04
出来ました。
ブクマ登録、ありがとうございました。
ポーン。
習得条件が揃いましたので、スキル『占い』を覚えました。
また、それに伴い、占いカードを好きな時、魔法で作り出せます。
エルヴィスの頭の中で声が聞こえた。
「んわっ?」
「どうかしたの?」
占い師は、突然エルヴィスが、肩を振るわせ驚いたので、何か不信な点があったと思い尋ねてきた。
「えっ……あ、いえっ、すみません。
大丈夫です、何でもありません」
「? そう……じゃあ、改めて、良いと思うまで、カードをシャッフルしてくれるかしら」
「あ、はい、すみません、分かりました」
エルヴィスは、慌てて占いのカードの束を何度も、混ぜ合わしシャッフルした。
シャッフルするエルヴィスは、カードの感触と楽しさが増していき、シャッフルし続ける。
「……良いと思うまでとは言ったけど、まだかしら?」
「おい、エルヴィス?
いつまでやるつもりだ?」
1分が過ぎ、さすがに長いと思ったのか占い師と、アーノルドはエルヴィスに声をかけた。
「え……あっ、すみません。
シャッフルするのが楽しくて、つい……これで、お願いします」
エルヴィスは、慌ててカードを占い師に渡した。
「……ふふ、面白いお客様ね?
じゃあ、占うわ。
占うのは、貴方のこれから……で、良かったかしら?」
「はい、お願いします」
「分かりました。
でも、1つ、言っておくわね……占った内容を信じるも、信じないも貴方次第。
未来も、貴方次第で変動するし、よく変わるわ。
ようするに、考える道しるべ的な、感覚で聞いてちょうだい?」
「はい?
分かりました……でも、そんな事言っても、いいんですか?」
「勿論よ。
思いっきり信じて、ハズレて文句言われても困るしね?
私の場合、当たったら良かった、ぐらいで、ちょうどいいのよ」
「はあ……そうなんですか?」
「ええ……じゃあ、始めるわね」
占い師は肩をすくめた後、占いを始め、カードを1番上から順に、伏せて置いていく。
まずは、エルヴィスの前に、1枚。
次に、占い師の方に位置をずらし、1枚。
縦に並んだカードの中間、左右に1枚ずつ。
そして、最後に1枚を取り少し離れた場所に置く。
占い師は、カードの束を端に置き、占いの結果を説明していく。
「じゃあ、占うわね……最初に置いたカードを捲るわ。
これは、貴方の『今』の現状を現すカード」
占い師は、カードを捲る。
すると、表になったカードには金貨や宝石が山盛りに入った宝箱の絵柄が描かれている。
占い師の指が離れ、しばらくすると勝手にカードが横向きになった。
「あれ?
カードが、勝手に?」
「……珍しいわね?
でも、たまにこういう事はあるのよ。
これの意味は、今、貴方がお宝を手にいれた。
つまり、貴方は12歳になり、スキル授与の儀式で授かったスキルがお宝ね。
もし、逆さにカードが向いてたら、お宝を失うという意味。
そして、カードが横向きになったという事は」
「という事は?」
エルヴィスは、つばを飲む。
「そのスキルが、お宝が意味をなすのか、ならないのかは、貴方次第で変わるという意味よ。
分かるかしら?」
「……はい、分かります」
エルヴィスは、高台でアーノルドに言われた、『スキルの研鑽をしろ』という言葉を思い出した。
つまり、どういったスキルかを、知らなければ宝の持ち腐れという意味だろう。
「では、次」
占い師に近いカードを捲る。
出たカードは、数人の人が描かれたカード。
しかも、逆さに向いている。
「……このカードは、未来を現すカード」
カードを見て、占い師はあるイメージを受け取った。
それを悟られずに、占いを続ける。
「……逆さに出ているから、そうね……近いうち、と言っても1年以内かしら?
大事な、もしくは大切な人を……失うかもしれない」
「そんな……」
「……さっきも、言ったけど、占いを信じ込むのはやめなさい。
特に未来は不安定だから……気をつける程度でいいのよ?」
「……はい、でも、もしそうなったら?」
エルヴィスは、少し顔をしかめ尋ねた。
「うーん、そうね……身の近くなら、その人、もしくは人達の事を気をつけるぐらいかしら?
貴方は、何でも出来る訳ではないし、神様でもない、事前の事なんて誰にも分からないでしょ?
だったら、貴方が出来るベストを尽くしなさい、としか言えないわ」
「……そうですね、分かりました」
「じゃあ、次ね」
占い師は、左右のカードを両方捲る。
出たカードは……。
右に、左右に別れた道を進む人のカード。
左に、崖から落ちる人のカード……ただし、このカードも横向きになった。
「あら、本当に珍しい……この左右のカードは、貴方がこれから向かう未来のカード。
さっきのとは違うわ、さっきのは未来に起こるカード。
今回のこれは、貴方の向かう行動を示す未来のカード。
まず右ね……別れ道を信じて歩くカード。
意味は、そのまま、自分を信じて生きなさい、よ。
もう1つは、これも分かりやすいけど、曖昧かしら?
左は、成功もするし、失敗もする……まあ、生きていれば当たり前の事ね」
「そう……ですね」
「でも、当たり前な事が出るという事は、貴方は何度も悩み、行動を起こすのかもね?」
「はあ……?」
「ふふ……じゃあ、最後」
少し離れた場所のカードを捲る。
出たカードは、冠を頭に乗せた王様のカード。
「あら、凄い!
これも分かりやすい……つまり、王様、もしくは人生を成功してそれに近い者になる……かもしれない。
ふふ……貴方、面白いわ?
波乱万丈の人生ね……さっきも言ったけど、信じ込まないで、気楽に、忠告として受け取りなさい。
以上、占いは終わりよ……お代は、そうね?
銀貨1枚で良いわ……面白い結果だったから」
「そんなんで、良いのかよ?」
アーノルドは、懐からお金をいれた袋を取り出し、銀貨1枚を置いた。
「確かに……ええ、もし、次に会うことがあって、良い人生を送れて感謝したなら、その時に、もう少しお金をくれたら良いわ?
期待していないけど、ふふ」
占い師は、カードや道具を片付け、店じまいをした。
「もう終わりか?」
アーノルドは、そんな占い師に尋ねた。
「ええ、さっきも言ったけど、面白い占いを占えたし、次の場所……王都か、どっかの村か、あてもなく移動する事にしたわ」
占い師は、楽しそうにいって荷物を持ち、離れて行った。
「うーん、まっ、いっか?
エルヴィス、こんな結果だったがどうだ?」
「うん……楽しかったけど、あの占い師さんの言った通り、少し信じる程度でいいんじゃないかな」
「そうだな……じゃあ、冒険者ギルドに行くか」
「そうだね」
2人は、再びギルドに向かい歩き出した。
町を出た占い師は、立ち止まり振り返り、1枚のカードを懐から取り出す。
「別れ……か。
この町、ヤバイわ……しばらくは来ない方が良さそうね。
村よりもー、王都か、それより遠い所に行った方が良さそうね?」
占い師は、再び歩き出す。
エルヴィスを占い、出たカード……別れ。
占い師には見えた。
エルヴィスの魔力が、十分にシャッフルし、カードに宿った事。
それにより、出たカード意味が……あるイメージが頭に浮かんだ事。
明日、1週間後、もしくは1年後……この町に何かしらの大きな災害が起こる。
占いの内容とかは、創作です。
話の流れです。
あまり、深く考えないでください。
でも、いつか、全部のカードの種類と意味をまとめたいです。
他の話でも出したいし……?
次回は日付変わる、0時です。
よろしくお願いします。