してください。
あと、細々としたルールがありますけど、こちらは、この小冊子を見て理解してください、以上で終わりです。
ご清聴、ありがとうございました」
シータは、小冊子をエルヴィスに渡し、頭を下げた。