表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特殊能力:カード  作者: マス シゲナ
5/24

05

評価入れて頂きありがとうございます。

 冒険者ギルドについた、エルヴィスは中に入ると、賑やかだった喧騒がやみ、中にいた者達が一斉にエルヴィスを見た。


「どうしたんですか……皆さん?

 僕、何かしました?」

 驚いたエルヴィスは、キョロキョロと見て尋ねた。


「おい、どうした?

 エルヴィス、さっさと中に入れよ?」

 後ろにいたアーノルドが、立ち止まるエルヴィスを、押し込みギルドに入った。


 すると……静かだったギルドが、揺れる程を歓声がわき起こる。


「おー、エルヴィスー!

 スキル授与、おめでとー!」


「一体、何のスキル貰ったんだー。

 テメー?」


「そうだ、そうだ!

 教えろよー、エルヴィスー!」


「「「とりあえず、おめでとー!

 エルヴィスー、うおおーー!」」」

 エルヴィスに、一斉に群がる冒険者達。

 飲めや、歌えやの大騒ぎでギルドが騒がしい。


「オメーら、静かにせんかーー!!」

 バターンとドアが開き、あまりの五月蝿さに、ギルド長が現れ、全員怒られました。



「フム、そうか……エルヴィスが、スキルを得たか」

 一通り怒った後、理由を聞きギルド長はアゴ髭を撫でながら頷く。


「理由は分かった……分かったが、お前ら騒ぎすぎだ」

 ギルド長の言葉に、冒険者達は正座しながら縮こまる。


「エルヴィス、お前がどんなスキルを得たか知らんが……変わらず、冒険者になるつもりか?」

 その言葉に、冒険者達は、ハッと気づき一斉にエルヴィスを見た。


「……はい、ギルド長。

 よろしくお願いします」

 エルヴィスは、ギルド長に頭を下げた。


「うおー!

 エルヴィスー、よろしくなーー!」

 エルヴィスの言葉で、再び冒険者達は叫ぶ。


「だから、うるせーって言ってるだろうがっ!

 黙れ、貴様ら。

 そうか……エルヴィス、冒険者を続けていくのは、お前次第だ……頑張れ」


「……くすっ」


「何だ?

 ワシは、変な事言ったか?」

 突然、笑い出したエルヴィスを、ギルド長は睨み尋ねた。


「い、いえ……違うんです。

 すみません、ギルド長。

 今日、行くとこ行くとこで、同じ様な事を皆さん言ってくれるんで、嬉しくなって……ちょっと笑ってしまいました」

 笑い過ぎて、少し涙が出たエルヴィスは、涙を拭きながら説明した。


「フン、そうか……お前は、愛されているな?」


「はい、ギルド長も、ありがとうございます」


「……フン」

 エルヴィスが感謝を述べると、ギルド長は顔を赤くしソッポ向いた。



「じゃあ、まず、受付で登録しろ。

 ……頑張れよ?

 お前ら、祝うのはいいが、騒がしくするなよ!」


「はい、ありがとうございます」


「「「うっす、ギルド長!」」」

 ギルド長はそういって部屋に戻っていった。



 エルヴィスは、受付で冒険者登録をし説明を受け、最低ランクを表す薄い白いプレートのギルドカードを受け取った。


 ポーン。

 ギルドカードを受け取った事により、スキル『記録』を覚えました。


「……」


「エルヴィスくん、どうかしたの?」

 エルヴィスの登録を担当する事になった、受付嬢のシータが首を傾げ尋ねる。


「いえ、あの?」


「そういやー、お前、さっきも、そんな風になってたな……あん時も確か……カード触った時、か?」

 エルヴィスが慌てていると、後ろからアーノルドが尋ねてきた。


「アーノルドさん……そうなんです。

 さっきも今も、何ですけど。

 カード触ったら、頭の中で音がなって、何かスキルを覚えたって声が聞こえるんです」


「声だと?

 ……そうか、お前、そのタイプか」


「アーノルドさん?」


「後で話してやるよ、まずは登録、終わらせな」


「あ、はい……すみません、シータさん。

 続き、お願いします」

 エルヴィスは頭を下げた。


「と、いってもエルヴィスくん、ギルドに通いつめてたから、大抵わかっていると思うけど……一応説明するわね?

 規則だし」


「お願いします」


「まずはランクね。

 ランクは最初はEから始まり、D、C、B、Aと上がっていき、最後にSランクとなります。

 また、Sランクを超越したSSランクもありますが、これは本当に特別な存在で世界で3人しかいないそうです。

 勿論、私どころか、たぶんギルド長だって見た事ないんじゃないかな?」


「本当にいるんですか?」


「いるみたいよ?

 まあ、それはいいとして、そこにいるアーノルドさんはBランク、Cランクになって一人前という事で、CとBランクの間には壁があると言われています」


「壁?」


「ええ、壁。

 難しい試験や、豊富な経験、冒険者達の信頼、確かな実力といったモノを認められて、Bランクに上がれるんです」


「へ~、そうなんだ」

 エルヴィスは、アーノルドを見て、目をキラキラさせる。


「……そんな、凄ぇもんでもねぇよ。

 だから、そんな目でみんな?

 お前らも、うっとーしわ」

 アーノルドは、照れて横に向き、その際に見えた後ろにいる冒険者のニヤニヤに文句を言う。


「ふふ、話を戻しますね。

 つまり、依頼をしっかりと解決していけば、Cランクまでは、簡単とは言いませんが上がれます。

 無理せず、頑張ってくださいね」


「はい」

 エルヴィスは頷く。


「依頼は、後ろにある依頼ボードに張ってあります。

 朝昼夜に3回、依頼があれば追加で張ります。

 受けれる依頼は自分のランク1つ上まで受けれます。

 ますが、こちらで認めない事もあるので、その時は諦めてください」


「何で認められないんです?」


「んー、実力が足りない、戦力が足りないとか色々かな?」


「なるほど?」


「それを判断出来る様になるのも、私達、受付の仕事なんですけど、これは言わなくてもいい事ですね。

 依頼受ける場合は、依頼書を剥がして、受付にも持ってきてください」


「はい」


「また、特別依頼、指名依頼とあります。

 特別依頼は、緊急時にギルドから依頼を出し、町に魔物が現れたとか、突然入った依頼を求める時とかです。

 まあ、そういう事は、そうそうないですけど、あった場合はよろしくお願いします。

 指名依頼は、その名の通り、指名される依頼ですね?

 信頼とか、名が売れたとかで、名指しで依頼がきます。

 ブッキングとかは、こちら《受付》と依頼された冒険者の判断で受けれますので安心してください。

 あと、細々としたルールがありますけど、こちらは、この小冊子を見て理解してください、以上で終わりです。

 ご清聴、ありがとうございました」

 シータは、小冊子をエルヴィスに渡し、頭を下げた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ